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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

【文献】レジオネラ肺炎に対するアジスロマイシンとキノロンは死亡率同等

■レジオネラ肺炎に対してはキノロン(FQs)とマクロライド(MLs)が有効とされています.これまで直接比較した検討ではエリスロマイシン(EM)やクラリスロマイシン(CAM)ではFQsより不利という報告がいくつもでていたこともありFQsが第一選択とされています.しかしながらアジスロマイシン(AZM)での単一アームの報告では治療成績は決してFQsには劣っていませんでした.私自身,n=2ではありますが,レジオネラ肺炎をAZMで治療した経験があり,特に治療に難渋はしていません.今回,FQsとAZMを直接比較したコホート研究が初めて報告されましたので紹介します.なお,試験デザインは細かい重症度や検査値が考慮されていない大規模データベースのpropensity score matchingですので注意は必要ですが.いずれにせよこの疾患はRCTを行うことが困難です.
レジオネラ肺炎による入院患者における抗菌薬治療レジメンと院内死亡の関連性
Gershengorn HB, Keene A, Dzierba AL, et al. The association of antibiotic treatment regimen and hospital mortality in patients hospitalized with legionella pneumonia. Clin Infect Dis 2015 Jun 1;60(11):e66-79
PMID:25722195

Abstract
【背 景】
ガイドラインではレジオネラ肺炎の治療においてアジスロマイシンまたはキノロン系抗菌薬が推奨されている.これらの治療について比較した臨床研究はない.

【方 法】
我々は,Premier Perspectivesデータベース(2008年7月1日~2013年6月30日)を用いて,米国においてレジオネラ肺炎の診断で入院した成人患者の後ろ向きコホートの解析を行った.主要評価項目は院内死亡率とした.加えて,入院期間,Clostridium difficile腸炎,全入院コストも評価した.我々はアジスロマイシン対キノロンの治療を受けた患者の比較のため,傾向に基づいたマッチングを使用した.全ての解析は,ICU入室や人工呼吸器を要する,あるいは予測院内死亡が四分位で最も高いと定義されたより重症度の高い患者のサブ解析も行った.

【結 果】
437の病院で3152例の成人がレジオネラ肺炎と診断された.キノロン単独は28.8%,アジスロマイシン単独は34.0%,併用は1.8%で使用されていた.院内粗死亡率はキノロン群が6.6%(95%CI 5.0-8.2%),アジスロマイシン群が6.4%(95%CI 5.0-7.9%)で同等であった(p=0.87).傾向スコアマッチング(各群813例ずつ)でも死亡率は同等であった(全体で6.3%[95%CI 4.6-7.9%] vs 6.5%[95%CI 4.8-8.2%], p=0.84,より重症度の高いサブグループで14.9%[95%CI 10.0-19.8%] vs 18.3%[95%CI 13.0-23.6%], p=0.36).入院期間,C. difficile感染,全入院コストに差はみられなかった.

【結 論】
レジオネラ肺炎の治療においてアジスロマイシン単独かキノロン単独の使用は院内死亡率が同等であった.わずかな患者が併用療法を受けていた.

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by DrMagicianEARL | 2015-05-18 16:08 | 肺炎 | Comments(0)

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