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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

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■New England Journal of Medicineから重症患者の栄養に関する衝撃的な報告です.

■グルタミンは体内でもっとも豊富な遊離アミノ酸であり,侵襲時には異化亢進により減少してしまう.高度侵襲病態でのグルタミンは病原体の体内への侵入を防ぎ損傷部位を修復するために活性化される免疫細胞や腸管粘膜細胞のエネルギー基質となり,これにより感染防御維持とBacterial translocationの防止効果が期待される.一方,グルタミンが欠乏すると,マクロファージの抗原発現能が低下し,アポトーシスへの感受性が高まる.また,グルタミンは細胞内の代謝により抗酸化物質のグルタチオンの材料となることで侵襲時の酸化ストレスを軽減し,組織傷害を防止する.また,heat shock protein(HSP)の発現を高めることで致命的高熱による細胞死を防止する.これらの機序からグルタミン投与が高度侵襲病態で有用であることが期待されていた.

■Houdijkら[1]の多発外傷患者を対象としたRCTでは,グルタミン投与で肺炎,菌血症,敗血症の発生を有意に抑えることが示されている.Estívariz[2]の壊死性膵炎・心血管・大腸手術患者を対象とした検討では,膵臓手術では有意差はなかったものの,その他の手術では感染症合併や肺炎が有意に減少した.Grauら[3]のICU患者127例での多施設RCTでは,感染症合併率の減少と血糖コントロールの改善が示されている.その一方,Gianottiら[4]の,明らかな低栄養状態のない待機的消化器外科手術患者428例を対象としたRCTでは,術後合併症,感染症,在院日数等アウトカムに有意差はみられなかった.Andrewsら[5]のRCTでも,グルタミン投与は感染症発生率や死亡率に影響を与えなかったと報告している.

■このように,グルタミンの効果はまだ議論のさなかであり,死亡率改善効果を示した報告は存在しない.ただし,グルタミンは炎症反応を増悪させず,むしろ抗酸化能を高め,HSPの発現を高めることから高度な炎症反応を示す重症患者にも安全に投与できると考えられていた[6].ただし,動物実験(マウス腸管虚血再灌流モデル)では虚血状態でのグルタミン投与が好中球の過剰活性化を引き起こし,再灌流後の生存率を悪化させることが報告されている[7]

■抗酸化物質としては,近年特にセレンに注目が集まっている.セレン注射製剤は本邦では未承認製剤であるため使用できない.セレンは生体内ではセレノシステインとしてタンパク質に組み込まれ,主にセレノプロテインとして働き,ビタミンEやビタミンCと協調して,活性酸素やラジカルから生体を防御すると考えられている.ヒトではセレン単独の欠乏症状が見られない.したがって,セレン欠乏は欠乏症の二次的な要因となると考えられている.すなわち,ビタミンEなどと協調してはたらくため,両栄養素の欠乏症状の相乗作用により現れると考えられている.高度侵襲化においてはセレンの生体内レベルが低下することが知られている.

■しかしながら,セレンの臨床効果についてはいくつかのRCTが存在するものの,そのエビデンスは極めて弱い.Angstwurmら[8]は重症SIRS,敗血症,敗血症性ショックについて検討した249例の大規模な臨床試験を行ったが,死亡率改善効果は認められなかった.また,セレン,グルタミンを評価したSIGNET trial[5]でも死亡率改善効果は認めていない.

■一方,メタ解析ではHeylandら[9]があり,セレンは死亡リスクを35%有意に減少させていた.この報告では,単独投与であれ他の抗酸化物質との組み合わせであれ,セレンの経静脈投与が死亡率の鍵を握ると結論している.また,Huangら[10]の12報RCTのメタ解析では,セレンの経静脈投与で敗血症による重症患者の死亡リスクが17%低下したと報告されている.さらに,Alhazzaniら[11]は重症敗血症に限定した9報RCTのメタ解析を行い,セレンは死亡リスクを27%有意に減少させたとしている.

■カナダ・米国・欧州で行われていたREDOXS studyは,このセレンに焦点をあて,グルタミンとの併用の効果を含めて検討した研究である.その中間解析が,セレンの有用性を示したAlhazzaniら[11]のメタ解析の報告から1週間たたぬうちにNEJMに報告された.これが以下に紹介する論文である.研究デザインはSIGNET trial[5]に似ているが,結論は,グルタミンは死亡率を増加させうる,抗酸化物質(主にセレン)はプラセボと有意差なしであった.

