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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

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■敗血症性ショック患者へのβ遮断薬の有用性については以前から動物実験等で示されてきましたが,今年に入り,Phase2 studyの報告が始まりました.今回は28日死亡率も評価され,小規模RCTでの二次評価項目ではありますが,NNT 3.2という驚異的な治療成績を残しています.
敗血症性ショックの患者における循環動態と臨床予後におけるエスモロールの心拍数コントロール効果:無作為化臨床試験
Morelli A, Ertmer C, Westphal M, et al. Effect of Heart Rate Control With Esmolol on Hemodynamic and Clinical Outcomes in Patients With Septic Shock: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2013 Oct 9 [Epub ahead of print]
PMID:24108526

Abstract
【背 景】
敗血症性ショックにおいて,β遮断薬は心拍数を制御し,βアドレナリン受容体刺激による有害作用を減じる可能性がある.しかし,β遮断薬はこのような病態にはこれまで使用されておらず,陰性変力作用や血圧低下作用に関連した心血管うっ血を増悪させる可能性がある.

【目 的】
重症の敗血症性ショック患者において短時間作用型β遮断薬エスモロール(ブレビブロック®)の効果を検討する.

【方 法】
本試験は2010年11月から2012年7月までに大学病院集中治療室に入室した,心拍数は95/分以上で,平均血圧65mmHg以上を維持するために高用量のノルアドレナリンを要する敗血症性ショックの患者を登録した,オープンラベル無作為化Phase2研究である.患者は77例がICU在室中に心拍数を80-94/分に維持するためエスモロール持続投与を受ける群に,77例が標準治療を受ける群に無作為に割り付けられた.一次評価項目はエスモロール治療96時間の時点での心拍数を95/分未満への減少達成とした.二次評価項目は循環動態と臓器機能,24,48,72,96時間時点でのノルアドレナリン用量,有害事象,無作為化から28日以内に発生した死亡とした.

【結 果】
エスモロール群は全患者で目標心拍数を達成した.最初の96時間での心拍数変化のAUC中央値はエスモロール群が-28/分(IQR -37 to -21),対照群は-6/分(IQR -14 to 0)であり,エスモロール群が平均18/分減少させていた(p<0.001).1回心拍出量変化のAUC中央値は,エスモロール群が4mL/m2(IQR -1 to 10),対照群が1mL/m2(IQR -3 to 5)でエスモロール群が有意に上昇しており(p=0.02),左室1回仕事量変化においてもエスモロール群が3mL/m2(IQR 0 to 8),対照群が1mL/m2(IQR -2 to 5)であった(p=0.03).動脈血乳酸値変化量のAUC中央値はエスモロール群が-0.1mmol/L(IQR -0.6 to 0.2),対照群が0.1mmol/L(IQR -0.3 to 0.6)であり,エスモロール群が有意に減少させた(p=0.007).ノルアドレナリン変化量はエスモロール群-0.11μg/kg/分(IQR -0.46 to 0.02),対照群が-0.01μg/kg/min(IQR -0.2 to 0.44)であり,エスモロール群が有意に減少させた(p=0.003).輸液必要量のAUC中央値はエスモロール群が3975mL/24時間(IQR 3663 to 4200),対照群が4425mL/24時間であり,エスモロール群が有意に少なかった(p<0.001).他の心肺因子や蘇生治療の必要性については両群間で差を認めなかった.28日死亡率はエスモロール群49.4%,対照群80.5%であった(調整後HR 0.39, 95%CI 0.26-0.59, p<0.001).

