ブログトップ

EARLの医学ノート

drmagician.exblog.jp

敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

<   2012年 11月 ( 4 )   > この月の画像一覧

赤字は改訂箇所です

9.DIC対策
敗血症におけるDICは,臓器不全発症の一因であり治療の対象となりうる(1C).
※DICは原疾患治療のみで,DICに対する治療は行わないとする欧米の考え方と真っ向から対立する内容といえ,DICそのものを積極的に治療する方針を打ち出している.確かに,敗血症にDICを合併すると予後が悪化することはKyberSeptでもPROWESSでも示されている通りである.しかしながら,DIC治療で予後が改善したというRCTは現時点では存在しないことを考えれば,推奨度は2Dとなるはずである.
急性期DIC診断基準は最も感度が高く,敗血症に伴うDICの早期診断に推奨される(1B).急性期DIC診断基準でDICと診断された時点でDICの治療を開始することが望ましい(1C)(2C)
※DIC治療開始のタイミングについて推奨度がダウンした.しかし,解説には変更がなく,ダウンの理由までは分からない.もし敗血症性DIC治療による予後改善エビデンスがまだないことを考慮しているのであれば,冒頭の「敗血症におけるDICは,臓器不全発症の一因であり治療の対象となりうる」も推奨度を2に下げるべきであろう.
各DIC治療薬の推奨度:未分画ヘパリン(2D),低分子ヘパリン(2C),ヘパラン硫酸(ダナパロイド)(2B)(2D),アンチトロンビン(2A)(2C),リコンビナント・トロンボモデュリン(2B)(2C)
※ダナパロイド,アンチトロンビン,リコンビナント・トロンボモデュリンでGRADEがダウンした.おそらくパブリックコメントで最も批判が出た項目の1つと推察される.
※パブリックコメント募集前は極めて不可解なエビデンスレベルであった.アンチトロンビンはKyberSept trialにおいてはあくまでもサブ解析で生存率改善が示されたに過ぎず,しかも日本とは違い非常に高用量でのtrialであることを考えれば,エビデンスレベルをAとするのはありえない話である(実際に担当委員はKyberSept trialを根拠に述べており,統計学を無視しているかのうようなAのつけ方である).また,新たに登場したトロンボモデュリンもPhaseⅢと市販後調査しかデータがないにもかかわらずエビデンスレベルがBであることも理解しがたいものであった.
※解説では,人工呼吸器装着の敗血症性DIC患者に対するリコンビナント・トロンボモデュリン投与が,歴史的対照群と比較して28日死亡率が有意に改善した山川らの報告(Crit Care 2011; 15: R123)が追加されている.

メシル酸ガベキサート(GM)やメシル酸ナファモスタット(NM)などの合成プロテアーゼ阻害薬(Synthesized Protase Inhibitor:SPI)は,未分画ヘパリンと同等の有用性が証明されており(2B)(2D),特に活動性の出血や出血性合併症が危惧される場合に使用する(2D).
※未分画へパリン程度と同等の有用性でなぜGRADEが2Bなのか,それほどエビデンスもないのに疑問がもたれていた部分であったが,当然ながらGRADEはダウンした.なお,小生はもはや敗血症性DICでは使用していない.敗血症では線溶抑制系DICのため,NMは推奨しにくいと思われるが・・・
敗血症性DICに対する輸血は,通常,推奨されない.ただし,それぞれの血液成分の減少などによって出血傾向がある場合は,抗凝固剤の投与下に使用する(1D).
※DICではADAMTS13が減少していることがあり,血栓性血小板減少症に類似した病態となっていることがあり,血小板輸血がリスクとなる可能性がある.このため,ADAMTS13輸注という観点から新鮮凍結血漿投与が優先されるべきかもしれない.

10.急性血液浄化法
BUN,Crなどの腎機能を指標としたRRTの開始時期に明確な基準はない(1B)(2C)しかしながら,初期蘇生を行っても尿量が得られない重症敗血症,敗血症性ショックでは早期開始を推奨する考慮してもよい(1B)⇒(1C)
※おおむね推奨度・GRADEがダウンした.解説では新たにPayen Dらの報告(Crit Care 2008; 12: R74)が追加されていた.
※SSCG 2012改訂ではRRT推奨は見送られた.

CRRT(持続的腎代替療法)はIRRT(間歇的腎代替療法)に比較して予後を改善するというエビデンスは得られていない(2A).しかし,循環動態が不十分ならば,IRRTではなくCRRTまたはSLED(低効率血液濾過透析)を推奨する(1C).

予後改善という観点からの至適血液浄化療法については結論を出すにはエビデンスが不十分である(2B).

急性腎不全のない敗血症ではサイトカイン等のメディエータを除去するには,吸着特性を有する膜の選択,大孔径膜の選択,あるいは血液浄化量を増やすことにより,サイトカイン等のメディエータは除去されうるなどの方法が必要である(1C)(2C).これにより循環動態の改善を図ることができる可能性が高い(1B)(2C).しかしながら,生命予後を改善するというエビデンスはない(2B)(2C)
※解説は大幅に変更されており,エビデンスがほとんどないことから,推奨度もGRADEものきなみダウンしている.
※解説でPMMA膜について言及しているが,実際には症例集積レベルのエビデンスしかない.

エンドトキシン吸着カラム(PMX-DHP)は腹部緊急手術を要する敗血症性ショックに対しては循環動態改善効果,呼吸機能改善効果が示されている(1B)(2C).予後を改善するかどうかの結論をだすには根拠が不十分である(1C)(2C)
※PMX-DHPについても推奨度やGRADEがダウンとなったが,これもこれまでの研究結果を見れば当然の流れといえる.パブコメ募集前はおそらくEUPHAS trialをやや過大評価しすぎたものと推察される.PMX-DHPを正確に評価する上でも大規模RCTが必要であり,現在,イタリアでEUPHAS 2 projectがフランスでABDO-MIXが,アメリカでEUPHRATES trialが行われており,その結果を待つことになる.PMX-DHPについてはこちらを参照.

11.ガンマグロブリン製剤
成人敗血症へのガンマグロブリン製剤(IVIG)投与による予後改善効果は,現時点では根拠不十分である(2B).しかし,人工呼吸器離脱率,ICU生存率改善の報告もあり,使用を考慮してもよい(2B).敗血症発症の早期にIVIGの投与を考慮してもよい(2B)(2C)
※日本での投与量は海外と違い非常に少なく,その量に明確な根拠がない.担当委員は解説でSepsis Registry調査結果を示した.内容は観察研究で,IVIG投与群131例と非投与群135例を比較したもので,IVIG投与群が有意に死亡率が高いという結果であった.ただし,APACHE-Ⅱスコアなどで患者背景が異なり,IVIG投与群が重症の傾向にあったため,Propensity Scoreを用いたmatchingを行って調整した結果,ICU死亡率,院内死亡率,28日死亡率がIVIGで有意に改善したというデータを参考として示した.しかしながら,海外と投与量が異なる現時点のエビデンスの蓄積状況では日本での前向きのRCTが必要であり,GRADEがBであることには疑問を感じざるを得ない.
IVIGの総投与量は0.2g/kg以上,投与期間は3日間以上投与する(2B)(2C).完全分子型製剤を使用する(2B)(2C)
※当然ながら0.2g/kgという量は海外の報告で使用された量と比較してはるかに少ない.解説では「できれば1g/kg以上」と推奨しているものの,保険適応外であり,膨大なコスト増となる.エビデンスも考慮すればそこまでのコストパフォーマンスがあるのかは疑問である.