■ただし,この報告をもってグルタミンを否定するのは早計と思われる.本研究の対象は多臓器不全に陥っている患者であり,上述の腸管虚血モデルでの死亡率悪化の報告を踏まえれば,腸管虚血状態を合併している可能性が高い多臓器不全であればグルタミンによって死亡率が増加することは矛盾しない.一方で,多臓器不全に至っていない重症例でグルタミンが死亡率を増加させるかはこの報告では不明である.SOFA scoreが低い患者でのグルタミンの効果の検討が今後必要と思われる.

A Randomized Trial of Glutamine and Antioxidants in Critically Ill Patients
Daren Heyland, M.D., John Muscedere, M.D., Paul E. Wischmeyer, M.D., Deborah Cook
, M.D., Gwynne Jones, M.D., Martin Albert, M.D., Gunnar Elke, M.D., Mette M. Berger, M.D., Ph.D., and Andrew G. Day, M.Sc. for the Canadian Critical Care Trials Group
N Engl J Med 2013; 368:1489-1497 | April 18, 2013 | DOI: 10.1056/NEJMoa1212722
重症疾患患者におけるグルタミン,抗酸化物質の無作為化試験(The REDOXS Study)

要 約

【背景】重症疾患患者は相当な酸化ストレスを受けている.グルタミンと抗酸化物質の補充は治療的ベネフィットを提供するかもしれないが,近年のデータは矛盾している.

【方法】この盲検化2×2要因試験において,我々はカナダ,アメリカ合衆国,ヨーロッパの40施設のICUの,多臓器不全を有し,かつ人工呼吸管理を有する成人重症疾患患者1223例を,グルタミン投与群,抗酸化物質投与群,併用群,プラセボ群に無作為に割り付けた.ICU入室から24時間以内に投与を開始し,いずれも経静脈,経腸の両方で投与された.主要評価項目は28日死亡率とした.中間解析のため,P値は最終解析で0.044以下で統計学的に有意であるとした.

【結果】グルタミン投与群は,グルタミン投与を受けていない患者群と比較して28日死亡率が増加する傾向が見られた(32.4% vs 27.2%; 調整オッズ比 1.28; 95%信頼区間 1.00-1.64; P=0.05).院内死亡率,6ヶ月死亡率はグルタミン投与群が非投与群よりも有意に高かった.グルタミンは臓器不全や感染症合併に対する効果は認められなかった.抗酸化物質は28日死亡率に影響を与えず(30.8% vs 28.8%抗酸化物質非投与群; 調整オッズ比 1.09; 95%信頼区間 0.86-1.40, P=0.48),その他の全ての二次評価項目にも影響を与えなかった.群間で重度な副反応の差は認められなかった(P=0.83).

【結果】早期のグルタミン,抗酸化物質の投与は臨床的予後を改善せず,グルタミンは多臓器不全を有する重症疾患患者の死亡率増加と関連していた.


[1] Houdijk AP, Rijnsburger ER, Jansen J, et al. Randomised trial of glutamine-enriched enteral nutrition on infectious morbidity in patients with multiple trauma. Lancet 1998; 352: 772-6
[2] Estívariz CF, Griffith DP, Luo M, et al. Efficacy of parenteral nutrition supplemented with glutamine dipeptide to decrease hospital infections in critically ill surgical patients. JPEN J Parenter Enteral Nutr 2008;32: 389-402
[3] Grau T, Bonet A, Miñambres E, et al; Metabolism, Nutrition Working Group, SEMICYUC, Spain. The effect of L-alanyl-L-glutamine dipeptide supplemented total parenteral nutrition on infectious morbidity and insulin sensitivity in critically ill patients. Crit Care Med 2011; 39: 1263-8
[4] Gianotti L, Braga M, Biffi R, et al; GlutamItaly Research Group of the Italian Society of Parenteral, and Enteral Nutrition. Perioperative intravenous glutamine supplemetation in major abdominal surgery for cancer: a randomized multicenter trial. Ann Surg 2009; 250: 684-90
[5] Andrews PJ, Avenell A, Noble DW, et al; Scottish Intensive care Glutamine or seleNium Evaluative Trial Trials Group. Randomised trial of glutamine, selenium, or both, to supplement parenteral nutrition for critically ill patients. BMJ 2011; 342: d1542
[6] Santora R, Kozar RA. Molecular mechanisms of pharmaconutrients. J Surg Res 2010; 161: 288-94
[7] Fukatsu K, Ueno C, Hashiguchi Y, et al. Glutamine infusion during ischemia is detrimental in a murine gut ischemia/reperfusion model. JPEN J Parenter Enteral Nutr 2003; 27: 187-92
[8] Angstwurm MW, Engelmann L, Zimmermann T, et al. Selenium in Intensive Care (SIC): results of a prospective randomized, placebo-controlled, multiple-center study in patients with severe systemic inflammatory response syndrome, sepsis, and septic shock. Crit Care Med 2007; 35: 118-26
[9] Heyland DK, Dhaliwal R, et al. Antioxidant nutrients: a systematic review of trace elements and vitamins in the critically ill patient. Intensive Care Med 2005; 31: 327-37
[10] Huang TS, Shyu YC, Chen HY, et al. Effect of parenteral selenium supplementation in critically ill patients: a systematic review and meta-analysis. PLoS One 2013; 8: e54431
[11] Alhazzani W, Jacobi J, Sindi A, et al. The Effect of Selenium Therapy on Mortality in Patients With Sepsis Syndrome: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Crit Care Med 2013 Apr 12
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by DrMagicianEARL | 2013-04-19 11:41 | 敗血症 | Comments(0)
※今回は雑感です.一般人も読む可能性があるため,薬剤名は商品名で記載しました.