【結 論】
敗血症性ショックの患者において,エスモロールのオープンラベルでの使用は,標準治療と比して,有害事象を増加させることなく心拍数の目標レベルまでの減少達成と関連していた.死亡率や他の二次臨床評価項目で観察された改善についてはさらなる検討が必要である.
■非常に読みにくいabstractだが,敗血症性ショックにおいて短時間作用型β1選択性遮断薬エスモロールの持続投与は心拍数を減少させ,心拍出量を増加させ,乳酸レベルを減少させ,ノルアドレナリン必要量や輸液必要量も減少させ,有害事象は増加せず,28日死亡率を61%減少させた,ということになる.28日死亡率の絶対差は31.1%であり,NNTは3.2となる.小規模RCTで死亡率は二次評価項目のためエビデンスレベルはそれほど高くはない.また,頻脈を伴う高用量ノルアドレナリン投与患者という難治性の敗血症性ショックであるという死亡率が高いことが予測される集団であることを考慮しても,対照群の死亡率が80.5%というのは高すぎる印象がある.とはいえこれほどの治療成績であることからPhase3もおそらく突破するであろうと思われる.心筋梗塞や心不全治療でβ遮断薬が用いられるようになって久しいが,今後敗血症をはじめとする他のショック病態においてもβ遮断薬の研究が進むと思われる.

1.敗血症性ショックにおけるβ刺激 vs β遮断

■敗血症性ショックにおけるカテコラミンでは,ノルアドレナリンとドパミンについては長年議論されてきたが,2012年に2つのメタ解析[1,2]が報告され,いずれもドパミン群がノルアドレナリン群より死亡率が有意に高かったと報告されていることから,Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2012[3],日本版敗血症診療ガイドライン[4]のいずれにおいてもドパミンは推奨されていない.末梢血管拡張が生じる敗血症性ショックではαアドレナリン受容体刺激が治療として理にかなっており,βアドレナリン受容体刺激は悪影響がでる可能性が以前から基礎研究で指摘されてきている.

■敗血症性ショックでは抑制性G蛋白の増加や間接的なprotein kinase A活性の抑制によってβ1受容体のdown regulationが生じたりβ1シグナルが阻害されるため,ドパミンでは陽性変力作用が期待できず,β2受容体を介して血管拡張や頻脈が生じ,むしろ昇圧を妨げてしまう[5-9].細菌にもβ受容体は存在し,β刺激で菌増殖やバイオフィルム形成を促進する[10,11].β受容体は単球/マクロファージ,リンパ球,好酸球,肥満細胞にも発現し,単球/マクロファージやリンパ球では特にβ2受容体を介して炎症性物質の産生に関与する.また,マクロファージはβ受容体刺激により泡沫化傾向が高まり,一時的に炎症活性が高まった後に機能不全となることも確認されている[12].また,β受容体刺激でリンパ球のアポトーシスが進行したり[13],好中球の遊走能が阻害される[14]ことも報告されている.

■以上から,β刺激は敗血症性ショックにおいて不利に働きうることが基礎的にも臨床的にも示されている.その一方で,β遮断作用が近年注目されている.これは,自律神経系は炎症反応の制御に深く関与しており(Inflammatory Reflex, neuroimmuno axis)[15],副交感神経刺激により炎症反応が軽減できる(cholinergic anti-inflammatory pathway)[16]という考え方に基づく.β遮断薬により,炎症性サイトカインが抑制される[17,18],細胞アポトーシスが抑制される[19],交感神経により惹起された代謝亢進と蛋白異化亢進を抑え,インスリン抵抗性獲得に伴う糖利用障害を正常化し,β糖代謝抑制に伴う脂肪酸動員を抑え,酸素需給バランスを回復する[20],敗血症における心筋保護作用[18,21,22],凝固線溶系障害の改善作用[23,24]などが知られる.

2.敗血症性ショックでの頻脈性心房細動

■敗血症性ショック病態においては心筋障害が観察されることが知られている.この敗血症性心筋障害は1984年のParkerらの報告[25]に始まり,敗血症患者が発症早期より心機能が障害されていることが指摘されている.これまでの報告[26-28]で分かったことは,敗血症性ショックにおけるびまん性の壁運動低下(収縮力低下)は可逆性であり,予後を悪化させる要因ではないが,左室収縮能が低下していない患者はむしろ死亡率が高いという,不可解な結果が得られている.死亡症例ではLVEFが有意に高く,LVEDVが有意に小さい上に輸液負荷によって是正されにくい.また,拡張障害の存在が敗血症性ショックの予後予測因子であることも報告されている[29].よって,敗血症性ショックにおいては,左室収縮能が低下して代償性に心室拡張がみられる症例の方が予後が良好ということになる.これらの,敗血症性ショックにおける心筋障害のパラドックスは,過剰なカテコラミン侵襲に反応して生じるたこつぼ型心筋症に類似したメカニズムなのかもしれない.