12.蛋白分解酵素阻害薬
プロテアーゼの異常な活性化は敗血症を増悪させ,合併するショック,DIC,急性肺損傷などの一因となることから,臓器障害の予防あるいは治療目的で投与する(2C).完全削除
※GRADEはD未満としか言いようがなく,削除は当然と思われる.
敗血症に対するウリナスタチン(2C)(2D)敗血症性DICに対するメシル酸ガベキサート/ナファモスタット(2B)完全削除,ARDSに対するシベレスタットナトリウム(2B)(2C)
※ここの担当は岩手医科大学の遠藤教授である.DICに対するGM/NMについてはDICの章との整合性がなくなってしまうため,削除は妥当といえる.その他2薬剤についてもGRADEはダウンしているが,そもそも敗血症診療において必要性すら怪しい薬剤である.当院の敗血症診療ガイドラインでは2薬剤とも使用を推奨していない.
※シベレスタットについては主要な報告として国内PhaseⅢ,相川らの報告(Pulm Pharmacol Ther 2011; 24: 549-54),海外STRIVE study(Crit Care Med 2004; 32: 1695-702),岩田らのメタ解析(Intern Med 2010; 49: 2423-32)の4つがある.
※国内PhaseⅢはプラセボ対照ではなく,解析方法はper protocolであり,しかも片側検定という考えられない統計手法を用いて有効性を示している(両側検定にするといくつかのアウトカムに有意差がなくなる).
※また,どういうわけか解説ではシベレスタットの有効性が見出せなかった岩田らのメタ解析に一言も触れられていない.
※加えて,死亡率が低下したSTRIVE studyを「投与のタイミングが遅れたことで効果が薄れたことも否定できない」としているが,そのようなlimitationがあったとしても背景に有意差のないシベレスタット群とプラセボ群を比較した検討で有意差がでないどころかプラセボ群より死亡率が高まるのは異常であり,「投与が遅れた」ということは理由になるのか甚だ疑問である.シベレスタットによる有害性は否定できていないのが現状であり,安全性を再度評価すべきと思われる.
※相川らの報告もlimitationだらけで,その結果をエビデンスとして反映することは慎重とすべきである.この報告はRCTではあるものの,患者ごとではなくに施設ごとに割付がなされており,背景に有意差がある項目が多数見られた(調整は行われている).さらに,比較的予後の悪いdirect ARDSがプラセボ群の方に多くみられているにも関わらず,この点については調整が行われていない.
※東京慈恵医大より日集中医誌 2012; 19: 609-15に,シベレスタットの使用を原則中止しても敗血症性肺傷害の予後は悪化しなかったとのbefore-after研究の報告がなされた.実際には悪化しなかったというより,使用中止後は人工呼吸器期間が有意に短く,院内死亡率は73.1%有意に減少していた.
※以上から,シベレスタットをARDSに使用可能かどうかは安全性という最も最初に評価されるべき段階までさかのぼり,いまだに議論の範疇を出ていない.せめて本ガイドラインでのこの項目には「安全性は明らかでない」との一文をつけてしかるべきである.


【その他ガイドラインに記載されていないことについて】
 そろそろ医療業界は医師だけでガイドラインを作る悪い癖をそろそろやめるべきである.このガイドラインはおおよそ『集学的治療』の指針とは言い難い.
 また,看護師領域においては海外ではWFCCNより看護師版SSCGが発表されている(Crit Care Med 2011; 39: 1800-18).ここにはVAP対策や口腔ケアなども含まれる.これらの感染対策は特に重要とすべきであり,初期の適切な抗菌約を受けた敗血症性ショック患者で,ICUでの感染獲得は院内死亡の決定因子と報告されている(Crit Care Med 2012; 40: 2016-21).
 ICU-acquired weakness(ICUAW)も敗血症が頻度が高く,人工呼吸器患者で約半数が発症しうるとする報告もあることから,認知度の低い日本でも認知を広める上で記載されてしかるべきではないか(ICUAWについては詳しくはこちらを参照)
 早期社会復帰を目指す上でもICUAWを予防する上でもリハビリテーションは重要であり,World Sepsis Dayでの世界敗血症宣言でも5つの目標の1つとして触れられていた.しかし,本ガイドラインには一言も触れられていない.
[PR]
by DrMagicianEARL | 2012-11-15 19:03 | 敗血症 | Comments(0)
赤字は変更箇所です.

5.初期蘇生と循環作動薬
血圧の低下にこだわらず,代謝性アシドーシスの進行,血中乳酸値の上昇を認めた場合に,初期蘇生を開始する(1A).
※推奨度は1Aとされている.「血圧の低下にこだわらず」が大きなポイントで,末梢循環不全による酸素代謝障害等をショックの本態ととらえるようになった近年の流れに沿った内容となった.当院の敗血症診療ガイドラインでも血圧低下がなくても乳酸アシドーシス(特にLactate≧4mmol/L)であれば敗血症性ショックとみなすことにしている.血圧とショックについてはこちら
※本章ではこの項目に限らず解説の文末表現が所々変更になっているが,とりたてて意味が変わるわけではない.

観血的動脈圧測定を行いで血圧を連続的に監視し,動脈血ガス分析を時系列で行う(1D).
※表現が追加となったが,観血的動脈圧測定値の解釈まで踏み込んだ内容にはならなかった.Aラインは血圧よりもむしろ波形の解釈の方が重要かもしれない.
※撓骨動脈で測定している場合,敗血症性ショックのような末梢血管拡張病態では実際の血圧より低い値が表示され,自動血圧計の方が正確であることが多い.自動血圧計と動脈カテーテルで血圧に乖離がある場合は,カテーテルの入っている手を握ってやると自動血圧計表示圧と同等になることもしばしば経験される.一方,大腿動脈に動脈カテーテルを挿入した場合は比較的正確な血圧が表示されるため,小生は大腿動脈に挿入している(感染リスクを考慮し,留置期間は最大でも6日間までとしている).ただ,動脈カテーテルを挿入する意義は,血圧よりもむしろ頻回な採血(特に動脈血ガス分析)を行うことと脈波観察である.動脈カテーテルについて詳しくはこちら

輸液を中心とした初期蘇生により,中心静脈圧8-12mmHg,平均血圧>65mmHgを目標とし,尿量>0.5mL/kg/Hr,中心静脈酸素飽和度>70%が達成されるかどうかを評価する(1A).動脈血ガス分析で代謝性アシドーシスの改善と乳酸クリアランスを少なくとも6時間毎に評価する(1A).
※6時間という時間が提示されたが,EGDTを行うならばより短時間間隔でのモニタリングが必要ではないか?
心臓超音波検査などにより心機能と前負荷を評価することで輸液管理を適正化する(2D).
※まだ文献レベルでのデータ集積は少ないためエビデンスレベルは低いが,重症敗血症病態において心臓超音波検査による評価は循環動態管理に必須という認識で既に多くの施設で重要視されている.そのため推奨度も1Dとなっている.
初期蘇生はearly goal-directed therapyに準じて施行し(1A),初期輸液には,晶質液だけではなく,アルブミン液や赤血球輸血を考慮する(1B)(2B)
※アルブミン液と赤血球輸血の推奨度がダウンした.報告は徐々に蓄積されてはいるが,推奨度は下げられたのはまだリスクもあるということか.2012年9月にPark DWらからCritical Care Medicineに,低リスクの重症敗血症・敗血症性ショックに対する輸血で死亡率が50%前後低下したとする韓国22施設ICUの1450名のpropensity matching解析が報告されているが,本ガイドラインでは解説に含まれていない.
※基本的には晶質液と膠質液で臨床効果に有意差がないという意見が多く,SSCG 2008ではコスト面を考慮して晶質液が推奨しているが,一部,アルブミン製剤などで死亡率が有意に改善したとする文献もあることから本項目が付け加えられたと思われる.
※言及されていなかったHES製剤(ヘスパンダー®やサリンヘス®)は当院の敗血症診療ガイドラインでは原則使用禁忌としている.これは,HES製剤による腎傷害の報告が相次いでいるためであり,本邦で使用されているものと同等の分子製剤での検討はなされていないが,リスクが考えられるための対処である.

