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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

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第42回日本救急医学会から帰ってきたらこんな論文がでていました.牛乳摂取量が増えると死亡リスクが増加する上に骨折を減らさない(むしろ増加させる傾向)という結果で,これまでの牛乳神話に影響を与えそうです.興味深いのはバイオマーカーで見ると牛乳摂取量と酸化ストレス・炎症が正の相関を示していること.おそらく摂取量が増えると牛乳のメリットを消してしまうほど有害になってしまうのでしょう.サプリメントでもそういう論文が最近よくでていますね(たとえばビタミンCは抗酸化作用を有するが,サプリメントで摂取すると過量となるためむしろ酸化作用が働いてしまうため逆効果となる).食品産業やサプリメント産業は薬剤に比して安全性等はゆるい上に欧米では信奉者も多く,なかなか受け入れられないでしょうね(スポンサーの問題もあるためマスコミはあまり報道しないでしょう).でも死亡リスクがここまで増加となると無視はできない論文です.
女性および男性における牛乳摂取と死亡・骨折のリスク:コホート研究
Michaëlsson K, Wolk A, Langenskiöld S, et al. Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies. BMJ 2014; 349: g6015

Abstract
【目 的】
牛乳摂取量が多いことは女性および男性において死亡や骨折と関連しているかについて検討する.

【方 法】
本研究デザインはコホート研究で,スウェーデン3地域で行った.患者は,食物頻度アンケートを導入した2つの大規模スウェーデン人コホート集団であり,1つは61433例の女性(1987-90年をベースラインとした39-74歳),もう1つは45339例の男性(1997年をベースラインとした45-79歳)である.主要評価項目は牛乳摂取と死亡や骨折までの期間の関連性を適応した多変量生存モデルとした.

【結 果】
平均追跡期間20.1年の間に,女性の15541例が死亡し,17252例が骨折し,そのうち4259例は股関節の骨折であった.男性コホートでは平均追跡期間11.2年で,10112例が死亡し,5066例が骨折し,そのうち1166例が股関節の骨折であった.女性において,牛乳摂取量が1日あたり1杯未満の場合に比して,1日あたり3杯以上の調整された死亡危険率は1.93倍(95%CI 1.80-2.06).牛乳摂取量が1杯増えるごとに,調整された全死亡危険率は女性で1.15(1.13-1.17),男性で1.03(1.01-1.04)であった.女性において,牛乳摂取量が1杯ずつ増えても,全骨折(1.02; 1.00-1.04)あるいは股関節骨折(1.09; 1.05-1.13)といった骨折リスクに減少は見られなかった.同様に男性において調整された危険率は1.01(0.99-1.03)と1.03(0.99-1.07)であった.2つのコホートのサブサンプルでは,両性別における尿中8-iso-PGF2α(酸化ストレスのバイオマーカー),男性における血清インターロイキン6(主要な炎症性バイオマーカー)と牛乳摂取量の間に正の相関が認められた.

【結 論】
牛乳摂取量が多いことは,女性コホート,男性コホートにおいてより高い死亡と関連していた.

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by DrMagicianEARL | 2014-10-30 19:46 | 文献 | Comments(1)
■Wakefieldの捏造論文(1998年Lancetに掲載,2010年にまったく虚偽のものとして撤回)に始まるMMRワクチンと自閉症の関連性についてはその後のすべての研究で否定され,2014年5月にはTaylorらが関連性はないとするメタ解析を報告[1]され,論争に終止符が打たれた状態であった.
→メタ解析,Wakefieldについての詳細はこちらを参照
http://drmagician.exblog.jp/22025386/

■しかし,2014年8月27日,Natural Newsがあるニュースを報じた.そのニュースは米国疾病対策予防センター(CDC)の研究員であるWilliam Thompsonが,CDCが行った研究でMMRワクチンと自閉症の関連性が示唆されたアフリカ系小児のデータを隠蔽していたことを暴露したというものである.当ブログにもどなたかがその旨をコメント欄に記載している.しかし,このニュースには非常に奇妙な点が多い上に,この隠蔽されていたとされるデータの解析を行った論文に不正が見つかり,10月3日に撤回となっており,騒動に終止符が打たれるという,最終的に反ワクチン主義者の方々によるデマにも近い茶番劇に終わった.どうやら第二のWakefieldの存在が今回の騒動を引き起こしたようである.

■CDCのWilliam Thompsonらによる研究[1]は2004年のPediatricsに掲載されたものである.米国アトランタの自閉症を有する小児群624例と,マッチさせた自閉症を有さない対照群1824例を比較した症例対照研究であり,ワクチン接種と自閉症に関連性がみられなかったことを報告している.

■そして2014年8月,この研究データの再解析をBrian Hookerが行い,アフリカ系小児においてMMRワクチン接種者の自閉症発生率が高いという研究結果がTranslational Neurodegener誌に掲載された[3].この研究結果の具体的デザインや解析法は知らされず結論のみをBrian Hookerから電話で聞かされたWilliam Thompsonが「アフリカ系男児で自閉症が高まるデータがでた」との声明をだしたことから騒動が拡大した.反ワクチングループによる自閉症メディアチャンネルからは,Thompsonらの研究をあのタスキーギ梅毒実験に例えるという批判をした(Thompsonらの研究は集団データを入手して解析した研究であり,介入実験はしていない).

