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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

【文献】ICU患者の気管切開のタイミングは早期の方が良好なアウトカムが得られる(メタ解析)

■ガイドライン作成や原稿執筆(+忘年会ラッシュ)に圧迫されてなかなかブログが更新できない状態が続いており,紹介したいけどできない論文が多数・・・なんとかできる範囲でアップしていきます.

■今回紹介するのはICU患者の気管切開のタイミングを検討したRCTのメタ解析です.Authorの最後には泣く子も黙るProf.Vincentの名前が.おそらく気管切開は早い方がいいだろうという流れの中,意外にそうではないという報告も散見され,議論されている内容です.今回の12報メタ解析では,早期に気管切開を行う方が良好なアウトカムが得られるという結果.ただし,気管切開率が有意に高まるという結果も同時に得られており,早期に気管切開を行うべき患者を抽出するためのリスク因子の検討が今後の課題になりそうです.
ICU患者の気管切開のタイミング:無作為化比較試験のシステマティックレビュー
Hosokawa K, Nishimura M, Egi M, et al. Timing of tracheotomy in ICU patients: a systematic review of randomized controlled trials. Crit Care. 2015 Dec 4;19:424
PMID:26635016

Abstract
【背 景】
重症患者の気管切開の適切なタイミングは議論されるトピックとなっている.我々は早期と晩期の気管切開の潜在的有益性を明らかにするためにシステマティックレビューを行った.

【方 法】
我々は早期および晩期気管切開で管理された患者のアウトカムを比較した無作為化比較試験をPubMedとCENTRALで検索を行った.平均差(WMD)またはオッズ比(OR)の推定のため,気管切開のタイミングを3つの期間で定義した分類(4日以内vs10日以降,4日以内vs5日,10日以内vs10日以降)によるデータとして結合したランダム効果モデルのメタ解析を行った.

【結 果】
検索によって142の研究が抽出され,計2689例の患者を含む12報が登録基準を満たした.気管切開率は早期の方が晩期より有意に高かった(87% vs 53%, OR 16.1 (5.7 to 45.7); p<0.01).早期気管切開はより長い人工呼吸器free days(装着していない日数)(WMD 2.12 (0.94 to 3.03), p<0.01),より短いICU滞在日数(WMD -5.14 (-9.99 to -0.28), p=0.04),より短い鎮静期間(WMD -5.07 (-10.03 to -0.10), p<0.05)に関連しており,長期死亡率を晩期気管切開よりも減少させた.

【結 論】
本メタ解析のアップデートは,晩期気管切開に比して早期気管切開が,より高い気管切開施行率と,より長い人工呼吸器free days,より短いICU在室期間,より少ない鎮静,長期死亡率の減少を含む良好なアウトカムを示した.

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by DrMagicianEARL | 2015-12-09 16:29 | 文献 | Comments(0)

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