敗血症初期の末梢が温暖なwarm shockでは,血管作動薬としてノルアドレナリン(0.05μg/kg/min~)(1A)か,少量ノルアドレナリン(0.05μg/kg/min~)+バソプレシン(0.03単位/kg/hr~)(1B)を第1選択とする.敗血症初期の末梢が温暖なwarm shockでは,血管作動薬としてノルアドレナリン(0.05μg/kg/min~)を第1選択とする(1A).ノルアドレナリンへの反応性が低下している場合にはノルアドレナリン(0.05μg/kg/min~)に加えてバソプレシン(0.03単位/kg/hr~)の併用を考慮する(2B).
※ノルアドレナリン単剤のみが第1選択に変更となり,バソプレシン併用は1Bから2Bに下げられた.GRADEレベルが違う2つの治療法をまとめて第1選択とすると混乱が生じることからバソプレシン併用の推奨度を下げたものと思われる.
※敗血症性ショックにおいてノルアドレナリンがドパミンより優れていることは既に多くの研究で確認されており,メタ解析でも死亡率に有意差がついている.この発表ではドパミンの名前すらだしていない.なお,今年発表されるSSCG 2012ではドパミンの記載は残るものの推奨度は下げられるとのことである.敗血症性ショックにおける昇圧剤についてのまとめはこちらを参照
※近年ではドパミンのようなβ刺激よりむしろβ受容体遮断薬(エスモロールなど)を投与する方が予後がよいとする報告がでてきている.

心機能が低下した場合には,ホスホジエステラーゼ(PDE)Ⅲ阻害薬やカルシウム感受性増強薬の併用を考慮する(2D).完全削除
※松田直之教授ならではとまではいかないが,独特の追加項目だったが削除されている.ただし,解説では本剤に言及しており,「考慮するとよい」としている.
※SSCGではこの2剤については触れられてもいないし,一般臨床医の敗血症治療においてはあまり馴染みがないかもしれない.実際,この2剤は病態薬理学的に理にかなっており,cold shockにおいても有用の可能性があるものの,これを明確にする臨床研究がまだ存在しない(そのため推奨度は2Dであった).

※本ガイドラインではパブリックコメント前後のいずれにおいてもドブタミンは推奨されていない.これは解説にある通り,β1シグナルが敗血症病態では伝達されにくいことも反映されていると推察される.SSCGでのEGDTではドブタミンが推奨されているものの,実は根拠がない.実際,ドブタミンの効果が疑問視されていることも事実であり,細胞内情報伝達メカニズムを考慮した治療薬選択が望ましいかもしれない.Enrico Eらが2012年10月にJ Crit Careに敗血症性ショックにおけるドブタミンの効果について検討しており,ドブタミンは心拍数,心係数,1回心拍出量を増加させるが,平均血圧は不変であり,全身血管抵抗は減少したと報告している.この報告では,微小循環傷害は投与前に高度な変化がある場合でのみ改善したとされている.

※解説に変更があり,アドレナリン持続投与については本ガイドラインでは推奨しない方針とした,と述べている.これはCAT研究から,アドレナリンとノルアドレナリンを比較して,血圧上昇時間に有意差はないが,アドレナリン群で有意に乳酸上昇と頻脈が認められ,ガイドラインでは乳酸クリアランスを目標とするためアドレナリンでは混乱をきたすとの判断.

平均血圧>65mmHg,尿量>0.5mL/kg/hr,中心静脈酸素飽和度(ScvO2)>70%,血中乳酸値低下,代謝性アシドーシスの少なくとも6時間以内の改善を目標とする.
※EGDTに則り,Golden Timeの6時間が追記された.施設によっては,3時間,4時間といったより短期での目標を掲げているところもある.

5.呼吸管理
※推奨項目の前に「はじめに」という前置きが追加された.これによると,ALI/ARDSの過去の報告を検討する際,敗血症以外の原因のものも含まれるが,ALI/ARDSの約90%は敗血症によるものとされる報告もあることから,本ガイドラインではALI/ARDSの過去の報告を反映させることは妥当としている.また,ARDS定義改訂となったBerlin Definitionにも言及している.

プラトー圧を30cmH2O以上としない条件で1回換気量は6mL/kg(予測標準体重)前後を目標とする(1A).
※プラトー圧に関する条件が追記された.解説ではARDS Networkによる報告(N Engl J Med 2000; 342: 1301-8)に言及しているのは同じだが,このプラトー圧上限を世界におけるコンセンサスというフレーズが削除されており,代わりに推奨項目内に組み入れられた形となった.
人工呼吸中の吸気プラトー圧が高くなるほど予後は悪化するが,至適値を設定することは困難である(1B).

適切なPEEPレベルを用いることで肺損傷が防止でき,生命予後が改善する可能性がある.しかし,画一的な至適PEEP圧を設定することは困難である.
※高いPEEP圧が低いPEEP圧よりもARDSにおいて有意に予後を改善するというデータはあるが,その差は実は非常に小さい.
※解説では,PEEPとFiO2ではPEEPを優先した方が予後がよいとするメタ解析(Crit Care Med 2011; 39: 2025-30)に言及する一方で,圧情報については肺メカニクスに依存するため,画一的な答えは望めないとしている.

重症低酸素血症(P/F ratio<100)においては,腹臥位療法を考慮する(2B)(2C)
※GRADEがダウンした.腹臥位療法が行われている施設は多いものの,実際にはSud Sらのメタ解析(Intensive Care Med 2010; 36: 585-99)のサブ解析において重症例でのみ死亡率が16%有意に減少したというエビデンスしかない.現在,重症例に絞った前向き試験であるProseva trialが進行中である.
※腹臥位療法はカテーテル類事故抜去,顔面褥瘡・潰瘍形成などの合併症に留意すべきであり,マンパワーも必要とされることが解説で追加された.また,血圧低下も合併症として覚えておく必要がある.これらを解決するひとつの案として前傾臥位療法が提唱されているが(人工呼吸 2009; 26: 210-7),エビデンスはまだ乏しい.


6.血糖コントロール
180mg/dL以上の高血糖を有する重症敗血症患者に対し,血糖値を減少させるために経静脈的インスリン持続投与を行う(1A).血糖値のコントロールを行う際には,目標血糖値は144-180mg/dLとし(2A),血糖値を80-110mg/dLに維持する強化インスリン療法は行わない(1A).
※NICE-SUGAR trialを反映した内容である.SSCG 2008では150mg/dLとなっていたが,SSCG 2012でも144-180に変更される予定である.
経静脈的インスリン療法を受けているすべての患者は血糖値とインスリン投与量が安定するまで1-2時間毎に,安定した後は4時間毎に,血糖値をモニターする(1C).毛細血管血を使用した簡易血糖測定法は測定誤差が大きく,正確性に欠けるため推奨しない(1B).敗血症患者では動脈血・静脈血を用いた簡易血糖測定法あるいは血液ガス分析器による迅速血糖測定を使用する.その際,適宜中央検査室での血糖測定を行い,その正確性を確認する(1B).
※簡易血糖測定器は血糖値が低くでることがよくある.