■しかし,このBrian Hookerの論文には不可解な点が多い.William Thompsonらの研究データは症例対照研究である.しかしながら,Brian Hookerはこのデータをコホート研究として解析する研究デザインであり,この時点ですでに彼の研究は成り立たっていない.症例対照研究は疾病に罹患した集団を対象に,曝露要因を観察調査し,次に,その対照として罹患していない集団についても同様に,特定の要因への曝露状況を調査し,そして以上の2集団を比較することで、要因と疾病の関連を評価する.コホート研究は特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し,研究対象となる疾病の発生率を比較することで要因と疾病発生の関連を調査する.これを混同すれば誤った結論を導くことになる.

■また,彼は様々な検定法を用いての事後解析により自閉症と関連性が得られた解析法のみを提示した.有意水準が5%という設定下では理論上,20種類の検定を試行すると1回偶然で有意差が生じうるため,自分にとって都合のいいデータを得る上でこのような手段がとられることがあり,事前に方法が示されていない研究や後ろ向き研究の信頼度が落ちる要因はここにある.加えて,これはサブグループ解析であり,信頼度はさらに落ちる.実際,極めて細かく分類したがために,サブグループのサンプル数は10例未満であり,これではとても正確な解析はできない.また,仮にこれらの研究デザインや統計処理の不正を抜きにしてデータを見ると,ほとんどのワクチン接種者において自閉症発生リスクは増加せずむしろ安全ということになる.

■ではなぜこのような研究デザインと統計処理の論文がアクセプトされたのか?結果が事実なら非常に世界に影響を与える内容であり,それこそNew England Journal of MedicineやLancetに投稿すればアクセプトされる可能性があり,実際にわずか十数例の観察研究でワクチンと自閉症の関連性を(捏造であったが)示したWakefieldの論文Lancet誌に掲載されたことがそれを証明している.ところかBrian Hookerが投稿したのはTranslational Neurodegenerという非常にマイナーでインパクトファクターも極めて低い医学誌である.さらに,普段はBrian Hookerの論文ではGeier親子(自閉症治療に科学的去勢が有効だと主張している人達)等が共著者に並んでいるにもかかわらず,今回は単独執筆である.

■Translational Neurodegener誌は10月3日になってこのBrian Hookerの論文に不正あり(方法や統計解析手法,利益相反の問題)として最終的に論文撤回させるに至り[4],騒動は終結した.しかし掲載まで至ってしまったのは,エディターがBrian Hookerと利害関係がありうる査読者に査読を依頼してしまったことが大きいと指摘されている(Geier親子などの普段共著している研究者だったのであろうか?).

■誤解されているが,CDCは決してThompsonらの研究データを隠蔽しておらず,オープンにしている.だからこそBrian Hookerも生データを入手して解析しているのである.実際にCDCはこの騒動中も,「我々の保有するデータを解析する人がいるなら歓迎する」としている.目的をあらかじめ明確にして研究が行われる.その際の研究デザインとして人種差の解析をすることが事前設定されていなければ解析は行われない.何より多くのアウトカムを評価しようとすればそれだけ偶然の結果が生じるリスクが高まってしまう.そういう別のアウトカムの評価を行うならば,改めて別の研究として二次解析を行えばよい.だからこそCDCは生データをオープンにしている.

■今回の騒動を引き起こした米国シンプソン大学生物学教授のBrian Hookerは,自分の子供が自閉症であり,その原因はワクチンにあると信じており,反ワクチン主義者の中で絶大な人気を誇っている.ワクチンと自閉症を関連付けるために彼もまたWakefieldと同じ過ちを犯してしまったようである.

■厄介なことに,一度このような不正論文が査読をすり抜けて出版されてしまうと,後で撤回されても反ワクチン主義者によって尾ひれ背ひれがついた上で拡散されていく.今後もこのようなことが起こるのであろうか?

[1] Taylor LE, Swerdfeger AL, Eslick GD. Vaccines are not associated with autism: an evidence-based meta-analysis of case-control and cohort studies. Vaccine 2014; 32: 3623-9
[2] DeStefano F, Bhasin TK, Thompson WW, et al. Age at first measles-mumps-rubella vaccination in children with autism and school-matched control subjects: a population-based study in metropolitan atlanta. Pediatrics 2004; 113: 259-66
[3] Hooker BS. Measles-mumps-rubella vaccination timing and autism among young African American boys: a reanalysis of CDC data. Transl Neurodegener 2014; 3: 16
[4] Retraction: Measles-mumps-rubella vaccination timing and autism among young African American boys: a reanalysis of CDC data. Transl Neurodegener 2014; 3: 22
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by DrMagicianEARL | 2014-10-11 19:03 | 感染対策 | Comments(0)
■敗血症といえば菌・・・だけでなく真菌,ウイルス,寄生虫でも起こります.今話題のエボラ出血熱もウイルスによる敗血症です.菌による敗血症に対しては抗菌薬がありますが,対ウイルスには我々はごくわずかの武器しか持ち合わせておらず,治療薬がないウイルス感染症は多数存在します.