■肺腺癌の治療薬であるイレッサ®(一般名Gefinitib,AstraZeneca社製造販売)の副作用による間質性肺炎で患者が死亡し,遺族ら原告団15名が国と製薬メーカーであるAZ社相手に訴訟を起こした裁判は,最終的に平成25年4月12日に最高裁で「国とAZ社に責任はない」として上告を棄却し,原告団が敗訴する結果で8年間にわたるイレッサ訴訟が終結した.

■マスコミはこの結果に対して最高裁の判断を批判,国の責任を追及する内容を報じている.インターネット上でもこのマスコミの流れにのって最高裁,国,AZ社を批判している声が見受けられる.一方,Twitterでは私をはじめ複数の医師が今回の裁判のどこに問題があったかを指摘する内容をツイートし,議論にもなっている.その中で分かったのは,多くの人が裁判の詳細を知らず,医師の役割が誤解されていたことであった.以下に小生の意見を述べる.

1.亡くなった患者の主治医には責任はないのか?
■当然ながら責任がある.原告団の陳述内容では,亡くなった患者の主治医は添付文書を読んでいるとは思えない対応をしている.服用前に重大な副作用の内容を説明していない,服用後に十分な経過観察を行っていない,挙句の果てに,副作用である間質性肺炎を新聞で見て気がつく(この医師は呼吸状態が悪化した患者に12日間何をしていたのか?)というレベルである.重大な副作用も把握せず,説明義務を怠った主治医の責任は問われて当然のものであり,主治医を相手に訴えれば主治医が負けることは明白である.

■原告団の主張では,イレッサ®副作用による間質性肺炎の死亡事例は800例にのぼるとしている.しかし,テレビニュースでも連日のように報道され,他の遺族への参加を呼びかけたにもかかわらず,原告団に加わったのはわずか15名であり,死亡事例の2%にも満たない.実際には医師と良好なインフォームドコンセントのもとに薬剤投与がなされたケースが多く,副作用による死亡となっても患者自身が了承済みであった.この原告団15名はいわゆるモンスターペイシェントではなく,主治医と十分なインフォームドコンセントを得ていなかった被害者であり,原告団の陳述内容がそれを示している.

2.誇大広告に問題はなかったのか?
■イレッサ®を「夢の新薬」と言って誇大広告を打ち出したのはAZ社ではなく他ならぬマスコミである.市販薬でない以上,製薬メーカーが新聞やテレビで新薬を宣伝することはない.AZ社がマスコミを買収していたとの憶測もあるが,陰謀論に過ぎず,根拠は不明であり,そもそも買収有無は社会的問題ではあっても今回の訴訟の主旨とは無関係である.誇大広告は医師が薬剤を不適切に処方する原因にはならず,もし原因になることがあればそれは医師の責任である.誇大広告は問題とはならない.