7.栄養管理
静脈栄養より経腸栄養を優先的に行うべきである(1B).
※解説に明らかな間違いがあったため,完成版では訂正されている.パブコメ募集前はSimpsonらのメタ解析(Intensive Care Med 2005; 31: 12-23)で経腸栄養を優先的に行うことで「死亡率が低下した」と記載されていた.これが「死亡率の低下は示されていない」と訂正された.
目標カロリーは,簡便な体重換算式(25kcal/kg/day),消費カロリー予測式,あるいは間接熱量計による計測を使用して行う(2D).肥満患者(BMI>30)では,間接熱量計による計測あるいは,理想体重を利用した計算を行うべきである(2D).
※消費カロリー予測式はHarris-Benedictの式が頻用されているが,この計算方法にエビデンスはない(医のあゆみ 2004; 209: 573-9/静脈経腸栄養 2010; 25: 573-9).また,重症患者においてBEEにストレス係数を乗じてエネルギー必要量を算定する方法は短絡的,不正確であり,ovefeedingの危険性を増加させる可能性があることも指摘されている(Pediatr Clin North Am 2009; 56: 1143-60).
経腸栄養は可能な限り入室後24時間以内に開始すべきである(1B).最初から全必要カロリー量投与は推奨しない(1B).循環作動薬は使用されていることは早期経腸栄養の禁忌とはならないが,血行動態の不安定な患者では慎重に開始する(1C).
※重症患者においては経腸栄養における小腸虚血合併の可能性は1%以下であるとされる(Nutr Clin Pract 2003; 18: 284)昇圧剤を高用量もしくは急激に上げていかなければならないときは慎重とすべきだが,それ以外ではそう簡単には虚血状態とはならない.ときに急性偽性結腸閉塞症をきたすことがあるが,prokineticsを使用することで解決することが多い.
重症化以前に栄養失調がない限り,敗血症発症後7日間は経腸栄養によるカロリー投与を中心に行い,目標総投与カロリーを達成するための積極的な補足的経静脈栄養を行わない(1B).
※EPaNIC trialを根拠にした内容.同trialでは経腸栄養が可能である場合,早期からの経静脈栄養は一利なしという結果が出た.当院の敗血症ガイドラインでも早期経静脈栄養は推奨していない.また,226施設ICUの人工呼吸器患者における早期EN単独群,早期EN+早期PN群,早期EN+晩期PN群での転帰を比較した観察研究(Crit Care Med 2011; 39: 2691-9)では,PNを併用した2群ではカロリーやタンパク量は充足されたが,EN単独群と比較して臨床的利益は得られなかったと報告されており,経静脈栄養の必要性は思った以上にないのかもしれない.なお,「重症化以前に栄養失調がない限り」は重要で,EPaNIC trialでもBMI<17の症例は除外されている.このような栄養失調患者のケースにおいては経静脈栄養の併用も検討する必要があるかもしれない.早期経腸栄養についてはこちらを参照
グルタミンの経腸的補充投与を推奨する十分なデータはない(2B).重症敗血症にはアルギニンを含んだ栄養剤の投与は推奨しない.EPA,DHA,γリノレイン酸,抗酸化物質を強化した栄養剤の使用を考慮してもよい(2B).
※脂肪乳剤への言及がないが,理論上は重症敗血症病態に脂肪乳剤は投与しない方がよいとされる.これは,本邦の脂肪乳剤が全て大豆油によるものであり,これはプロポフォールでも例外ではない.
集中治療を要する患者で選択的消化管除菌(SDD)と選択的口腔咽頭除菌(SOD)の施行により死亡率の低下が報告されている.しかし,耐性菌保菌者での有効性が不確定であり,耐性菌出現率が増加する可能性があるため,積極的には行わない(2B).

8.ステロイド療法
初期輸液と循環作動薬に反応しない成人敗血症性ショック患者の,ショックからの早期離脱目的にステロイドを投与する(2B).ステロイド投与の適応決定にACTH刺激試験は不要である(2B).副作用として,高Na 血症,高血糖のほか新たな敗血症,敗血症性ショックなどの重症感染症の発生率が有意に高いことに注意する(2B).
※新たにステロイドの副作用を項目に入れている.解説でも副作用についてCORTICUS study(N Engl J Med 2008; 358: 111-24)を引用して注意を促している他,筋力低下についてもやや強調した表現になっている.
ステロイドはショック発生早期に投与する(2C).
※演者より「72時間以内が推奨されるかも」とのこと.
ステロイドは,ハイドロコルチゾンで300mg/day以下,5日以上の少量長期投与が推奨される(1A).ハイドロコルチゾン換算量で200mg/dayを4分割,または100mgボーラス投与後に10mg/hr(240mg/day)の持続投与を行う(2B).
※この項目に変更はなかった.1Aほどの推奨レベルがあるのかおおいに疑問である.
敗血症性ショック患者に対してはハイドロコルチゾンを使用する(1A).代替としてメチルプレドニゾロンも使用できる(2C).なお,デキサメサゾンやフルドロコルチゾンは投与すべきではない(2B).
※会場から「メチルプレドニゾロンは言及されていないがどうなのか?臨床的にはメチルプレドニゾロンも使用されているが」という質問がでたが,ARDSにおいては使用されると回答はあったものの,敗血症全般における明確な回答はされなかった.ただ,敗血症全般に対するメチルプレドニゾロンに関するRCTは小生の調べた限りでは1976年から1988年にかけてSchumerら,Thompsonら,Sprungら,Boneらなど,6つのtrialがあるようである.これらのメタ解析やメチルプレドニゾロンとヒドロコルチゾンを比較したtrialは見つからなかった.ただ,内因性ステロイドという意味でヒドロコルチゾンがショック病態に適しているという意見がある.
ステロイドは循環作動薬投与が必要なくなれば徐々に中止する(2D).


←日本版敗血症診療ガイドライン完成版発表(1)
日本版敗血症診療ガイドライン完成版発表(3)→
[PR]
by DrMagicianEARL | 2012-11-14 00:01 | 敗血症 | Comments(0)
■2012年11月12日に日本集中治療医学会より日本版敗血症診療ガイドラインが発表された.このガイドラインは第39回日本集中治療医学会学術集会において,第3日目の3月1日にSepsis Registry委員会からの企画として日本版敗血症診療ガイドライン(案)がドラフトから発表され,5月に1ヶ月間の記名式パブリックコメントを募集し,作成し直したものである.当初は8月11日発表される予定であったが,膨大なパブリックコメントが寄せられたためまとめ切れず,完成が大幅に遅れた.