■上記のような機序が知られる中,敗血症病態においてβ遮断薬をどのように適応させるかについてはまだ明確な結論はでていないが,考えうる適応場面は2つである.1つは超急性期の内因性カテコラミン過剰放出期[30]であり,ここにβ遮断薬を投与することで内因性カテコラミンの枯渇を防ぐことができるかもしれない.

■もう1つは頻脈性心房細動である.敗血症をはじめとする全身性炎症反応症候群(SIRS;Systemic Inflammatory Response Syndrome)の患者では,交感神経活性や炎症性サイトカインの上昇により心拍数が上昇し,頻脈性の心房細動が発生しやすく,ICU患者の6.5%[31],菌血症患者では15.4%[32]と報告されており,この心房細動の発生が慢性期の死亡率上昇と関連しているとされている[32].また,敗血症性ショックにおいては,心拍数上昇が予後悪化と関連することが報告されている[33-38].実臨床においては,中心静脈カテーテル圧波形においてa波が消失しているが心電図上はP波が確認できる場合,PEA様の状態が心房に生じている可能性が高く,このような場合高率に心房細動が発生することが経験的に知られている.このような頻脈は逆に心拍出量の低下を招き,心不全をきたすリスクが高まり,心機能が良好な患者においても心機能低下の要因となるため[39],治療が必要となりうる.

3.β遮断薬による敗血症性ショックの予後改善の可能性

■Macchiaらは敗血症でICUに入院した9465例の後ろ向き解析を行い[40],入院前にβ遮断薬を投与されていた患者は投与されていなかった患者より死亡率が有意に低かった(17.7% vs 22.1%, OR 0.78, 95%CI 0.66-0.93, p=0.005, adjusted OR 0.81, 95%CI 0.68-0.97, p=0.025)と報告している.β遮断薬の効果持続によりカテコラミンが温存されていた可能性がある.

■ショック病態におけるβ遮断薬の使用は陰性変力作用による血圧低下と循環動態悪化の懸念がある.同時にβ2遮断作用による呼吸機能悪化の懸念もある.よって,β1受容体を選択的に遮断し,血圧低下作用が少なく,心拍数をコントロールできる薬剤が必要である.なお,Ca拮抗薬は心機能低下例では使いにくく,ジギタリス製剤もSIRS状態では反応しにくい.

■これまで海外ではエスモロールで安全性の試験が行われてきた.Balikらは,10例の敗血症性ショック患者においてβ1遮断薬エスモロールとノルアドレナリンを併用すると,心拍数を30/分低下させるが血圧は低下せず,高い心拍出量を保つことができたと報告している[22].Morelliらは敗血症性ショック患者25例での前向き観察予備研究を行い[41],エスモロール投与により心拍数を80-94/分にコントロールすることで心拍出量や微小循環血流が維持され,ノルアドレナリン必要量が低下したと報告している.Acklandは重症敗血症モデルラットでのRCTを行い[42],死亡率を低下させたと報告している.また,β遮断薬には本来除細動効果はないとされるが,SIRS病態での心房細動では約7割が除細動可能である.

■現在本邦で使用可能な注射用β受容体遮断薬はプロプラノロール(インデラル®),エスモロール(ブレビブロック®),ランジオロール(オノアクト®)の3種類のみである.プロプラノロールはβ2遮断作用もある上に半減期が長いため使用しにくい.心拍数減少作用はエスモロール<ランジオロール,血圧低下作用はエスモロール>ランジオロールであるため,理論上はランジオロールの方がより敗血症の治療に向いている.しかし,ランジオロールは本邦でしか使用できず,適応が周術期に限られているため敗血症でのエビデンスがない状況にある(エスモロールも適応は手術に限られる).しかし,早ければ2012年末~2013年初頭頃にはランジオロールが内科においてもSIRSに起因した頻脈性心房細動において保険適応となるため,今後の日本からのエビデンスが期待される.
※エスモロールもランジオロールも現在保険適応がない上に高価なため,私は敗血症性ショックで頻脈性心房細動による血行動態維持困難例に対してプロプラノロールを使用したことが何度かある.いずれも呼吸状態悪化はきたすことなく心拍数を減少させ,血圧が上昇したが,持続投与の経験もなかったため,投与量調整がかなり困難な印象があった.とはいえ,このような血行動態例ではβ遮断薬によってむしろ改善するという実感は得られた.