■ここでひとつ,多くの一般の方々が誤解している内容に触れておく.原告団は陳述で明らかに医師の対応に問題があったと述べた一方で,「医師に責任がある」とした国の主張には反対し,誇大広告が原因だとして間接的に医師を擁護するという不可解な主張を展開していた.イレッサ®の誇大広告に問題患者やその家族が新薬の誇大広告の影響を受けやすいことは容易に想像できる.だが,医師も同様であるとする誤解が非常に多い.どんな誇大広告であっても医師はその広告のみをもって薬剤の処方を判断するのではない.これは論文でも同じで,どういう内容の論文であっても,それがたとえ自分の主張を支持する内容の論文であっても,医師は批判的吟味をもって査読する.患者や家族が新薬の誇大広告にのせられてしまった時に,その新薬を処方する権限を有する医師は患者や家族にとっての最後の防波堤である.もし広告のみで判断するような医師であれば医師としての資質が問われるべきであることは疑う余地もなく,広告で処方が左右されることが普通なのであればそもそも医師の処方の権限など不要である.

3.添付文書には問題はなかったか?
■イレッサ®は治験段階では3例で間質性肺炎があり,いずれも治療で軽快している.治験外使用では7例で間質性肺炎を発症し,3例が死亡している.承認前に判明していた間質性肺炎は,国内臨床sh件では133例中3例,治験外使用では296例中2例,海外を含めると1万人以上で10例前後だったとされている.このように副作用事例数が少なく,このデータのみではイレッサ®による副作用と断定は困難である(特発性間質性肺炎なども可能性もあるから).また,もともと肺癌に癌性リンパ管症が発生することは珍しくなく,間質性肺炎との鑑別が困難なこともしばしば経験しうる.以上から,もしかするとイレッサ®による薬剤性間質性肺炎なのかもしれない,という程度の漠然とした危険性しか推測できない.

■にもかかわらず,当時のイレッサの添付文書でも間質性肺炎は重大な副作用に分類され,「間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと」と記載されたことは十分過ぎるといっても過言ではない扱いであると思われる.添付文書の重大な副作用で間質性肺炎が4番目に記載されていたことを問題視する声もあるが,順番は何ら関係がない.順番にかかわらず重大な副作用のすべてをチェックすることは当然であり,それをせずに新薬を処方するならばそれは医師の責任である.新薬では治験時と副作用の頻度が異なることはよくあり,治験時にはみられなかった副作用がでてくることもある,そういったことは医師ならば当然知っていることであり,それを軽くみてしまった主治医にかかった患者が今回の被害者である.

4.イレッサ®は効かない薬か?
■イレッサ®が肺腺癌EGFR遺伝子変異陽性患者で非常によく効くことはすでに数々の報告が示している通りであり,実臨床でも経験される.効かない薬では断じてない.そもそもこの裁判はイレッサ®の副作用が主たる内容の裁判であったはずである.しかしながら,原告団の主張は途中から「イレッサ®は効果がなく間質性肺炎という恐ろしい副作用をもつ悪魔の薬であり,イレッサ®は根絶されなければならない」という本来の主旨とは違う方向に変わっていった.イレッサ®の効果の検証は原告団のみでは不可能であり,誰かが原告団に働きかけ,裁判の方向性を変えてしまったことになる.公開された原告団の手記で,原告団がある人物と接触したことが分かる.その人物こそがNPO法人医薬ビジランスセンター理事長である浜六郎氏である.

■浜六郎氏は医師であり,薬剤の副作用について警鐘をならす講演や書籍出版を行っており,有名なものではタミフルによる異常行動の副作用リスクにもかかわっている.浜六郎氏は社会的に話題にあがっている薬剤において副作用事例があった場合,過敏なまでに反応し,有効性を無視してまで副作用を強調し,そこから既知のデータに恣意的なバイアスを加え,あたかもその薬には効能すらないかのうように読者をミスリードさせて,その薬剤を根絶させるべきとの主張にもっていくのが常套手段である.この浜六郎氏の論法を革新的とみて,内容を吟味できない一部の熱狂的ファンもいる.薬剤のリスクとベネフィットを無視していることは明らかで,裁判の主旨が変わってしまったこともふまえれば,原告団が浜六郎氏に容易に洗脳された可能性もある.

■浜六郎氏と弁護団はイレッサ®の副作用死率が他の抗癌剤と比較して突出して高いと主張し,死亡率の表を提示したが,この表は年度別の死亡率を出さずに累積死亡率だけを出すという極めて不可解なものであり,情報を巧妙に細工していたことがうかがわれる.これは単年度死亡率だと低くなってしまい,イレッサ®を悪魔の薬に仕立て上げるには不都合であったからと推察される.国立癌研究センター中央病院での文献を見れば,他の抗癌剤の使用し始めた頃の数値と普及時の数値を比べるとイレッサ®と差があるわけではない.原告団の提示したデータは捏造ではないがミスリードを引き起こすものである.