■セリンプロテアーゼ阻害薬であり,主に播種性血管内凝固(DIC;Disseminated Intravascular Coagulation)の治療に用いられるアンチトロンビン製剤(AT)が広域スペクトラムの抗RNAウイルス効果があることが近年多数報告されています.効果がみられたウイルスは単純ヘルペスウイルス,C型肝炎ウイルス,HIVに加え,近年インフルエンザウイルスでも有効であることが報告されました.一部の専門家によれば,その効果はリバビリンに匹敵するのではないかとも推測されています(インフルエンザウイルスH1N1では100倍以上の効果があるとする結果).保険適応はなく,ヒトでの臨床研究もまだありませんが,重症RNAウイルス感染症における将来的治療オプションとしての可能性を記憶しておいてもいいかもしれません(あるいは重症ウイルス感染症によるDICでAT IIIを使用するなど).さまざまなウイルスに対する論文を集めてみました(理論上,エボラウイルスやデングウイルスにも効きそうなんですが,残念ながらこれらのウイルスでの研究はありませんでした).全文フリーで読めるものも多いです.
セリンプロテアーゼ阻害薬アンチトロンビンIIIによるインフルエンザウイルスH1N1阻害
Smee DF, Hurst BL, Day CW, et al. Influenza Virus H1N1 inhibition by serine protease inhibitor (serpin) antithrombin III. Int Trends Immun 2014; 2: 83-6
PMID:24883334
Free Full Text

Abstract
内因性セリンプロテアーゼ阻害因子(Serpins)は複数の生物学的機能を伴う抗炎症メディエーターである.Serpinsはマンノース結合蛋白レクチン,可溶性CD14,ディフェンシン,抗微生物ペプチドを含む,ウイルス感染に対する早期の先天的免疫反応の一部でもある.近年,SerpinのアンチトロンビンIII(AT III)はHIV,単純ヘルペスウイルス,C型肝炎ウイルスに対する広域抗ウイルス活性が示されている.我々はAT IIIの抗ウイルス活性によるさまざまなインフルエンザウイルス株への活性効果を検討した.本研究において,インフルエンザウイルスA/H1N1に対するin vitroの強い阻害作用が観察された.また,我々はAT IIIの活性の強さがリバビリンの100倍以上であることも示した.また,その阻害効果は,H1N1>H3N2>H5N1>>Bの順に減弱しており,ウイルスのヘマグルチニン依存性であることが分かった.この生体分子のより有効な輸送方法が必要であるため,in vivoでの効果を示すには至らなかった.AT IIIがインフルエンザウイルスを阻害するのかの解明は新たな治療介入の道を示す可能性がある.
セリンプロテアーゼ阻害薬アンチトロンビンIIIの抗単純ヘルペスウイルス活性(マウスモデルのin vivo研究)
Quenelle DC, Hartman TL, Buckheit RW, et al. Anti-HSV activity of serpin antithrombin III. Int Trends Immun 2014; 2: 87-92
PMID: 25215309
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HIV-1複製を阻害するプロスタグランジンシンセターゼ-2の抗ウイルス活性を誘導するセリンプロテアーゼ阻害薬(in vitro研究)
Whitney JB, Asmal M, Geiben-Lynn R. Serpin induced antiviral activity of prostaglandin synthetase-2 against HIV-1 replication. PLoS One 2011; 6: e18589
PMID:21533265
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HIV-1 CD8陽性T細胞抗ウイルス因子としてのウシアンチトロンビンIIIの修飾形の浄化作用(in vitro研究)
Geiben-Lynn R, Brown N, Walker BD, et al. Purification of a modified form of bovine antithrombin III as an HIV-1 CD8+ T-cell antiviral factor. J Biol Chem 2002; 277: 42352-7
PMID:12192009
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リンパ球を標的とするイムノリポソームにおけるヘパリン活性化セリンプロテアーゼ阻害薬アンチトロンビンIIIのin vitroでの抗HIV活性
Asmal M, Whitney JB, Luedemann C, et al. In Vivo Anti-HIV Activity of the Heparin-Activated Serine Protease Inhibitor Antithrombin III Encapsulated in Lymph-Targeting Immunoliposomes. PLoS One 2012; 7: e48234
PMID:23133620
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セリンプロテアーゼ阻害薬アンチトロンビンIIIによるC型肝炎ウイルスの阻害
Asmal M, Seaman M, Lin W, Chung RT, Letvin NL, Geiben-Lynn R. Inhibition of HCV by the serpin antithrombin III. Virol J 2012; 9: 226
PMID:23031791
Free Full Text
ヒトアンチトロンビンIIIの抗ウイルス活性
Elmaleh DR, Brown NV, Geiben-Lynn R. Anti-viral activity of human antithrombin III. Int J Mol Med 2005; 16: 191–200
PMID:16012749

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by DrMagicianEARL | 2014-10-08 19:12 | 感染症 | Comments(0)
■ESICM weekの集中治療関連文献アップ第3弾は輸血です.これまで多くのRCTで赤血球輸血の開始基準はヘモグロビン値<7.0g/dLがスタンダードとされており,敗血症性ショックに限定してもその結果は同じでした.
敗血症性ショックにおける輸血におけるヘモグロビン基準の低値vs高値(TRISS trial)
Holst LB, Haase N, Wetterslev J, et al; the TRISS Trial Group and the Scandinavian Critical Care Trials Group. Lower versus Higher Hemoglobin Threshold for Transfusion in Septic Shock.N Engl J Med. 2014 Oct 1. [Epub ahead of print]
PMID:25270275

Abstract
【背 景】
輸血は敗血症性ショックの患者においてよく施行されている.しかし,輸血開始のヘモグロビン濃度の違いによって有益性と有害性があることが報告されている.