委員長
織田 成人 (千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学)

オブザーバー
平澤 博之 (千葉大学名誉教授)

委員
相引 眞幸 (愛媛大学救急侵襲制御医学)
志馬 伸朗 (京都府立医科大学附属病院集中治療部)
松田 直之 (名古屋大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学分野)
池田 寿昭 (東京医科大学八王子医療センター特定集中治療部)
今泉 均  (札幌医科大学救急・集中治療医学)
落合 亮一 (東邦大学医療センター大森病院麻酔科)
小谷 穣治 (兵庫医科大学救急・災害医学講座)
西田 修  (藤田保健衛生大学医学部麻酔・侵襲制御医学講座)
遠藤 重厚 (岩手医科大学救急医学講座)
野口 隆之 (大分大学医学部麻酔科学講座)

ガイドライン作成ワーキンググループ
秋富 慎司 (岩手医科大学部救急)
安宅 一晃 (大阪市立総合医療センター集中治部)
井上 茂亮 (東海大学医部外科系救命急)
氏家 良人 (岡山大学院医歯薬総合研究科救急)
江木 盛時 (岡山大学病院集中治療部)
垣花 泰之 (鹿児島大学院医歯総合研究科救急・集中治療分野 )
後藤 孝治 (大分学医部麻酔科講座・集中療)
坂本 照夫 (久留米大学医部救急)
佐々木 淳一(慶応義塾大学医部救急)
貞広 智仁 (千葉大学院医研究救急集中治療)
佐藤 挌夫 (京都大学医学部初期診療・救急医)
柴田 純平 (藤保健衛生大学医部麻酔・侵襲制御)
鈴木 泰  (岩手医科大学部救急)
巽 博臣  (札幌医科大学部救急・集中治療講座)
中永 士師明(秋田大学医部救急)
中村 智之 (藤田保健衛生大学医部麻酔・侵襲制御)
仲村 将高 (千葉大学院医研究救急集中治療)
布宮 伸  (自治医科大学院研究集中療)
長谷川 隆一(公立陶生病院救急部)
林 淑朗  (Royal Brisbane and Women's Hospital, Royal Brisbane and Women's Hospital, Department of Intensive Care Medicine The University of Queensland, UQ Centre for Clinical Research )
藤島 清太郎(慶應義塾大学医部救急)
升田 好樹 (札幌医科大学部救急・集中治療講座)

■EBMの概念を中核とし,項目ごとにSepsis Registry委員会の委員を中心にガイドラインを作成しており,項目毎に担当委員が決められている.PubMed,Medline,Chochrane Databaseで検索した各種エビデンスに加え,2007年と2010年に行われたSepsis Registry調査結果を反映し,SSCG 2008と同様にGRADEシステムと2段階の推奨度を項目毎に定めた.その上でClinical Questionとそれ対するAnswerをまとめたものである.なお,各委員のCOI開示ではすべて「無」となっている.

■未完成版のガイドライン(案)では全委員での総合的な吟味がなされていない印象があり,このため,各項目内容と担当委員を加味してこのガイドラインを読む必要があった.項目によっては非常によく考察がなされており適切と思われる内容になっているものもあれば,別の項目では極めて不可解なエビデンスレベルがつけられていたりと非常に信頼性がマチマチで,担当した委員によってはCOIが本当に全部「無」なのか疑われても仕方がない内容であった.予想通り非難が集中したのか,膨大なパブリックコメントが寄せられ,委員会でまとめることが困難であっったことが推察される.完成版では多数の項目で推奨度・文献レベルが案のときより下げられている.

■小生がパブリックコメントで指摘した部分もいくつか修正がなされている.とはいえ,全体としてそこまで変わったという印象はない.推奨項目の文章はもう少し変えらるべきではないか?

■以下に推奨項目,(案)から完成版でどのように変わったか(赤字は変更箇所),および小生の見解を示す.

■論文ランク付けはエビデンスレベルをA,B,C,Dの4段階に分けている.
 レベルA:RCT
 レベルB:質の低いRCTまたは質の高い観察研究,コホート研究
 レベルC:対照と比較した観察研究,コホート研究
 レベルD:症例集積研究または専門家の意見
このレベルから以下の4段階のGRADEを決定(GRADEは推奨する事項の質の高さを表すもので,).
 GRADE A:高いエビデンスのあるもの.複数のレベルAの研究があるもの
 GRADE B:中等度のエビデンスのあるもの.1つのレベルAの研究があるもの
 GRADE C:弱いエビデンスのあるもの.レベルBの研究しかないもの
 GRADE D:非常に低いエビデンスしかないもの.レベルC以下の研究しかないもの
推奨度は,エビデンスの質,アウトカムの相対的重要性,アウトカムのべースラインリスク,相対危険度の大きさの4つの因子を検討し,委員会の専門家の意見を加えて検討した.
 推奨度1(強い推奨):推奨に従った場合の望ましい効果(転帰,負担,コスト)が不利益を明らかに上回る.
 推奨度2(弱い推奨):推奨に従った場合の望ましい効果が不利益を上回ることが予想されるが,十分な根拠が不足しているか,確実性が不足している.

1.敗血症の定義と診断
敗血症=sepsisとし,その定義は感染によって発発症した全身性炎症反応症候群(SIRS),すなわちinfection-induced SIRSとする(1B).
※本項目に変更はない.
※敗血症(非重症),重症敗血症,敗血症性ショックの中で初期蘇生の対象となるのは重症敗血症と敗血症性ショックの2つである.このため,Sepsisの区分を変えるべきだとの意見が出始めている.すなわち,Infection induced SIRSの中でSepsisを重症敗血症と敗血症性ショックとする考え方である.欧州集中治療医学会では既にARDSの診断基準,重症度分類が変更となり,ALIの名称が姿を消したという流れもあり,Sepsisの定義も再編される可能性がある.

感染の存在は,通常無菌的な組織や体液または体腔に病原性をもつ,またはその可能性のある微生物やその毒素が証明されれば確実であるが,無菌的部位に病原微生物が証明されなくても,感染に対する全身反応としての敗血症が強く疑われる場合は感染として扱う.表(略)に示す補助的指標を参考にする(1C).
※感染症の診断基準を明確に定めることは困難であるが,補助的診断項目としてSCCM/ESICM/ACCP/ATS/SIS International Sepsis Definitions Conference(Crit Care Med 2003; 31: 1250-6)におけるsepsis診断基準の項目を一部改変して提示している.
血液培養で病原微生物が検出される(菌血症),あるいは血液中に病原微生物の毒素が検出される(エンドトキシン血症など)必要はない(1B)(1C)
※GRADEダウンした.
※菌血症が敗血症の根拠でないことを明記するのは非常に有意義である.いまだに勘違いされていることが多々あるが,菌血症であることは敗血症について必要条件でもなければ十分条件でもない.血液培養陰性は敗血症を否定する根拠には全くならない.
※エンドトキシン活性を図る意義がどこまであるかは不明である.エンドトキシン以外にも多くの毒素が存在すること,Ⅲ型毒素分泌を行うグラム陰性桿菌が多数発見されていることから,エンドトキシン計測が敗血症治療においてどこまで意義をもっているかは不明である.エンドトキシンについてのまとめはこちら

敗血症の重症度分類として,重症敗血症(severe sepsis),敗血症性ショック(septic shock)を用いる(1B)(1C)
※GRADEダウンした.
重症敗血症は敗血症の中で,臓器障害や臓器灌流低下または低血圧を呈する状態であり,臓器灌流低下または灌流異常には,乳酸アシドーシス,乏尿,意識障害などが含まれる.臓器障害の判断にはMODSスコアやSOFAスコアに用いられている臓器障害の指標を用いる(1B)(1C)
※GRADEダウンした.
※一般的にはSOFAスコアが用いられることが多い.敗血症の重症度評価についてはこちらも参照.なお,PIRO scoreが最近注目されているが,エビデンスの蓄積はこれからである.

■敗血症性ショックは重症敗血症の中で,十分な輸液負荷を行っても低血圧が持続するものとする.ただし,循環作動薬が投与されている場合は,低血圧でなくてもよい(1B)(1C)
※GRADEダウンした.
※小生は低血圧が持続していなくても乳酸値が4mmol/L以上であれば敗血症性ショックとみなすべきと考えている.現在ショックの定義は第3世代に移行してきており,血圧や血液灌流が維持されていても,末梢組織,細胞での酸素利用障害などを含む酸素代謝異常があればショックと定義されている.実際,末梢循環不全による乳酸値4mmol/L以上の上昇があれば,血圧が正常でもいずれは血圧が低下してくることをしばしば経験する.