■イレッサ®の生存期間延長効果をみる研究としてはまず従来からの抗癌剤にイレッサ®を併用した2つの試験がある.すなわち,GEM+CDDP治療にイレッサ®を上乗せしたINTACT-1試験と,PTX+CBCDA治療にイレッサ®を上乗せしたINTACT-2試験があり,この2試験によりイレッサ®の“上乗せによる”生存期間延長効果はないことが示されている.ただし,これは強調したようにあくまでも上乗せ効果の検討であることに注意されたい.薬剤の併用は,元の治療が有効であれば上乗せ効果が現れにくいことはしばしばあり,薬剤同士の相互作用でむしろ治療効果が減弱したり副作用が出現しやすくなったりもする.よって,上乗せ効果が否定されたことはその薬剤に効果がないことを意味しない.

■しかし,浜六郎氏はこの2つの研究結果を受けてこの2試験が上乗せ効果を検討した併用試験であることをほとんど書かず,あたかもイレッサ®単剤の試験で生存期間延長効果がなかったかのように主張し,それをマスコミが報道することで「イレッサ®は無効」の誤解が拡大していったのである.

■イレッサ単剤の効果はその後行われたISEL試験で検討され,アジア人,非喫煙者においてはイレッサ®はプラセボ群(効果のない偽薬を服用した群)よりも有意に生存期間を延長させることが示されている.このことからイレッサ®の効果が期待できる因子を満たす患者にイレッサ®が著効する可能性が示唆された.さらに,ISEL試験を根拠としてイレッサ®の効果が期待できる患者を対象としてイレッサ®と従来の抗癌剤(CDDP+PTX)を比較したIPASS試験が行われ,イレッサ®の方が有意に生存期間を延長することが示された.また,この試験においてEGFR遺伝子変異陽性の患者においては特にイレッサ®の無増悪生存期間が有意に延長することが示され,逆にEGFR遺伝子変異陰性患者では効果が従来の化学療法群より劣ることが示された.以上から,適切に症例を選択することでイレッサ®による治療は従来の化学療法よりも優れた効果があることが示された.

■その後も数々の試験においてイレッサ®の有効性が示され,2009年には欧州医薬品局もイレッサ®の販売承認を行っている.日本においても現在ではEGFR遺伝子変異陽性の肺癌患者が適応となっている.

5.国の対応は適切だったか?
■原告団は「イレッサ®が奏功率(癌縮小)だけで承認されたことを陰謀である,生存期間の延長がない(実際にはあったわけだが)医薬品は承認すべきではない,イレッサ®だけを特別扱いするのは日本独特の製薬会社との不正な癒着だ」と主張した.しかし,実際には米国FDAも奏功率だけでイレッサ®を承認しており,日本独特の陰謀というものはあてはまらない.

■イレッサ®が厚労賞からスピード承認されたことについて,審査が甘いと指摘する声もあるが,それは誤解である.薬剤承認される際は,多数の薬剤が審査待ちの状態にある(いわゆるドラッグ・ラグである).スピード承認とは,必要性が高い薬剤を優先して審査までの順番待ちの期間をなくしただけであり,審査そのものが短縮したわけではない.単なる事務処理手続き上の優先処理の結果であり,審査がおろそかになったわけではない.ただでさえ使用可能な抗癌剤が少ない日本においてイレッサ®が順番待ち期間を解除されるのは必然の流れであった.一度和解勧告がでたことがあるが,実はこれは裁判所が自発的にだしたものではなく,原告側から和解勧告を求める上申書が提出されている.この中で「承認を急ぐあまり十分な検討がなされず,効かない薬を承認した」については和解勧告のポイントではないことをしつこく原告側は主張している.

■イレッサ®承認後はどうか.2002年7月16日にイレッサ®は販売開始となり,10月までの報告全体では110例(51例)の間質性肺炎が報告されたが,厚労省はこのうち最初の4例(2例が死亡)の報告を受けただけでただちにAZ社に対して添付文書改訂と緊急安全性情報の作成及び医療機関等への配布を指示していた.国の対応は迅速だったのである.その後,緊急安全性情報が各施設に周知徹底するまでの時間や副作用発現までの時間,死亡事例の報告までの時間などのタイムラグもあって11月には被害がピークに達したものの,その後は減少に転じている.厚労省の迅速な対応が奏功していたのである.添付文書の件も含め,予知能力がない限りこれ以上の対応は不可能だろう.