【方 法】
本多施設並行群間試験において,集中治療室(ICU)に入室した敗血症性ショックでヘモグロビン濃度が9g/dL以下の患者を,ICU在室中に白血球除去赤血球輸血1単位投与をヘモグロビン濃度7g/dL以下(低値開始群)で施行する群と9g/dL以下(高値開始群)で施行する群に無作為に割り付けた.主要評価項目は無作為化から90日時点での死亡とした.

【結 果】
無作為化された患者10005例のうち998例を解析した(99.3%).2つの介入群の背景因子は同等であった.ICUにおいて,低値開始群は中央値で1単位(四分位範囲 0-3),高値開始群は中央値で4単位(四分位範囲 2-7)の輸血を受けた.無作為化から90日後の時点で,高値開始群が496例中223例(45.0%)死亡したのに対して,低値開始群は502例中216例(43.0%)が死亡した(RR 0.94; 95%CI 0.78-1.09; p=0.44).背景危険因子で調整した解析やper-protocol集団の解析でも同様の結果であった.虚血事象を呈した患者,重篤な有害反応を呈した患者,生命維持装置を要した患者の数は両群間で同等であった.

【結 論】
敗血症性ショックの患者において,90日死亡率,虚血性事象発生率,生命維持装置使用率は高いヘモグロビン濃度で輸血を開始した患者群と低いヘモグロビン濃度で輸血を開始した患者群とで同等であり,後者の方が輸血が少なかった.

※重症患者(大量出血を有する外傷患者を除く)における輸血開始基準に関しては,ICU&CCU誌の2014年11月号,Intensivist誌の2015年4月号に稚拙ながら私がレビューを執筆,掲載予定ですので,今後publishされた際に参考となれば幸甚です.


1.重症患者に対する赤血球輸血基準としてHb<7.0 g/dLが推奨されるまでの経緯

■内科,周術期などのさまざまな重症疾患において,ヘモグロビン(Hb)の輸血開始基準が低い方が予後がよく合併症が少ないとする報告が近年多数でてきている.「急性貧血ではHb<7.0 g/dLで輸血を開始し,7.0-9.0 g/dLを保つ」という内容は医師国家試験でも出題されており,year noteにも掲載されているにもかかわらず,医療現場では依然としてHb>7 g/dLでも赤血球輸血を施行する医師は多く,Hbが10を切った時点で輸血を行う医師も多数いる.

■ICUで治療される重症患者は,輸液による血液希釈,出血,赤血球寿命や産生能低下,溶血,エリスロポエチン産生低下・作用阻害[1],活性化マクロファージによる赤血球貪食,TNF-αによる赤芽球アポトーシス[2],鉄代謝異常,栄養障害などの理由,頻回採血[3-7]により貧血となる頻度が高く,輸血が必要となりやすい[8].Fickの原理から,全身の酸素消費量(VO2)は一回心拍出量(CO),ヘモグロビン濃度(Hb),動脈血酸素飽和度(SaO2),静脈血酸素飽和度(SvO2)で規定され,その関係は以下の式で表される.
 VO2 = CO × 1.34 × Hb × (SaO2-SvO2)
よって,酸素需給バランスの破綻に伴う臓器障害を防ぐならば赤血球輸血を行ってHb濃度を高めて酸素供給量を増加させるとする考えは“理論的には”正しい.

■1990年代までICU患者においては赤血球輸血の開始基準はHb<10 g/dLまたはHt<30%とされてきた.ところが,Raoらの24112例の研究では,輸血患者群で死亡率が高く,最低Ht値が25%以上では輸血患者群で30日死亡率が高いと報告された[9].他にも,輸血を行っても必ずしも予後が改善しないとの報告が複数でていた[10,11]

■輸血開始基準はHébertら[12]が行ったTRICC(Transfusion Requirements in Critical Care) studyが1999年に報告され,輸血開始基準は大きな転機をむかえることになった.TRICC studyは輸血制限群(開始基準Hb<7 g/dL,管理域7-9 g/dL)と非制限群(開始基準Hb<10 g/dL,管理域10-12 g/dL)を比較した多施設共同838例無作為化比較試験であり,30日および60日死亡率に有意差はつかなかったものの,院内死亡率が制限群で有意に低く(22.2% vs 28.1%, p<0.05),55歳以下の患者とAPACHEⅡスコア20点以下の患者では30日後の死亡率も有意に低いという結果であった(p=0.02).このTRICC studyを皮切りに,輸血開始基準のHb濃度をより低くすることで予後が改善するのではないかという推測のもと,内科,外科,術後等で同様の結果が多数報告され,輸血開始基準となるHb濃度は大きく下げられることになった.