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by DrMagicianEARL | 2013-10-15 19:40 | Comments(0)
■みなさんの施設では輸血製剤投与の適正使用ガイドラインを作成しているでしょうか?輸血開始基準としてのヘモグロビン濃度は7.0未満がよいとするエビデンスが多数出始めて久しいですが,今回,RCT pilot studyでの報告がでましたので,文献紹介とレビューを行いました.
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高齢の人工呼吸器を装着した重篤患者における制限vs非制限輸血戦略:無作為化予備試験
Walsh TS, Boyd JA, Watson D, et al. Restrictive Versus Liberal Transfusion Strategies for Older Mechanically Ventilated Critically Ill Patients: A Randomized Pilot Trial. Crit Care Med 2013; 41: 2354-63

Abstract
【目 的】
ICUで4日以上人工呼吸器を装着している55歳以上でHb<9.0 g/dLの貧血を有する重篤患者赤血球輸血制限戦略と非制限戦略でのモグロビン濃度,赤血球輸血の使用,患者の予後を比較する.

【デザイン】
並行群間無作為化多施設共同予備試験

【研究の場】
2009年8月から2010年12月までの英国の6つのICU

【患 者】
100例(制限群51例,非制限群49例)

【介 入】
患者は,14日間もしくはICU在室期間のいずれか長期の方で,輸血制限戦略群(Hb<7.0 g/dLで輸血開始し,7.1-9.0 g/dLを目標)と非制限戦略群(Hb<9.0 g/dLで輸血開始し,9.1-11.0 g/dLを目標)に無作為に割り付けた.

【結 果】
ベースラインの並存疾患率と重症度は高く,特に虚血性心疾患が多かった(32%).Hb濃度は両群間で1.38g/dL(95%CI 1.15-1.60g/dL)異なっており(p<0.0001),介入中の平均Hb濃度は8.19g.dL(標準偏差5.1)vs 9.57 g/dL(標準偏差6.3)であった.登録後に輸血を受けた患者は制限群の方が21.6%少なく(p<0.001),中央値で赤血球輸血1単位(95%CI 1-2, p=0.002)少なかった.プロトコル遵守率は高かった.ICUや院内での観察中の臓器障害,人工呼吸器装着期間,感染症,心血管合併症等に差はなかった.無作為化後180日死亡率は非制限群(55%)の方が,制限群(37%)よりも高い傾向が見られた(RR 0.68, 95%CI 0.44-1.05, p=0.073).この傾向は,ベースラインの年齢,性別,虚血性心疾患,APACHEⅡスコア,SOFAスコア(神経項目除く)で調整した生存モデルにおいても維持されていた(HR 0.54, 95%CI 0.28-1.03, p=0. 0.54, 95%CI 0.28-1.03, p=0.061).

【結 論】
高齢の人工呼吸器装着患者における輸血戦略の大規模試験が行われることが望ましい.この予備試験は統計学的に有意ではないが輸血制限の死亡率が低い傾向を示した.
1.赤血球輸血基準としてHb<7.0 g/dLが推奨されるまでの経緯
■内科,周術期などのさまざまな重症疾患において,ヘモグロビンの輸血開始基準が低い方が予後がよく合併症が少ないとする報告が近年多数でてきている.「急性貧血ではHb<7.0 g/dLで輸血を開始し,7.0-9.0 g/dLを保つ」という内容は医師国家試験でも出題されており,year noteにも掲載されているにもかかわらず,医療現場では依然としてHb>7 g/dLでも赤血球輸血を施行する医師は多く,Hbが10を切った時点で輸血を行う医師も多数いる.確かに,多発外傷での出血患者におけるHb濃度は必ずしもリアルタイムの出血度を反映するとは限らないことに注意は必要であり,この場合は総合判断で輸血を行わなければならない.しかしながら,内科や周術期ではルーティンでHbが比較的高い段階から輸血を開始するのは避けるべきであろう.今回の予備試験のデータから,より大規模のRCTを組めば統計学的有意差がつくであろうことは容易に想像できる.