6.AZ社の対応は適切であったか?
■AZ社が副作用の可能性のある症例の情報の開示に消極的であったことは事実である.法的責任とは別であっても社会的に患者の利益になるのであれば積極的に行うべきであり,そういう点ではAZ社の責任有無には議論の余地があるかもしれない(もっとも長期社会的利益不利益の問題であるが).もっともこのあたりは薬事と製造法責任が別であり,法律上の詳細までは私も把握できておらず,法的内容についてはコメントしない.

7.裁判の意義
■明らかなに問題があった患者の主治医の責任が争点とならず,それどころか途中からイレッサ®の有効性有無,イレッサ®根絶という本来議論すべき争点から大幅に乖離した内容となった.医師を訴えても何も変わらない,国を訴えることに社会的意義がある,等の意見も散見されるが,結果的に患者遺族には何も残らなかったのである.医師を訴えれば勝訴した可能性は高く,補償も残っただろう.浜六郎氏が裁判にかかわったことで,医師の責任問題がむしろ邪魔なものとなってしまう結果となったのは社会的にも大きな損失だと思われる.

■医師を訴えても何も変わらない,という意見には異議がある.医療訴訟が当たり前の時代になって,これまで多数の示談や裁判が行われてきたが,それらの判例は医療現場において生かされていることも事実である.

■最高裁の結果を受けて医薬ビジランスセンターのホームページでは浜六郎氏の緊急声明が掲載された.推測でバイアスをかけた論調に加え,「企業が,副作用が少ない夢の新薬であるという宣伝を行い,添付文書の警告も不十分であったために起きた,という点が問題の本質ではない」「宣伝や添付文書の記載不十分,要望書下書きといった,ある意味,些末な問題に論点が絞り込まれてしまったために,裁判所の判断を誤らせてしまったのではないか,と考える次第である.」と言い,この裁判の本質として最後までイレッサ®の効果有無の話に終始している.いったい原告団の陳述は何だったのか?彼には薬しか見ていないのか?依然としてメリット・デメリットのバランスの検証は怠ったままであることはむしろ社会にとって害でしかない.これでは自分の医薬ビジランスセンターの主張を達成させるために裁判を利用したようにしか見えない.裁判の本質を問うのは原告団であって浜六郎氏ではないはずである.
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by DrMagicianEARL | 2013-04-15 17:57 | Comments(0)
■敗血症性DICにおけるアンチトロンビン製剤(AT)の研究が2報発表されたので以下に紹介し,敗血症性DICにおけるATについてのレビューを行った.

敗血症性DIC患者におけるアンチトロンビン投与の治療効果と病理学的特徴の研究
Sakamoto Y, Inoue S, Iwamura T, et al. Studies on therapeutic effects and pathological features of an antithrombin preparation in septic disseminated intravascular coagulation patients. Yonsei Med J 2013; 54: 686-9
PMID:23549815,Free Full Text
概要:2000年から2008年までの敗血症性DIC患者88例(ヘパリンは非使用)において,AT投与群34例と非投与群54例を比較した後ろ向き解析.ATは1500-3000単位/日を3-5日間投与した(総量4500-15000単位).患者背景は,性別,年齢,APACHEⅡスコア,SOFAスコアに有意差はないが,急性期DIC診断基準スコアはAT群が有意に高かった.死亡率はAT投与群で有意に低かった(26.5% vs 42.6%, p=0.0045).佐賀大学からの報告.

■本報告は後ろ向きであることや,研究対象期間が2000年から2008年までであり敗血症治療の変遷による治療成績の変化が加味されていないことを踏まえると死亡率低下のエビデンスレベルは低いが,本邦で保険診療上使用可能な上限4500単位より多い量の投与により死亡率改善が得られている点がこれまでの国内からの報告と異なる点と言え,ATの予後改善効果の一傍証となるかもしれない.