■Carsonら[13]は,赤血球輸血制限群(Hb 7-9(-10) g/dL以上を維持)と非制限群(Hb 9-12 g/dLを維持)を比較したRCT19報6,264例のメタ解析を2012年に報告しており,制限群の方が輸血必要度が39%減少し,院内死亡リスクも有意に減少する(RR 0.77, 95% CI 0.62-0.95)と報告している.ただし,30日死亡リスクは有意差はみられなかった(RR 0.85, 95% CI 0.70-1.03).なお,このメタ解析に登録されたRCTを個別に見ていっても,非制限群の方が優位であった研究は1つもない.

■さらに,2014年にはRohdeら[14]が,輸血制限群と非制限群を比較したRCT21報8,735例のメタ解析を報告しており,重篤な感染症発生率は11.8% v.s. 16.9%(RR 0.82, 95%CI 0.72-0.95)で制限群が有意に低く,好中球減少患者に限定しても同様の傾向であった(RR 0.80, 95%CI 0.67-0.95).また,TRICC studyと同様に制限群の輸血開始基準をHb<7 g/dLとした研究に限定しても,重篤な感染症発生リスクは有意に減少した(RR 0.80, 95%CI 0.70-0.97).

■このような流れから,成人の外傷および集中治療における赤血球輸血の臨床ガイドライン[15],米国血液バンク協会の赤血球輸血に関する臨床ガイドライン[16],Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2012[17]において急性期の患者におけるRBC輸血開始基準は制限すべきであると推奨されている.2014年1月に開催されたCritical Care Congressにおいては,4学会合同の声明「ICUでやってはいけない5つの約束」の1つとして,「血行動態が安定し,出血のない,ヘモグロビン濃度が7 g/dLより高いICU患者に赤血球輸血は行わない」を掲げている.ただし,ガイドラインではHb濃度だけでなく貧血症状の有無も加味して判断すべきであるとしており,患者背景を吟味して赤血球輸血を行うべきであろう.

2.心血管リスクを有する場合の輸血開始基準

■心血管リスクを有する患者においては輸血開始基準はやや高めとなるかもしれない.大規模RCTとしては,心臓手術患者502例において開始基準をヘマトクリット値≧30%を維持する群と≧24%を維持する群を比較したTRACS trial[18],心血管リスクを有する股関節手術患者2016例において開始基準をHb≦10g/dLとする群と8g/dLとする群を比較したFOCUS trial[19]があり,いずれも合併症,死亡率に有意差はないが,制限群が7g/dLではなく8g/dLとなっており,エビデンス上,心血管リスク患者においては8g/dLを基準とするのが妥当かもしれない.

■上述のTRICC studyでは43%の症例に心血管疾患を認め,その有無でのサブグループ解析で死亡率に有意差は認められなかったが,制限群の虚血性心疾患を有する患者層で死亡率が上昇傾向を示している[16].虚血性心疾患を対象としたRCTは2報ある.Cooperら[20]は,ヘマトクリット値が30%以下の急性心筋梗塞患者45例を対象として,輸血の非制限群(ヘマトクリット<30%で開始,30-33%を維持)と制限群(ヘマトクリット<24%で開始,24-27%を維持)を比較した多施設共同pilot RCTを行い,院内死亡,心筋梗塞再発,うっ血性心不全の複合アウトカムは非制限群の方が有意に多かった.一方,Carsonら[21]は,急性冠症候群またはカテーテル検査を受ける安定狭心症患者でHb<10 g/dLの患者110例を対象として,非制限群(Hb 10g/dL以上を目標に1-2単位投与)と制限群(Hb<8 g/dLで開始)とを比較したpilot RCTを行っている.この研究では30日死亡,心筋梗塞,予定外の血行再建の複合アウトカムが,非制限群の方が少ない傾向がみられた.

■この2つのRCTが異なる結果となったのは,Cooperらの研究ではうっ血性心不全が増加したことが関連していると思われる.いずれもサンプル数の少ないpilot RCTであり,今後の大規模RCTが待たれる.Walshら[22]のスコットランドでの調査ではICU患者の29%が虚血性心疾患を合併していると報告しており,個々の患者において,虚血性心疾患合併有無も考慮した上でRBC輸血を検討する必要があると思われる.

3.敗血症での輸血

■敗血症においては,輸血を行っても酸素消費量は増大しないことが複数の研究[23-25]で示されており,酸素供給を上げる目的での輸血には意味がないと指摘されていた.また,2014年にEGDTプロトコルと通常治療を評価した大規模RCTであるProCESS study[26]とARISE study[27]が報告されたが,いずれの研究においても両群間の死亡率に有意差はなく,輸液量,赤血球輸血量はEGDTプロトコル群の方が多かった.これらのことから,敗血症性ショックではさらなる輸血必要量減少をはかることができるのかもしれない(輸液量が多かったことによる希釈も関連していると思われる).