■ICUで治療される重症患者は,輸液による血液希釈,出血,赤血球寿命や産生能低下,溶血,エリスロポエチン産生低下・作用阻害[1],活性化マクロファージによる赤血球貪食,TNF-αによる赤芽球アポトーシス[2],鉄代謝異常,栄養障害などの理由,頻回採血[3-7]により貧血となる頻度が高く,輸血が必要となりやすい[8].Fickの原理から,全身の酸素消費量(VO2)は一回心拍出量(CO),ヘモグロビン濃度(Hb),動脈血酸素飽和度(SaO2),静脈血酸素飽和度(SvO2)で規定され,その関係は以下の式で表される.
 VO2 = CO × 1.34 × Hb × (SaO2-SvO2)
よって,酸素需給バランスの破綻に伴う臓器障害を防ぐならば赤血球輸血を行ってHb濃度を高めて酸素供給量を増加させるとする考えは理論的には正しい.しかし,実際には輸血を行っても酸素消費量は増大しないことが敗血症患者における複数の研究[9-11]で示されており,酸素供給を上げる目的での輸血には意味がないことが分かっている.

■1990年代までICU患者においては赤血球輸血の開始基準はHb<10 g/dLまたはHt<30%とされてきた.実際に,心筋梗塞患者を中心として,貧血の重症度と死亡率に相関関係があることは多数報告されている.Wuらは,65歳以上の心筋梗塞患者78794例の後ろ向き研究で,入院時のヘマトクリット値(Ht)が低いほど30日死亡率が高く,入院時のHt<30%では輸血施行群で30日死亡率が低下したと報告している[12].ところが,その後のRaoらの24112例の研究では,輸血患者群で死亡率が高く,最低Ht値が25%以上では輸血患者群で30日死亡率が高いと報告された[13].他にも,輸血を行っても必ずしも予後が改善しないとの報告がでていた[14,15]

■Hébertらは輸血制限群(開始基準Hb<7 g/dL,7-9 g/dLを目標)と非制限群(開始基準Hb<10 g/dL,10-12 g/dLを目標)を比較した多施設共同838例RCT(TRICC study[16]を行い,院内死亡率が制限群で有意に低い(22.2% vs 28.1%, p<0.05)しており,55歳以下の患者とAPACHEⅡスコア20点以下の患者では30日後の死亡率も有意に低いという結果であった(p=0.02).この1999年に発表された研究を皮切りに,輸血開始基準のHb濃度をより低くすることで予後が改善するのではないかという推測のもと,様々な研究が開始され,内科,外科,術後等で同様の結果が多数報告され,輸血開始基準となるHb濃度はぐっと下げられることになる.

■これまでの知見から,現在の推奨としては,急性経過での貧血では赤血球輸血開始基準はHb<7.0 g/dLとすべきで,Hb>7.0 g/dLでの投与は控えるべきであり,また,赤血球輸血でHb>9.0まで回復過剰な補正は避けるべきである.各病院には輸血管理委員会が存在するが,このようなHb値に基づいた開始基準を設定して輸血適正使用を行っている病院はまだ少ない.今後はこれらの適正使用の基準も推奨していく必要があるだろう.Gutscheらは,心臓手術における輸血ガイドラインの作成,教育,コンプライアンスの監査/フィードバックを利用した臨床ガイドラインの実施により,不必要な輸血が14.7%から8.1%まで有意に減少したと報告している(p=0.016)[17].また,米国17施設において冠動脈バイパス手術を行った14259例について,赤血球輸血を減らすガイドライン導入前後で比較を行い,術中,術後の輸血が減少し,肺炎,長期の人工呼吸,腎傷害,医療コストが有意に減少し,死亡リスクも43%減少したと報告している[18]

2.赤血球輸血の有害事象とその機序
■輸血製剤の副作用を聞くと,アレルギー反応,TRALI(輸血関連急性肺傷害),TACO(輸血関連循環過剰負荷),製剤汚染による感染症を想定する医師は多いが,重症患者においてはその他の機序による予後悪化や合併症も非常に多いことは知っておかなければならない.