急性期DIC診断基準で診断された敗血症性DICに対するアンチトロンビンの効果
丸藤哲,齋藤大蔵,石倉 宏恭,他.急性期DIC診断基準で診断された敗血症性DICに対するアンチトロンビンの効果.日本救急医会誌 2013; 24: 105-113
概要:日本救急医学会DIC特別委員会による,敗血症性DICに対するATの効果を検討した13施設共同のRCT.このRCTでは体重ごとにAT投与量が定められ,2000単位/日前後が投与されている.58例登録の時点で中間解析が行われ,AT群で有意なDIC改善効果がみられたものの,28日死亡率は有意差が認められなかった(10.7% vs 13.3%, p=1.00).本研究は死亡率で有意差をみるには検出力不足(4900例必要)と判定され,60症例登録に3年を要したことなどから,この中間解析をもって中止となった.

■このRCTは,第二次多施設共同前向き試験において各施設が任意に実施したDIC治療方法をpropensity 解析により検証した結果,感染症を基礎病態として発症する急性期DIC症例にアンチトロンビン製剤を早期投与すると症例の予後が改善する可能性が示唆された[1]ことや,KyberSept trialのサブ解析の結果をもとに行われたが,非常に低い死亡率であることからも分かる通り重症でない敗血症も登録可能であり,対照群はメシル酸ガベキサートを使用してもいいなど,研究デザインに問題があると思われる.

■ATの主な生理作用は抗凝固作用であり,血液凝固反応の制御において重要な生理的セリンプロテアーゼ阻害薬である[2].主にThrombinと活性型凝固第IXa,VIIa,Xa,XIa,XIIa因子を阻害し,血中Thrombinに対する阻害活性の75-80%がATの作用であると言われている[3].また,ATには,血管内皮細胞上のヘパラン硫酸や,好中球表面上に存在するシンデカン-4(ATに対する特異的受容体)にATが結合することで抗炎症作用が発揮されることが判明している[4].ただし,この抗炎症作用はAT活性値を生理的AT活性値以上(120%以上)に保持した場合にしか発現しない[5]

■ATの生体内半減期は健常人では約65時間である.ところが,DIC急性期などの凝固亢進状態下では,約7時間にまで短縮し[6],血中AT活性値は低下する.低下の原因としては,血液凝固亢進による消費,血管内皮・肝臓における産生能低下,エラスターゼによる分解,血管透過性亢進による血管外漏出(cappillary leak)などが関与している[7].AT活性値はSOFAスコアと有意な逆相関(y=13.4-0.09x, r=0.513, p<0.001, n=82)を示すことが知られており[8],AT活性値が50%未満のDIC患者は予後不良な重症患者群であることも判明している[9]

■これらのことから,AT補充療法がDICにおいて有用と考えられ,臨床で使用されるに至る.本邦では1500単位の3日間投与(総量4500単位)がスタンダードであり,AT活性値が70%以下での投与が推奨されてきた(近年はrecombinant thrombomodulin製剤の登場によりその投与基準値は下げられる傾向にある).しかし,この治療法の有効性は質の高い臨床的な研究では検証されておらず,実質としてエビデンスがなかった.そこで行われた日本救急医学会DIC委員会による上述のRCTが行われたわけであるが,研究デザインの問題もあってか失敗に終わっている.
※大阪DIC研究会での丸藤先生の講演によると,「AT活性値が40%の患者が一番AT製剤の投与効果がある.一方,30%以下ではcapillary leakもあり投与しても意味がないため,30%以下の患者では投与するなと言っている」とのことである.

■一方,重症敗血症を対象として海外ではATの臨床研究が行われてきたが,その投与量は3000-7500単位/日を4日間投与するというレジメンが多く,本邦の投与量をはるかに上回っている.最大規模の研究は,2314例の重症敗血症患者を対象とした,ATを4日間で総量30000単位投与するレジメンを検討したプラセボ対照二重盲検RCTであるKyberSept trial[10]であり,28日死亡率は両群で有意差がない(38.9% vs 38.7%, p=0.94)という結果であった.このことから,Leviらによる英国のDICガイドライン[11]では,「ATについてはさらなるRCTがでるまで態度を保留する」という立場をとっており,ATの使用を推奨していない.また,Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2012においても「重症敗血症に対してATは使用すべきではない」としている.