■RCTではないが,Parkら[28]は22のICUにおいて市中感染の重症敗血症または敗血症性ショック患者1054例の前向き観察データベースを基にPropensity matching score解析を行い,輸血が死亡率改善と関連していることを示したが,輸血前のヘモグロビン濃度は平均7.7g/dLであり,近年推奨されている制限輸血基準に近い.すなわち,輸血を制限するにしてもヘモグロビン濃度が7g/dLを下回るような重度の貧血では輸血をした方がよいと考えることもできる.

■そして今回のTRISS trialであるが,輸血開始基準となるヘモグロビン濃度が≦7g/dLでも≦9g/dLでも死亡率,有害事象に差はなく,輸血量は≦7g/dLの方が有意に少ないという結果であった.コストや評価されていない有害事象を考慮すれば≦7g/dLが敗血症性ショックにおいても推奨されることになる.ただし,サブ解析では,慢性心血管疾患を背景にもつ患者では死亡率は低値開始群で42/75(56%),高値開始群で33/66(50%)であり,統計学的有意差はないものの低値開始群の方が高い傾向がみられている(RR 1.08; 95%CI 0.75-1.40; p=0.06).過去の知見を踏まえれば心血管リスクを背景に有する患者では≦8g/dLを検討すべきかもしれない.

4.赤血球輸血の有害事象

■輸血開始基準は,輸血投与の有益性と有害性のいずれが勝るかで検討されてきた.輸血による有害事象は多岐にわたる.過去の輸血のエビデンスの吟味については,赤血球輸血製剤そのものも変化していることを考慮しなければならない.Vincentらは,ICU患者の大規模観察研究を2002年[29]と2008年[30]に報告しているが,2002年の報告では赤血球輸血が死亡率を悪化させ,2008年の報告では改善させていた.この2つの研究結果の違いとして,ウイルス感染が少なくなったこと,白血球除去製剤が普及したことが挙げられている.また,輸血を行う全患者に対して放射線照射血を用いることが求められているのは現時点では日本のみであることも考慮しておく必要がある.

■現在,種々のスクリーニング検査の導入と精度向上,赤血球保存期間の短縮,放射線照射を含む白血球除去等で合併症は減少傾向にあり,とりわけFNHTRやPT-GVHDが大きく減少したことは本邦で積極的に行っている放射線照射による白血球除去製剤の使用が大きい(海外で行われている輸血用白血球除去フィルターではPT-GVHDは防止できない).赤血球輸血による有害事象を以下に示す.
・血液製剤汚染による感染症
・急性/慢性溶血性反応
・発熱性非溶血性輸血副作用(FNHTR: febrile non-hemolytic transfusion reaction)
・アレルギー反応・アナフィラキシーショック
・輸血後移植片宿主病(PT-GVHD: post-transfusion graft-versus-host disease)
・輸血関連急性肺傷害(TRALI: transfusion-related acute lung injury)
※近年,血液製剤中のミトコンドリアDNAがTRALIを引き起こす可能性が指摘されている.
・輸血随伴循環過負荷(TACO: transfusion-associated circulatory overload)
・クエン酸中毒
・高カリウム血症
・空気塞栓
・血管攣縮(保存赤血球でのNO枯渇による)
・組織での酸素供給障害
※赤血球内の2,3-DPG(diphosphoglycerate)が採血から48時間で減少し始め,酸素飽和曲線の左方移動を誘導する.
・輸血関連免疫修飾(TRIM: transfusion-related immunomodulation)
※受血患者の免疫能がdown-regulationをきたす.T細胞からのサイトカイン分泌抑制が関与している可能性が示唆されている.
・筋力低下
※コホート研究による.ICUAWとの関連性はみられなかった.


[1] Nguyen BV, Bota DP, Mélot C, et al. Time course of hemoglobin concentrations in nonbleeding intensive care unit patients. Crit Care Med 2003; 31: 406-10
[2] Claessens YE, Fontenay M, Pene F, et al. Erythropoiesis abnormalities contribute to early-onset anemia in patients with septic shock. Am J Respir Crit Care Med 2006; 174: 51-7
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by DrMagicianEARL | 2014-10-07 15:52 | 敗血症 | Comments(3)
■ESICM weekの集中治療関連文献アップ第2弾は経腸栄養と静脈栄養のガチンコ勝負のCALORIES trialです.この結果を意外ととるか予想された結果ととるか,みなさんはどうでしたか?
成人重症患者における早期栄養療法の経路の試験(CALORIES trial)
Harvey SE, Parrott F, Harrison DA, et al; the CALORIES Trial Investigators. Trial of the Route of Early Nutritional Support in Critically Ill Adults. N Engl J Med 2014 Oct.1 [Epub ahead of print]
PMID:25271389

Abstract
【背 景】
成人重症患者の早期栄養療法の最も有効な投与経路については明らかではない.我々は経静脈投与が経腸経路よりも優れていると仮説をたてた.

【方 法】
我々は英国の33の集中治療室に入院した特に治療計画が立てられていない成人患者を登録した臨床的無作為化試験を行った.患者は静脈栄養と経腸栄養のいずれかに無作為割り付けられ,入室から36時間以内に栄養療法を開始し,5日間継続した.主要評価項目は30日全死亡率とした.