■CRP,プロカルシトニン(PCT)はある程度有用だが,現時点では敗血症を確実に診断できるバイオマーカーはない(1C).
※PCTもグラム陽性菌感染症においては感度が落ちることが最近いくつか報告されてきており注意が必要である.
※第39回日本集中治療医学会では,岩手医大の遠藤教授が作成したバイオマーカーであるプレセプシンが別のセッションで発表されており,敗血症のマーカーとして非常に有用であると報告している.実際の効果については市場での大規模な調査報告が必要であろう.


2.感染症の診断
全ての症例において,抗菌薬投与前に血液培養を行う(1D).同時に推定感染部位からの検体を無菌的に採取し,塗沫検査と培養同定・感受性検査を行う(1D).
※解説文献としてJAMA 1995; 273: 117-23が追加.
血液培養検体採取時は,穿刺部の皮膚を,アルコール含有クロルヘキシジン,アルコール含有10%ポビドンヨード,あるいはアルコール前清拭後水溶性10%ポビドンヨードで消毒した後,消毒する(1B).血管経皮穿刺により,1セットあたり20mLを2セット以上(感染性心内膜炎を疑う場合には3セット)採取する(1C).
※消毒のところがGRADEアップした.
※おそらく実戦的なのは速乾性・速効性のあるアルコール含有クロルヘキシジンであろう.現在本邦では1%濃度製剤(ヘキザック®)が発売されている.本製品の欠点はポビドンヨードのような色がないため消毒範囲が分からなくなる可能性があることだろう.今後色付けした製品を発売予定とのこと.

敗血症の原因となる感染部位は腹腔内,呼吸器,血流(カテーテル関連を含む),皮膚・軟部組織,尿路などが多い.原因菌としては黄色ブドウ球菌(MRSA,MSSA),大腸菌,肺炎桿菌,緑膿菌,エンテロバクター属などが多い(1C).

3.抗菌薬治療
敗血症診断後,1時間以内に経験的抗菌薬投与を開始する(1C).
※1時間という時間自体のエビデンスは後向きの観察研究・コホート研究ばかりのため,実はそれほど根拠があるわけではない.
経験的治療(empiric therapy)では,原因感染症を推定し,その感染症で疫学的に頻度の高い原因菌を十分カバーできる広域抗菌薬の投与を行う(1D)(1C)
※GRADEがアップしている.
※本発表者の志馬先生より「できればICUのantibiogramが望ましい」とのこと.また,empiricな抗菌薬については完成版では表がついている.
※解説に敗血症初期経験的治療の観察研究70報のメタ解析Antimicrob Agents Chemother 2010; 54: 4851-63が追加されている.
※解説に併用療法の文献が追加された.MFLX+MEPM併用群とMEPM単剤群で有意差がなかった報告(JAMA 2012; 307: 2390-9)であり,別項目の解説でも触れられている.ただ,そのような併用をするケースがそれほどあるのか,特定抗菌薬での比較研究を併用療法一般のガイドラインに引用する必要はあるのだろうか?
※解説に経験的抗菌薬併用療法はグラム陽性桿菌敗血症のアウトカムを改善したとする報告(Antimicrob Agents Chemother 2010; 54: 1742-8)が追加.
※解説に「日本には独立した感染症科,あるいは感染症専門医が不足しており,施設によっては直接的かつ迅速なコンサルテーションが難しい場合も考えられるが,この場合,地域の感染対策ネットワークやメーリングリスト等電子媒体を用いたコミュニケーションも活用する」と追記されている.IDATENやJSEPTICのメーリングリストも入るということか.

原因菌が確定したら,感受性結果を評価し,標的治療(target therapy)薬に抗菌薬を変更する(1D).標的治療は単剤を基本とする(2B).黄色ブドウ球菌やカンジダ属が血液培養から検出された場合には感染症専門医へのコンサルトが望ましい(2D).高度薬剤耐性菌や多剤耐性菌の治療と管理では,高度な専門知識が要求されるので,感染症専門医へのコンサルトが望ましい(2D).
※単剤治療推奨文が追加となった.
※ここの解説でもMFLX+MEPM併用群とMEPM単剤群で有意差がなかった報告(JAMA 2012; 307: 2390-9)が触れられている.「本研究結果を全ての治療に一般化することは困難であるが,少なくとも標的治療薬は単剤を基本とする方向性を支持する一傍証としてとらえることが可能である.」と述べている.
※カンジダ菌血症による敗血症では,非好中球減少患者であればACTIONs BUNDLEをもとに治療をすすめていくことが推奨される.これは,カンジダ感染症の診断・治療に関する日本独自の診療バンドルを定め,その治療成績を集計,324施設1050例の大規模studyとなり,2012年ICAACで兵庫医大の竹末教授が発表している.この発表では,ACTIONs BUNDLEの遵守率と治療奏功率の間に明らかな相関が得られていた.この結果がある以上,本バンドルは使わざるをえないのではないかと考える.

抗菌薬投与はPK/PD理論を考慮して行う.βラクタム系薬剤はTime above MIC(TAM)を高く保ち,アミノグリコシド,キノロン,グリコペプチド系薬剤は最高血中濃度(Cmax)や濃度下面積(AUC/MIC)を高く保つ(1B)(1C)
※GRADEダウンした.
原因菌が同定され,初期治療の反応が良好であれば,可及的狭域の薬剤を用いた標的治療へ変更する(de-escalation).細菌感染症でないと判断した場合,直ちに抗菌薬を中止する(1C).
※de-escalationの考え方でつい忘れられがちなことがきっちり書かれている.培養された菌を初期投与した広域抗菌薬がカバーしているにもかかわらず治療奏功・臨床症状改善がなければempiric治療の再考と感染巣・原因菌再検索が必要であり,この場合は最初に培養された菌に対するde-escalationは行ってはならない.
抗菌薬中止の判断は,バイタルサインの安定化や感染を起こした臓器機能の改善などを考慮し,臨床的な総合判断で行う(1D).代表的な感染症では標準的治療期間を参考に治療期間を決定する(1C).抗菌薬中止にはプロカルシトニンを考慮してもよい(2A).

4.画像診断
感染巣のコントロールと治療方針の早期決定のため,感染巣の同定は初期蘇生後速やかに行うべきである(1C).

ベッドサイドで施行が可能な単純X線写真や超音波検査に加えて,感染巣の特定が困難な場合,広範なスクリーニングが可能なCTが有用である(1D).
※CT撮影に条件がついた.安易なCT撮影は被曝,コスト,CT室での急変リスクを考慮して,ということか.
造影CTで感染巣の確定に至らない場合,MRI検査や核医学検査を検討する.検査施行前に放射線科専門医へのコンサルトが望ましい(2D).


日本版敗血症診療ガイドライン完成版発表(2)はこちら
[PR]
by DrMagicianEARL | 2012-11-13 01:01 | 敗血症 | Comments(1)
Summary
・ICUに入室する重症患者の約半数に左右対称性の四肢麻痺であるICU-acquired weakness(ICUAW)を合併する.
・ICUAWにはcritical illness myopathy(CIM)とcritical illness polyneuropathy(CIP)があり,2つの合併病態をcritical illness neuromyopathy(CINM)と称する.
・敗血症ではCIPを生じることが多い.多臓器不全,高血糖,ステロイド投与,長期不動化,人工呼吸管理,筋弛緩薬などもICUAWのリスクファクターである.
・早期からのリハビリテーションがICUAW予防として重要視されてきており,その他のメリットも考慮すると,敗血症患者では早期から積極的にリハビリテーションを行うべきである.