■動脈血酸素分圧が低い組織においては赤血球に蓄えられたNOが放出されることで血管拡張を起こす.ところが,保存赤血球ではNOが枯渇しているため,輸血の結果,体内のNOが希釈されてしまい,血管攣縮を引き起こす.くも膜下出血では術後輸血が脳動脈攣縮を引き起こすことが知られており[19],このNO希釈が原因の1つと考えられている[20,21].くも膜下出血以外でもこの機序が臓器血管拡張障害による虚血を引き起こす可能性が想定される.

■赤血球内の2,3-DPG(diphosphoglycerate)が採血から48時間で減少し始め,酸素飽和曲線の左方移動により組織への酸素供給が障害されてしまう[22].また,貯蔵鉄中の炎症性サイトカインが炎症反応を惹起する[22]

■外傷,虚血による赤血球の損傷で遊離したヘムが細胞膜蛋白のSlo1 BK(large conductance calcium-dependent)チャネル機能を障害して血管壁の弛緩を阻害する[23]

■貯蔵赤血球は形態変化を引き起こし,微小循環を通過しにくくなり,多臓器障害の原因となりうる[24]

■貯蔵された赤血球はFe2+を含有するため,酸化ストレスによる細胞障害を引き起こす[25]

■貯蔵赤血球は血管内皮に粘着し,血流や酸素供給に影響を及ぼす[26].輸血によって受血患者の免疫能がdown-regulationをきたすTRIM(transfusion-related immunomodulation)が起こり,これが周術期や重症患者における感染症を増加させる可能性がある[27](機序は不明[28]).

■人工呼吸器患者124例のコホート研究二次解析では,人工呼吸器患者での赤血球輸血は,疾患重症度と臓器機能不全で調整後,筋力低下と有意に関連していたと報告されており(ICUAWとは関連性はなかった)[29],輸血がPICS(Post-Intensive Care Syndrome)の原因となりうることも示唆されている.

3.近年の赤血球輸血開始基準と予後に関する報告
■赤血球輸血開始基準としてのHb濃度高値群と低値群を比較したRCT19報6264例のコクランレビューによるメタ解析[30]では,低値群の方が輸血必要度が39%減少し,院内死亡リスクも有意に減少するが(RR 0.77, 95% CI 0.62-0.95),30日死亡リスクは有意差がなかった(RR 0.85, 95% CI 0.70 to 1.03).

■Chatterjeeらは,心筋梗塞に対する赤血球輸血の影響を検討した観察研究10報のメタ解析[31]を行い,赤血球輸血により全死亡リスクは2.91倍,その後の心筋梗塞再発リスクは2.04倍と報告している.

■Villanuevaらは,重症急性上部消化管出血患者921例において,赤血球輸血開始基準をHb<7.0 g/dLとする制限群とHb<9.0 g/dLとする非制限群で比較したRCTを行っている[32].輸血非投与率は51% vs 15%(p<0.001)で,制限群が有意に輸血を受けた患者が少なく,6週後生存率は制限群が有意に高かった(95% vs 91%, HR 0.55, 95%CI 0.33-0.92, p=0.02).再出血率は制限群で有意に少なく(40% vs 48%, p=0.02),サブ解析でも,肝硬変Child-Pugh class A,Bでは制限群で生存率が有意に高く(HR 0.30, 95%CI 0.11-0.85),消化性潰瘍出血でも統計学的に有意ではないが,生存率は高い傾向がみられた(HR 0.70, 95%CI 0.26-1.25).

■Leal-Novalらは428例の後ろ向きペアマッチングコホート研究[33]を行い,非出血性の中等度貧血(Hb 7.0-9.5 g/dL)がある重症患者で赤血球輸血群は非輸血群より院内死亡率(21% vs 13%),ICU再入室率(7.4% vs 1.9%),院内感染症(12.9% vs 6.7%)が有意に高く,中等度貧血に対する赤血球輸血は予後を改善しないと報告している.