【結 果】
2400例の患者が登録され,2388例(99.5%)が解析に組み込まれた(1191例が静脈栄養群,1197例が経腸栄養群).30日時点で静脈栄養群では1188例中393例(33.1%)が,経腸栄養群では1195例中409例(34.2%)が死亡した(RR 0.97; 95%CI 0.86-1.08; p=0.57).経腸栄養群と比較して,静脈栄養群は低血糖(44例(3.7%) vs 74例(6.2%); p=0.006)と嘔吐(100例(8.4%) vs 194例(16.2%); p<0.001)が有意に少なかった.静脈栄養群と経腸栄養群で感染症合併平均数(0.22 vs 0.21; p=0.72),90日死亡(442/1184(37.3%) vs 464/1188(39.1%); p=0.40),その他14の副次評価項目,有害事象発生率に有意差はみられなかった.ほとんどの患者において目標投与量を達成しなかったが,両群間でカロリー投与量は同等であった.

【結 論】
成人重症患者の早期栄養療法の投与経路に関連した30日死亡率に有意差はみられなかった.

EPaNIC trialをふまえたCALORIES trialの結果

■これまで数多くのRCT,メタ解析[1-10]がなされ,静脈栄養(PN)よりも経腸栄養(EN)を選択することがゴールデンスタンダードという流れで,現在はENに早期からPNを併用すべきか否かが議論されている中,このCALORIES trialはPNがENよりも優れているという仮説をたててhead-to-headで勝負するという,10年以上前のClinical Questionに回帰する非常にチャレンジングなRCTである.サンプル数は2388例で,EPaNIC trial[11]の4640例には及ばないものの栄養療法を再考するには十分な根拠となる規模である.

■ただし,この結果はある意味予想通り,と言えないこともない.その理由はEPaNIC trialにある.2011年にvan den Burgheらは早期ENに早期PNを併用する群と後期(8日以降)からPNを併用する群を比較した大規模RCTであるEPaNIC trialを報告し,死亡率に有意差こそなかったが,平均ICU滞在日数(4日 vs 3日; p=0.02),感染症発生率(26.2% vs 22.8%; p=0.008),腎代替療法施行日数(10日 vs 7日; p=0.008),2日以上の人工呼吸器使用率(40.2% vs 36.3%; p=0.006),医療コストにおいて後期PN併用群が有意に優れており,「ENが可能であれば,早期PNによる補助で投与エネルギーゴールを目指す管理は一利もなく推奨されない」と結論づけた.

■このEPaNIC trialのpost hoc解析を行い,van den Burgheは様々な考察を行っており,ENかPNかといった投与経路は問題ではなくoverfeedingが問題であったととらえている.van den Burgheは2013年のCritical Care誌でのレビュー[12]において,このoverfeedingがautophagyの抑制を引き起こし,免疫低下を起こすことに言及しており,これが感染症増加の原因のひとつと考えているようである.さらに,重症度は早期静脈栄養の有害性とは関連がなく,投与カロリーは少ないほど予後が良く,糖よりもアミノ酸/蛋白の投与量の方が予後と関連したとしている[13]

■また,早期PN併用群でも骨格筋減少は食い止められず,むしろ骨格筋の中に脂肪が形成され,骨格筋の質が悪くなることも分かった[14].筋力低下(CUAW;ICU-acquired weakness )の評価[15]では,後期PN併用群が早期PN併用群より筋力低下が有意に少なく(34% vs 43%; absolute difference -9%; 95% CI -16 to -1; p=0.030),筋力低下からの回復も後期群の方が有意に早く,autophagyは早期PN併用群で抑制されていた.

■もうひとつ,EPaNIC trialの特徴は,van den BurgheらによるLeuven studyⅠ[16]で有用性が示された血糖値を80-110 mg/dLにコントロールする強化インスリン療法(intensive insulin therapy;IIT)をプロトコルに組み込んでいることである.IITははその後のメタ解析[17],VISEP trial[18],Glucontrol study[19],NICE-SUGAR study[20]でむしろ有害性が示されて姿を消すことになったものの,van den Bergheらは血糖コントロールをIITで十分に行いながら早期PN併用を開始すればよいアウトカムになるのではないかと考えてこの研究を行ったのではないかと推察されている.

■当然ながらIITを導入すればそれだけインスリン投与量も多くなる.体内インスリン総量が増加すると,そのインスリンが骨格筋タンパク分解抑制・ロイシンアミノ基転移反応抑制を誘導する結果,BCAA・アラニン(糖新生の主要な基質)・条件付き必須アミノ酸(グルタミン・アルギニン)の供給減少といった生理的なアミノ酸供給システムの障害が発現し,GLUT4経由で骨格筋に大量のグルコースが取り込まれてしまい,骨格筋細胞における酸化ストレス増強から筋タンパクの病的分解が発生することが報告されている[21,22]

■一方,今回のCALORIES trialではIITではなく,NICE-SUGAR trial発表以降に主流となりつつある,中等度の血糖管理(血糖値<180mg/dL)を用いている.そして,投与カロリーは25mg/kg/dayで開始し,48-72時間で目標カロリーを目指すようにしてoverfeedingを回避するようなプロトコルとなっている.