■ICUの重症患者管理中に四肢麻痺が生じることがあり,かかる病態はICU-acquired weakness(以下ICUAW)と呼ばれる.まだ歴史が30年程度と浅い病態であり,海外の集中治療領域で注目されているが,本邦ではまだ認知度が低い.しかしながら考えられている以上に罹患率は高く,数日間以上の人工呼吸など重症患者を対象とすると,約半数に発症している可能性もある.

■ICUAWはICU重症患者に起こる神経筋障害で,左右対称性の四肢麻痺を呈する症候群とされている[1,2].ICUAWには2つの病態があり,critical illness myopathy(以下CIM)とcritical illness polyneuropathy(以下CIP)がある.

■CIMは喘息重積患者などに起こる近位筋有意の四肢麻痺である[3].CIMの最初の報告はMacFarlaneらの1977年のもので[4],喘息重積でステロイドを投与された24歳女性に発症した重篤な四肢麻痺症例である.

■CIPは敗血症や多臓器不全などの重症患者に発症する四肢麻痺性のポリニューロパチーで,遠位筋や下肢に優位に症状が出現する[5].CIPの最初の報告はBoltonらの1984年のもので[6],敗血症や多臓器不全で人工呼吸管理を受ける5名の患者に重篤な四肢麻痺が発症し,電気生理学的にすべて軸索障害型の運動感覚ポリニューロパチーであることを証明した.

■CIPとCIMがオーバーラップしたものをcritical illness neuromyopathy(CINM)と称する[7]

■ICUAWの危険因子はベッド上安静,全身性炎症,多臓器不全,筋不動化,高血糖,ステロイド,神経筋遮断薬投与などが考えられている[8,9].数日以上続く多臓器不全はICUAWの危険因子であり,多臓器不全の原因としては敗血症が最多である[10,11]

■ICUAWの疫学は以下の通りであり,非常に罹患率が高いことが分かる.
(1) Lacomisらの報告[12]:ICUで筋電図検査を受けた92名の患者の解析
 ICU患者のうち,CIM 42%,CIP 13%.
(2) De Jongheらの報告[13]:人工呼吸器患者95名の解析
 7日以上の人工呼吸管理を受けた後に覚醒した患者のうち,ICUAW 25.3%.
(3) De Letterらの報告[14]:人工呼吸器患者の解析
 人工呼吸器患者のうち,ICUAW 33%.
(4) Guarneriらの報告[15]:ICU入室患者92名の多施設前向き研究による解析(CRIMYNE study)
 ICU患者のうちICUAW 30.4%
 15名のICU生存退出患者のうち,CIM 40%,CIP 26.7%,CIMN 20%
(5) Stevensらの報告[16]:システマティック・レビュー
 敗血症,多臓器不全,長期人工呼吸管理のいずれかに該当する重症患者のうち,ICUAW 50%

■CIPの原因として,SIRSに伴う末梢神経の微小循環障害が考えられており[1,2],それに伴う神経軸索障害が原因となっている可能性がある.CIMではアポトーシスなどの蛋白異化が活性化し,ミオシンが急激に減少することが知られており,筋の不動化も急速に筋構成蛋白減少の一因である.動物モデルにおける脱神経の組み合わせによる著しい筋崩壊は,喘息患者における大量ステロイド投与と神経筋遮断薬による不動化の組み合わせで起こるCIMと類似点が多い[17].多臓器不全に伴う細胞ミトコンドリアレベルでの酸素化障害が,筋細胞に起こることも示唆されている[18].Filatovらは,ICUAWの機序について,膜の電位依存性ナトリウムチャネルの不活性化という電気生理学的な機能異常を指摘している[19,20]
※微小循環障害が原因とひとつとして考えられていることから,理論的には敗血症性DIC(播種性血管内凝固)も原因になりうると思われる.しかし,海外ではDICの概念が乏しいため,関連性の研究はなされていない模様である.加えて,神経細胞といえば脂質代謝が重要となるが,この代謝系の異常も考えられないだろうか?

■ICUAWは臨床所見のみで診断できるが,CIMとCIPの鑑別は難しく,神経伝導速度,針筋電図,生検などを組み合わせる必要がある[7].敗血症,多臓器不全,高血糖,ステロイド,神経筋遮断薬投与などのリスクファクターの確認は重要である.

■ICUAWの診断基準
下記1かつ2かつ3or4かつ5を満たす.
1.重症病態の発症後に全身の筋力低下が進展.
2.筋力低下はびまん性(近位筋/遠位筋の両者),左右対称性,弛緩性であり,通常脳神経支配筋は侵されない.
3.24時間以上あけて2回行ったMRC scoreの合計が48点未満,または検査可能な筋の平均MRC scoreが4点未満.
4.人工呼吸器に依存している.
5.背景にある重症疾患と関連しない筋力低下の原因が除外されている.

■CIPの診断基準
1.ICUAWの基準を満たす.
2.2つ以上の神経において複合筋活動電位の振幅が正常下限の80%未満.
3.2つ以上の神経において感覚神経活動電位の振幅が正常下限の80%未満.
4.神経伝導速度が正常ないしほぼ正常で,伝導ブロックが存在しない.
5.反復神経刺激における減衰反応がない.

■CIMの診断基準
【疑診】
①下記の1かつ2かつ3or4を満たす
②下記の1かつ5を満たす
【確診】
下記の1かつ2かつ3or4かつ5を満たす
1.ICUAWの基準を満たす.
2.2つ以上の神経において感覚神経活動電位の振幅が正常下限の80%以上.
3.2つ以上の筋において針筋電図で短時間・低振幅の運動単位電位が早期ないし正常リクルートメントとともに見られる(線維攣縮の有無は問わない).
4.2つ以上の筋において直接筋刺激で興奮性低下(神経刺激/筋刺激による活動電位比が0.5以上)が見られる.
5.筋生検でミオパチー所見が見られる.

■CINMの診断基準
1.ICUAWの基準を満たす.
2.CIPの基準を満たす.
3.CIMの疑診または確診の基準を満たす.

■MRC scoreは上下肢のそれぞれ3つの筋群の筋力を0-5点の徒手筋力テスト(MMT)で評価するもの(計60点).もともとはギラン・バレー症候群の重症度評価として用いられた[21].簡単かつ評価者間のばらつきが極めて少ない[22].ただし,鎮静薬を用いている患者における信頼度が未知数である.ICUAWにおいてはMRC scoreに左右差がほぼみられない[23].具体的には,上肢は肩関節の外転(三角筋),肘関節の屈曲(上腕二頭筋),手関節の伸展の3つの筋群で評価する.下肢は股関節屈曲(腸腰筋),膝関節伸展(大腿四頭筋),足関節屈曲の3つの筋群で評価する[24].握力はMRC scoreの代用となりうるが,握力に関するICUAWの明確な基準はない[25]

■ICUAWは人工呼吸期間やICU在室日数を延長させる.背景疾患の重症度が影響するが,一般に死亡率も上昇させると考えられている.軽症では数週間で回復するが,重症の場合,回復に数ヶ月を要し,一部には永続的な障害を残す.ARDS生存者は1年後も筋力低下が持続すると報告されており[26,27],28日以上ICUに在室した患者を数年間追跡すると59%に運動または感覚障害あり,ほとんどの患者がニューロパチーを示唆する電気生理学的異常所見を認めたとする報告もある[28].Guarneriらの報告ではCIMに比してCIPの1年後の回復が悪いことが報告されている[15]

■ICUAWに特異的な治療法は知られていない.重症病態早期からのリハビリテーションがICUAWを予防する可能性が指摘されている[29-32].加えて,リハビリテーションは譫妄,人工呼吸器装着期間を減少させ,退院時の身体機能を改善させる上で重要である[32].にもかかわらず,ICUでの早期からのリハビリテーションは25%の患者にしか施行されていない[33].オーストラリアでECMO治療を受けたARDS患者の報告では[34],生存者の長期QOLはかなり低下していた.社会復帰を行う上でもリハビリテーションは重要であり,2012年9月13日のWorld Sepsis Dayにおいてもその重要性が提唱された.

