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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

【文献】慢性呼吸器疾患急性増悪に対する早期の先進的強化リハビリテーションで1年死亡が1.74倍増加する

■ICU患者に対する早期リハビリテーションにおいて,標準的リハビリテーションよりもさらに先進的なもの(強化した有酸素運動や電気刺激などなど)をがっつりと取り入れるのはむしろよくないようです.副次評価項目とはいえ,RCTで長期死亡リスク1.74倍は無視できません.入院早期はやりすぎず,標準的リハビリテーションにとどめておくべき,というsuggestionになります.More is not always betterの原則はリハビリテーションにも適応されるということでしょう.
慢性呼吸器疾患の増悪による入院中の回復を強化するための早期リハビリテーション介入:無作為化比較試験
Greening NJ, Williams JE, Hussain SF, et al. An early rehabilitation intervention to enhance recovery during hospital admission for an exacerbation of chronic respiratory disease: randomised controlled trial. BMJ 2014; 349: g4315
PMID:25004917

Abstract
【目 的】
慢性呼吸器疾患増悪による入院急性期における早期リハビリテーション介入が12ヶ月以上での再入院リスクを減少させ,身体機能や健康状態への悪影響を減少させるかを検討する.

【方 法】
研究デザインは前向き無作為化比較試験である.研究は大学病院の急性期循環呼吸器ユニットと地区総合病院の急性期内科ユニットで行った.慢性呼吸器疾患増悪で入院してから48時間以内の45歳から93歳までの患者389例を,早期リハビリテーション介入群(196例)と標準ケア群(193例)に無作為に割り付けた.主要評価項目は12ヶ月時点で再入院率とした.副次評価項目は入院日数,死亡率,身体機能,健康状態とした.主要解析はITT(Intent-to-treat)で行い,二次アウトカムとしてPP(per--protocol)解析を行った.早期リハビリテーション群の患者は入院から48時間以内に開始し,6週間の介入を受けた.介入は,規定された,積極的有酸素運動,抵抗,神経筋電気刺激トレーニングが含まれた.また,患者は自己管理と教育パッケージも受けた.

【結 果】
389例のうち,320例(82%)が慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断された.233例(60%)は追跡年のうちに少なくとも1回は再入院した(介入群62%,対照群58%).両群間に有意差はみられなかった(HR 1.1; 95%CI 0.86-1.43; p=0.4).1年時点で介入群において死亡率の増加がみられた(OR 1.74; 95%CI 1.05-2.88; p=0.03).退院後に両群において身体機能,健康状態は有意に回復したが,1年時点で両群間に有意差はみられなかった.

【結 論】
慢性呼吸器疾患での入院中の早期リハビリテーションは,12ヶ月以上のイベント追跡において,再入院リスクを減少させず,身体機能回復を増強しなかった.12ヶ月時点での死亡率は介入群の方が高かった.この結果は,最近の標準的リハビリテーションを超えた先進的運動リハビリテーションを急性疾患早期に開始すべきではないことを示唆する.

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by DrMagicianEARL | 2014-07-17 00:00 | 文献 | Comments(0)

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