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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

【文献】急性呼吸不全の人工呼吸管理でPCとVCにいなかる差もない(メタ解析)

■人工呼吸管理の際,圧調節のPCが好まれる傾向が多いようですが,実際にPCの方がアウトカムがよいとする質の高い研究があるわけではありません.私自身はVCを最初に用いており,同調が悪ければPCに変更する,という方法をとっています(ちなみにSIMVは一切使ってません).

■今回,PCとVCを比較したメタ解析が報告されたので紹介します.結果はいかなる差も認めずとのことで,患者ごとにいい方を選択すればいいということになるでしょうか.
急性呼吸不全における圧調節vs容量調節の換気:生理学的ナラティブおよびシステマティックレビュー
Rittayamai N, Katsios CM, Beloncle F, et al. Pressure-Controlled vs Volume-Controlled Ventilation in Acute Respiratory Failure: A Physiology-Based Narrative and Systematic Review. Chest 2015; 148: 340-55
PMID:25927671

Abstract
【背 景】
人工呼吸は急性呼吸不全の管理において重要である.容量調節または圧調節の換気はいずれも用いられているが,後者のモードの使用が増加している.我々はこれら2つのタイプの換気の生理学的原則によるナラティブレビューと,文献検索を行ってモード間の比較を行った文献を解析した.

【方 法】
圧調節持続強制換気(PC-CMV)または圧調節逆比換気(PC-IRV)が容量調節持続強制換気(VC-CMV)より有用であるか否かについて検討するため,システマティックレビューおよびメタ解析を行った.方法論的質の評価としてバイアスリスクについてはCochraneツールを用いた.また,研究の選別のため,質の目安として生理学的基準を導入した.アウトカムはコンプライアンス,ガス交換,血行動態,呼吸仕事量,臨床的予後とした.解析はランダム効果モデルを用いたRevMan5を使用した.

【結 果】
34研究が登録基準に該当し,多くの高いバイアスリスクを有していた.PC-CMV/PC-IRVとVC-CMVの比較では,コンプライアンスやガス交換においていかなる差も認めておらず,PC-IRVのみでみても同様であった.酸素化指標の慶安ではPC-IRVにおいて効果減弱が示唆された.血行動態,呼吸仕事量,臨床的予後に関して,両モード間に差は見られなかった.

【結 論】
2つのモードが異なる稼働原則であるが,臨床的に得られるデータではアウトカムにいかなる差もみられなかった.我々は一般化を高める全ての検出した試験を登録し,質の高い生理学的研究のみを含むよう試みた.しかし,含まれる試験は小さく,質は非常に多様であった.これらのデータは,急性呼吸不全患者の換気の選択肢を広げる上で一助となる.

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by DrMagicianEARL | 2015-08-11 10:00 | 敗血症性ARDS | Comments(0)

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