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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

【文献】C. difficile再感染予防のための無毒化C. difficle投与は有用

■Clostridium difficle感染(CDI)といえば,最近海外では最強のprobioticsとも言われる細菌叢移植である糞便投与が話題ですが,今度は無毒化したClostridium difficileを投与して再感染を防ぐという研究で,これもある意味probioticsということにはなりますが・・・この領域はとにかく驚かされる発想ばかりです(回盲部にドレーンつっこんで大量の水で洗い流すなんて治療もあります).よくこんなことやろうと考えましたね・・・
Clostridium difficle感染再発予防のための無毒化Clostridium difficile株M3の芽胞投与:無作為化比較試験
Gerding DN, Meyer T, Lee C, et al. Administration of spores of nontoxigenic Clostridium difficile strain M3 for prevention of recurrent C. difficile infection: a randomized clinical trial. JAMA. 2015 May 5;313(17):1719-27
PMID:25942722

Abstract
【背 景】
Clostridium difficileは米国の病院における医療ケア関連感染の最も多い原因である.患者の25-30%が再発する.

【目 的】
安全性,腸管内定着,再発率,C. difficle感染(CDI)再発予防のための無毒化C. difficile株M3(VP20621; NTCD-M3)最適な用量設計を検討する.

【方 法】
本研究は,米国,カナダ,欧州の44施設において,2011年6月から2013年6月まで,CDI(初回感染または初回再発)と診断を受け,かつメトロニダゾールか経口バンコマイシンまたはその両方の投与による治療が成功した18歳以上の患者173例で行われたPhaseⅡ,二重盲検プラセボ対照用量調節研究である.患者は,NTCD-M3の経口固形物として,10^4芽胞/日を7日間(n=43),10^7芽胞/日を7日間(n=44),10^7芽胞/日を14日間(n=42),プラセボを14日間(n=44)の4つの治療に無作為に割り付けられた.主要評価項目は治療7日間以内のNTCD-M3の安全性と忍容性とした.副次評価項目は研究薬終了から6週間のNTCD-M3の腸管定着とday 1から6週間のCDI再発とした.

【結 果】
治療開始となった168例の患者のうち,157例が治療を完遂した.1つ以上の治療を要する有害事象はNTCD-M3投与を受けた患者の78%,プラセボ投与を受けた患者の86%で報告された.下痢と腹痛は,それぞれ,NTCD-M3投与患者で46%と17%,プラセボ投与患者で60%と33%であった.治療を要する重篤な有害事象は,プラセボ投与患者で7%,NTCD-M3投与患者で3%であった.頭痛はNTCD-M3患者で10%,プラセボ投与患者で2%であった.腸管内定着はNTCD-M3患者の69%でみられ,10^7芽胞/日群で71%,10^4芽胞/日群で63%であった.CDI再発率は,プラセボ患者43例中13例(30%),NTCD-M3患者125例中14例(11%)であり(OR 0.28; 95%CI 0.11-0.69; p=0.006),最も低い再発率であったのは10^7芽胞/日の7日間投与を受けた患者で,43例中2例(5%)であった(OR 0.1; 95%CI 0.0-0.6; p=0.01 vs プラセボ).再発は定着した患者では86例中2例(2%),NTCD-M3を投与されたが定着しなかった患者では39例中12例(31%)であった(OR 0.01; 95%CI 0.00-0.05; p<0.001).

【結 論】
メトロニダゾールかバンコマイシンで治療を行い臨床的に改善したCDI患者において,NTCD-M3芽胞の経口投与は良好な忍容性と安全性を示した.無毒化C. difficlie株M3は消化管に定着し,CDI再発を有意に減少させた.

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by DrMagicianEARL | 2015-06-25 19:14 | 感染症 | Comments(0)

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