■Liuらは,肝細胞癌の周術期の輸血が予後に与える影響を検討した22報5635例のメタ解析[34]を行い,輸血により3年死亡リスクは1.92倍,5年死亡リスクは1.60倍であり,癌再発リスク,術後合併症リスクも有意に増加すると報告している.

■Blumらは,一般外科手術患者50367例のコホート研究[35]を行い,術中の赤血球輸血が術後ARDS発症リスクを5.36倍有意に増加させたと報告している.

■Horvathらは,心臓外科手術患者5158例での術後の輸血と60日以内の感染症の発生との関連の調査を行い[36],赤血球輸血は1単位あたり感染の発生リスクが29%増加し,多変量解析でも,赤血球輸血が感染の増加と関連していたと報告している.Turanらの非心臓手術5143例の後ろ向きコホート研究[37]でも,大量輸血が呼吸器系や感染性合併症および死亡の相当なリスクと関連していることが報告されている.

■Kumarらは,クモ膜下出血205例の後ろ向き解析[38]を行い,赤血球輸血は血栓リスクを2.4倍,深部静脈血栓症リスクを5.0倍有意に増加させており,血栓形成リスクは輸血1単位につき55%増加したと報告している.

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by DrMagicianEARL | 2013-10-09 18:56 | 文献 | Comments(0)
■ARDSにおいて,エビデンスによる推奨レベルが高い有効な治療薬はいまだに存在しない中,腹臥位療法がPROSEVA studyによってNNT 6という驚異的治療成績を残したことは記憶に新しいですが,今回,ECMOにも反応しない難治例においてPROSEVA studyを上回るNNT 1.69という治療法が報告されました.症例数の少ない後ろ向き観察研究のためエビデンスレベルは非常に低いですが,今後前向きRCTで研究されるべき治療法と思われます.

多臓器不全を呈したARDSにおけるステロイド胸腔内投与
Huang PM, Lin TH, Tsai PR, et al. Intrapleural Steroid Instillation for Multiple Organ Failure with Acute Respiratory Distress Syndrome. Shock. 2013 Oct 1. [Epub ahead of print]
PMID:24088995

Abstract
【目 的】
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は多臓器障害(MODS)患者の死亡率を増加させる.本研究では,標準的な体外式膜型人工肺(ECMO)に反応しないARDSおよびMODSの患者に対する胸腔内ステロイド投与(IPSI)の有用性を評価した.

【方 法】
本研究では2005年から2009年にECMOを施行された患者467例のうち92例がARDSであり,これらの重症ARDSとMODSの患者92例のうち30例の成人患者を後ろ向きに解析した.治療に反応せず状態が悪化した30例のうち9例はIPSIを施行された.全患者は,高用量のカテコラミンを必要とする循環動態不安定性と人工呼吸での100%酸素投与とECMO使用の基準を満たしていた.

【結 果】
ARDS診断時の予後予測スコアは,標準治療群21例とIPSI群9例で差異はみられなかった.血液酸素化,1回換気量,胸部X線所見の変化,生存率が解析された.一次評価項目は退院までの生存とした.3日後の胸部X線所見はIPSI群で有意に改善し(p=0.008),5日後のPaO2/FiO2比もIPSI群で有意に増加した(p=0.028).さらに,28日死亡率(p=0.017),60日死亡率(p=0.003),生存率(78% vs 19%, p=0.003)は有意にIPSI群で改善していた.

【結 論】
IPSIは,MODSを合併した重症ARDS患者,特に標準治療に反応しない患者において,簡便に施行でき,高い有効性が認められた.
■計算してみるとオッズ比0.07,95%信頼区間0.01-0.45であり,死亡リスクを93%有意に減少させていることになる.ARDSに対するステロイド全身投与は2報のメタ解析結果で推奨にはなっているがエビデンスレベルが低いことや,死亡率が悪化した報告もあることから,推奨度は高くない.ステロイド胸腔内注入は関節リウマチや悪性腫瘍などにおいて臨床研究されているが,ARDSでは今回が初めてであり,今後のさらなる研究が待たれる.
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by DrMagicianEARL | 2013-10-04 19:23 | 敗血症性ARDS | Comments(0)

by DrMagicianEARL