■不動化を避けるために毎日の鎮静の中断が推奨されており,ステロイドや神経筋遮断薬の投与は必要最小限にとどめる.

■APACHE-Ⅲ scoreを用いることでICUAW発症を予測できる[35].ただし,APACHE-Ⅲの利用は商業契約が必要である.

[1] Zink W, Kollmar R, Schwab S. Critical illness polyneuropathy and myopathy in the intensive care unit. Nat Rev Neurol 2009; 5: 372-9
[2] Latronico N, Bolton CF. Critical illness polyneuropathy and myopathy: a major cause of muscle weakness and paralysis. Lancet Neurol 2011; 10: 931-41
[3] Deconinck N, Van Parijs V, et al. Critical illness myopathy unrelated to corticosteroids or neuromuscular blocking agents. Neuromuscul Disord 1998; 8: 186-92
[4] MacFarlane IA, Rosenthal FD. Severe myopathy after status asthmaticus. Lancet 1977; 2: 615
[5] Critical illness polyneuropathy. A complication of sepsis and multiple organ failure. Brain 1987; 110: 819-41
[6] Bolton CF, Gilbert JJ, et al. Polyneuropathy in critically ill patients. J Neurol Neurosurg Psychiatry 1984; 47: 1223-31
[7] Stevens RD, Marshall SA, Cornblath DR, et al. A framework for diagnosing and classifying intensive care unit-acquired weakness. Crit Care Med 2009; 37: S299-308
[8] de Jonghe B, Lacherade JC, et al. Intensive care unit-acquired weakness: risk factors and prevention. Crit Care Med 2009; 37: S307-15
[9] Fan E, Zanni JM, Dennison CR, et al. Critical illness neuromyopathy and muscle weakness in patients in the intensive care unit. AACN Adv Crit Care 2009; 20: 243-53
[10] De Jonghe B, Sharshar T, Lefaucheur JP, et al. Paresis acquired in the intensive care unit: a prospective multicenter study. JAMA 2002; 288: 2859-67
[11] de Letter MA, Schmitz PI, Visser LH, et al. Risk factors for the development of polyneuropathy and myopathy in critically ill patients. Crit Care Med 2001; 29: 2281-6
[12] Lacomis D, Petrella JT, Giuliani MJ. Causes of neuromuscular weakness in the intensive care unit: a study of ninety-two patients. Muscle Nerve 1998; 21: 610-7
[13] De Jonghe B, Sharshar T, Lefaucheur JP, et al. Paresis acquired in the intensive care unit: a prospective multicenter study. JAMA 2002; 288: 2859-67
[14] de Letter MA, Schmitz PI, Visser LH, et al. Risk factors for the development of polyneuropathy and myopathy in critically ill patients. Crit Care Med 2001; 29: 2281-6
[15] Guarneri B, Bertolini G, Latronico N. Long-term outcome in patients with critical illness myopathy or neuropathy: the Italian multicentre CRIMYNE study. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2008; 79: 838-41
[16] Stevens RD, Dowdy DW, Michaels RK, et al. Neuromuscular dysfunction acquired in critical illness: a systematic review. Intensive Care Med 2007; 33: 1876-91
[17] Massa R, Carpenter S, et al. Loss and renewal of thick myofilaments in glucocorticoid-treated rat soleus after denervation and reinnervation. Muscle Nerve 1992; 15: 1290-8
[18] Brealey D, Brand M, Hargreaves I, et al. Association between mitochondrial dysfunction and severity and outcome of septic shock. Lancet 2002; 360: 219-23
[19] Filatov GN, Rich MM. Hyperpolarized shifts in the voltage dependence of fast inactivation of Nav1.4 and Nav1.5 in a rat model of critical illness myopathy. J Physiol 2004; 559: 813-20
[20] Novak KR, Nardelli P, Cope TC, et al. Inactivation of sodium channels underlies reversible neuropathy during critical illness in rats. J Clin Invest 2009; 119: 1150-8
[21] Hughes RA, Newsom-Davis JM, et al. Controlled trial prednisolone in acute polyneuropathy. Lancet 1978; 2: 750-3
[22] Kleyweg RP, van der Meché FG, Schmitz PI. Interobserver agreement in the assessment of muscle strength and functional abilities in Guillain-Barré syndrome.
Muscle Nerve 1991; 14: 1103-9
[23] De Jonghe B, Sharshar T, Lefaucheur JP, et al. Paresis acquired in the intensive care unit: a prospective multicenter study. JAMA 2002; 288: 2859-67
[24] Bittner EA, Martyn JA, George E, et al. Measurement of muscle strength in the intensive care unit. Crit Care Med 2009; 37: S321-30
[25] Ali NA, O'Brien JM Jr, Hoffmann SP, et al. Acquired weakness, handgrip strength, and mortality in critically ill patients. Am J Respir Crit Care Med 2008; 178: 261-8
[26] Herridge MS, Cheung AM, Tansey CM, et al. One-year outcomes in survivors of the acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med 2003; 348: 683-93
[27] Herridge MS, Tansey CM, Matté A, et al. Functional disability 5 years after acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med 2011; 364: 1293-304
[28] Fletcher SN, Kennedy DD, Ghosh IR, et al. Persistent neuromuscular and neurophysiologic abnormalities in long-term survivors of prolonged critical illness. Crit Care Med 2003; 31: 1012-6
[29] Needham DM. Mobilizing patients in the intensive care unit: improving neuromuscular weakness and physical function. JAMA 2008; 300: 1685-90
[30] Bailey P, Thomsen GE, Spuhler VJ, et al. Early activity is feasible and safe in respiratory failure patients. Crit Care Med 2007; 35: 139-45
[31] Morris PE, Goad A, Thompson C, et al. Early intensive care unit mobility therapy in the treatment of acute respiratory failure. Crit Care Med 2008; 36: 2238-43
[32] Schweickert WD, Pohlman MC, Pohlman AS, et al. Early physical and occupational therapy in mechanically ventilated, critically ill patients: a randomised controlled trial. Lancet 2009; 373: 1874-82
[33] Zanni JM, Korupolu R, Fan E, et al. Rehabilitation therapy and outcomes in acute respiratory failure: an observational pilot project. J Crit Care 2010, 25:254-262
[34] Hodgson CL, Hayes K, Everard T, Long-term quality of life in patients with acute respiratory distress syndrome requiring extracorporeal membrane oxygenation for refractory hypoxaemia. Crit Care 2012; 16: R202
[35] de Letter MA, Schmitz PI, Visser LH, et al. Risk factors for the development of polyneuropathy and myopathy in critically ill patients. Crit Care Med 2001; 29: 2281-6
[PR]
by DrMagicianEARL | 2012-11-12 15:14 | 敗血症 | Comments(0)

by DrMagicianEARL