■ただし,KyberSept trialが対象としているのはDICではなく重症敗血症患者である.また,Surviving Sepsis Campaign Guidelinesが発表される前の研究であり,原疾患治療の程度は現在のものと異なることに注意が必要である.その後,行われたサブグループ解析では,DICと診断できた患者のなかで,ATが投与された群がプラセボ群に比べて死亡率が有意低かった(25.4% vs 40.0%, p=0.02)[12]ことから,敗血症性DICにおいてはATが死亡リスクを低下させる可能性が示唆され,これはその後行われた3報RCT(うち2報はサブ解析)のメタ解析[13]でも示されている(OR 0.649, 95%CI 0.422-0.988).これらの結果を根拠としてAT使用が本邦では推奨され,科学的根拠に基づいた感染症に伴うDIC治療のエキスパートコンセンサス[14]では推奨度B1,日本版敗血症診療ガイドラインでもGrade 2Cで推奨となった.

■しかし,根拠となる報告は日本よりはるかに高用量のATを使用しており,サブ解析であることも考慮すれば,本邦でのAT 1500単位/日を3日間という使用量は,死亡リスクのアウトカムの観点からは何ら根拠がない.実際に,上述の通り,本邦のレジメンでのRCTではAT群と対照群で死亡率に有意差がついておらず,本記事で紹介した死亡率改善を示したSakamotoらの報告も,保険適応外の高用量レジメンである.よって,文献エビデンスに基づくならば,本邦のAT標準投与量が推奨される根拠はないということになる.保険診療上の適応用量を越えて高用量を投与すべきか,という問題もあるが,極めて高額なコスト(1バイアルあたり10万円弱)がかかることや大規模な前向きRCTがまだ行われていないことを考慮すればまだ推奨はされないものと思われる.よって,現時点ではATを使用する根拠は「ATが低い敗血症性ショック患者において臓器不全が進行し,予後不良に関連する」「高用量ではATが死亡リスクを改善する可能性が示唆されていることから(本邦の標準量である)低用量でも改善しうるかもしれないという推測」のみである.

■なお,日本のガイドラインを含む世界の3つのガイドラインを統一させたDICガイドライン[15]が2013年に発表となったが,このガイドラインではATは「将来的に無作為化比較試験による前向きのエビデンスが必要であるが,アンチトロンビン製剤や遺伝子組み換えトロンボモデュリン製剤の投与は特定のDIC患者において考慮されるかもしれない(Ungraded).」という扱いとなっている.

■AT製剤はAT欠乏症患者でのデータで1単位/kg投与によりAT活性値が1.01±0.30%/U上昇するとされている[16](1500単位投与ならば体重50kg患者では約30%上昇).ただし,敗血症患者では上述の理由によりATは急速に消費されていくことから,このデータは単純にはあてはまらない.敗血症患者での検討では,1単位/kg投与で敗血症で1.81±1.75%/U/kg,重症敗血症で1.36±1.65%/U/kg,敗血症性ショックで0.37±1.21%/U/kg上昇するとされる[17]

■Thrombinに対するATの阻害作用は,ヘパリン存在下で通常の約1000倍以上に促進することが判明している.一方で,ATとヘパラン硫酸の結合部位はヘパリンとの結合部位と同一であるため,ATとヘパリンの併用は抗炎症効果を厳弱させることが判明している[4].この2つの相反する作用がどう影響したかは不明であるが,KyberSept trial[10]のサブ解析では,AT使用中にヘパリンを併用しなかった患者において,AT群の90日死亡率が有意に改善し(44.9% vs 52.5%, p=0.03),ヘパリン併用は出血性リスクをむしろ増加させた(23.8% vs 13.5%, p<0.001).

■近年,本邦でATの分割投与(500単位×3回/日)や持続投与が少数の症例集積ながら相引らによって検討されている.そのひとつが,Shock誌に発表された,8時間毎のAT 500単位の投与は24時間間の一括投与よりATトラフ活性値を有意に上昇させたとする報告[18]である.この報告では,一括投与群の方が出血傾向が有意に高いことも報告されている.一方で,陵城らは,37例のDIC患者の検討で,非感染性DICにおいては分割投与群よりも一括投与群でAT活性値が有意に上昇しており,感染性DICでは両群間に有意差はみられなかったと報告している[19].これらの結果から,相引らは,敗血症性DICに対して,①APTT非延長例では1500単位を3分割し,8時間毎に投与,②APTT延長例では1500単位を3時間で投与した後1500単位を24時間持続投与,というレジメンを提唱している.また,敗血症性DICにおいては20%アルブミン製剤の後,ATを投与するとAT活性値がアルブミン非投与例よりも有意に増加するとされている(capirally leakを考慮したものと思われる).

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by DrMagicianEARL | 2013-04-09 17:02 | 敗血症性DIC | Comments(0)

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