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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

【文献】スタチンは敗血症患者のせん妄を減少させる

■今年1月に英国からブルージャーナルに「スタチンはICU患者のせん妄を減少させる」とするコホート研究の報告[1,2]がonline publishされたばかりですが,今度は米国からの報告です.ICUせん妄では有名なEly先生が両方の共同研究者になってます.
重症疾患におけるスタチンとせん妄:多施設前向きコホート研究
Morandi A, Hughes CG, Thompson JL, et al. Statins and Delirium During Critical Illness: A Multicenter, Prospective Cohort Study. Crit Care Med. 2014 May 7. [Epub ahead of print]
PMID:24810528

Abstract
【目 的】
スタチンはせん妄病態に関与する炎症と凝固に対する多面的効果を有しており,我々は,スタチン曝露が重症疾患罹患中のせん妄の減少に関連し,スタチン治療の中断がせん妄の増加に関連しているとする仮説を検証した.

【方 法】
研究デザインは多施設共同前向きコホート研究,研究の場は米国の2つの大規模三次救急施設の内科・外科ICUで,急性呼吸不全またはショックの患者を対象とした.介入は特にない.我々は入院前とICU在室中の毎日のスタチン曝露を調査し,CAM-ICUを用いて1日2回患者のせん妄の評価を行った.

【結 果】
763例の患者が登録された.患者背景の中央値(四分位範囲)は,年齢61歳(51-70歳),APACHE IIスコア25(19-31)であり,257例(34%)は入院前にスタチン内服歴があり,197例(26%)はICUでスタチンを投与されていた.全体では,588例(77%)がせん妄を発症した.全体では,共変量で調整すると,ICUでのスタチン使用はせん妄の減少に関連していた(p<0.01).この関連性は,敗血症や研究日の影響を受けていた.たとえば,スタチンの使用はday1の敗血症患者においてせん妄の減少に関連していたが(OR 0.22; 05%CI 0.10-0.49),day1の敗血症ではない患者(OR 0.92; 95%CI 0.46-1.84)では関連性がなかった.また,敗血症患者でも後期,たとえばday13では関連性がなかった(OR 0.70; 95%CI 0.35-1.41).入院前のスタチンの使用はせん妄に関連していなかったが(OR 0.86; 95%CI 0.44-1.66; p=0.18),より長い入院前のスタチン服用者のICUでスタチンを中断すると,せん妄のオッズは高かった.

【結 論】
重症患者において,ICUでのスタチンの使用は,特に敗血症早期においてせん妄の減少に関連していた.入院前から内服していたスタチンの中断はせん妄増加と関連していた.
[1] Page VJ, Davis D, Zhao XB, et al. Statin Use and Risk of Delirium in the Critically Ill. Am J Respir Crit Care Med 2014; 189: 666-73
[2] DrMagicianEARl. 【文献】スタチンはICUせん妄を予防する EARLの医学ノート 2014 Jan.24 http://drmagician.exblog.jp/21618525/
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by DrMagicianEARL | 2014-05-19 15:10 | 敗血症 | Comments(0)

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