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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

敗血症安心プラネット~SEPSIS JAPAN~(Global Sepsis Alliance JAPAN)の御紹介

※本記事は一般市民向けでもあります.

敗血症安心プラネット~Global Sepsis Alliance JAPAN~の御紹介
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1.敗血症という病気

■敗血症(英語でSepsis)という病気を知っていますか?敗血症は医学的には「全身症状を伴う感染症,あるいはその疑い」とされています.あらゆる感染症も重症化すると敗血症になります.一般的な肺炎や尿路感染症などの細菌感染症のみならず,インフルエンザやエボラ,MERSコロナウイルス,さらには寄生虫なども重症化すれば敗血症に至ります.この敗血症によって臓器不全,あるいはショック状態になると死亡率は著しく増加します.
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■世界では年間約2700万人の敗血症が発生しており,そのうち,約800万人が死亡しており,2-3秒に1人が世界のどこかで敗血症により死亡している計算になります.このため「Around every 3rd heartbeat, someone dies of sepsis.(心臓が3回鼓動を打つごとに誰かが敗血症で亡くなっている)」とも言われています.これは発展途上国だけの問題ではなく,日本を含む先進国でも深刻です.2002年から2008年にかけての10年間で,敗血症発生率は2倍以上と劇的に増加しており,心臓発作よりも多くの患者が敗血症に罹患しています.そして,敗血症患者の20-40%は集中治療室(ICU)での治療を必要としています.

■米国7州にある847病院の重症敗血症患者192980例の死亡統計データから日本にあてはめると,日本では年間38万4千人が重症敗血症に罹患していることになります.2011年の厚生労働省死亡統計では,敗血症が死因とされている死亡は11170例であり,全死亡の0.9%でした(2001年時は6179例であり1.8倍に増加).しかし,この数字は癌など他の病気がある患者が敗血症にかかり死亡した場合などが含まれていない可能性が高く,実際の死亡数はもっと多いものと考えられており,米国モデルにあてはめるならば,おそらく日本の実際の敗血症死亡例は死亡統計の約10倍(年間10-20万人)と予想されます.また,高齢者ほど罹患率,死亡率が高いことも示されており,超高齢化社会を迎えている日本ではさらに敗血症患者は増加すると思われます.

2.世界敗血症同盟(Global Sepsis Alliance)の設立

■この敗血症の世界的な危機的状況を改善させるため,「Stop Sepsis, Save Lives(ストップ敗血症,命を救え)」をスローガンに,非営利団体である世界敗血症同盟(GSA;Global Sepsis Alliance)設立され,敗血症患者のためにより良い管理体制を整えることを目的とし,致死性疾患である敗血症に対する認識を深めるための世界的活動の一貫として,2012年に毎年9月13日をWorld Sepsis Day(世界敗血症デー)と定め,世界各地で各種イベントが開催され,世界敗血症宣言が発表されています.日本でも東京や横浜でイベントが開催されました.
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■日本集中治療医学会では,2012年3月のブリュッセルにおける世界敗血症同盟の準備会議に参加し,World Sepsis Dayの趣旨に賛同し,8月には日本GSA委員会(中川聡委員長)を発足させ,活動を開始しています.活動としては,専門家による敗血症の早期診断,早期治療介入,集中治療,リハビリテーションの知識の普及啓発を医療者および一般市民に対して行うことを計画しています.

■2015年にGSA Japanのホームページが開設されています.敗血症がどのような病気か,どのような症状があれば病院を受診すべきか,どのようにして敗血症を予防するかなどが解説されていますので以下のリンクから是非ご覧ください.

市民と医療従事者のための敗血症安心プラネット~SEPSIS JAPAN~
Global Sepsis Alliance JAPAN
http://sepsisjapan.com/

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by DrMagicianEARL | 2016-02-13 19:38 | 敗血症 | Comments(0)

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