■CALORIES trialでもうひとつ注目すべきは,有害事象の感染症がPN群とEN群で有意差がなかったことである.これまではPN群で感染症が増加したとする報告が多かったことから考えれば意外ではある.また,通常ならば,ENでは胃食道逆流による肺炎,PN群ではカテーテル関連血流感染症が増加しそうであるが,感染症別で見ても全く差がない.これに関しては近年の人工呼吸器関連肺炎対策や血管ルート管理が進歩した結果だと執筆者らは考察で述べている.双方で生じうる有害事象がいずれもほぼ防止できており,感染対策もそこまで進歩したということの一傍証となる結果であろう.

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[22] 寺島秀夫.侵襲下の栄養療法は生体反応への介入であり,その攪乱を惹起する―特にグルコース投与とインスリン療法の功罪に関する新事実―.第29回体液・代謝管理研究会年次学術集会教育講演2 2014 Jan.25 名古屋
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by DrMagicianEARL | 2014-10-06 12:16 | 文献 | Comments(0)
■欧州集中治療医学会がドイツで開催されていますが,それにあわせてNEJM誌やJAMA誌に集中治療系のRCTが多数online publishされており,随時当ブログでも紹介していきます.まず最初はARISE studyから.2014年3月の米国ProCESS studyから半年たって再度EGDTが死亡率を改善せずという結果がANZICSからでました.ただし,外的妥当性等,結果は慎重にとらえるべきと思われます.
早期の敗血症性ショックの患者における目標指向型蘇生(ARISE study)
The ARISE Investigators and the ANZICS Clinical Trials Group. Goal-Directed Resuscitation for Patients with Early Septic Shock. N Engl J Med. 2014 Oct 1. [Epub ahead of print]
PMID:25272316

Abstrct
【背 景】
早期目標指向型治療(EGDT)は救急で敗血症性ショックを呈した患者において死亡率を減少させる重要な戦略としてSurviving Sepsis Campaign Guidelinesで支持されている.しかし,その有効性は不明確である.

【方 法】
51施設(ほとんどはオーストラリアまたはニュージランド)で行われた本研究において,我々は救急で早期の敗血症性ショックを呈した患者をEGDTまたは通常治療のいずれかに無作為に割り付けた.主要評価項目は無作為化から90日後の全死亡率とした.

【結 果】
登録された患者1600例のうち,796例はEGDT群に,804例は通常治療群に割り付けられた.主要評価データは99%超過の患者で利用可能であった.EHDT群の患者は通常治療群に比して,無作為化から最初の6時間での平均輸液量(±標準偏差)が多く(1964±1415mL vs 1713±1401mL),循環作動薬投与が多く(66.6% vs 57.8%),赤血球輸血が多く(13.6% vs 7.0%),ドブタミン投与も多かった(15.4% vs 2.6%)(すべての比較においてp<0.001).無作為化後90日の時点で,EGDT群は147例,通常治療群は150例の死亡があり,死亡率はそれぞれ18.6%,18.8%であった(絶対リスク差は-0.3%; 95%CI -4.1 to 3.6; p=0.90).生存期間,院内死亡,臓器支持療法期間,入院期間に差はなかった.

【結 論】
救急で早期の敗血症性ショックを呈した重症患者において,EGDTは90日時点での全死亡率を減少させなかった.

1.本結果の解釈における注意

■本ブログではProCESS study[1]発表後,繰り返しEGDTを否定すべきではないと主張しており,今回のARISE studyがでてもその姿勢は変わらない.その理由は外的妥当性である.
EGDT,ProCESS studyについては当ブログのこちらの記事も参照
→EGDT:http://drmagician.exblog.jp/16904162/
→ProCESS study:http://drmagician.exblog.jp/21799999/

■ProCESSもARISEも以前までの敗血症性ショックのRCTに比して非常に低い死亡率となっており,対照群である通常治療の死亡率の低さは循環管理に長けた救急集中治療医のスキルによって担保されている.この対照群と同等以上の医療介入が可能ならばEGDTは行わずともよいが,集中治療医がいない施設ではそうはいかないと思われる(そういう施設ではPiCCOやEV1000などの便利なモニターを持っていることはむしろ稀であり,乳酸値すら計測できない施設も多い).いずれの研究もEGDTが死亡率を改善させなかっただけで悪化させたわけではなく,逆に考えればEGDTプロトコルを用いることで救急集中治療医管理による通常治療と同等の治療成績が出せるととらえることもできる.EGDTの採用をやめるか継続するかは施設の治療レベル,主治医やスタッフのスキルに合わせて慎重に判断すべきである.

■EBMの世界ではEGDTは推奨されない,という方向に向かうかもしれないが,かといってプロトコルなしで敗血症性ショックの循環管理を行うことは救急集中治療医がいない施設においては非常に酷であり,現実的ではない推奨である.現時点で代替案なしにSSCGや日本版重症敗血症診療ガイドラインが今後の改訂でEGDTを非推奨とする方向に向かうのであれば,非常に好ましくないと思われる.

■また,今回のARISE studyは有害事象についてはEGDT群7.1% vs 通常治療群5.3%で有意差なし(p=0.15)であり,予想通り中心静脈カテーテル挿入に伴う合併症は2.0% vs 0.1%(p=0.00013),肺水腫は1.8% vs 0.8%(p=0.076)でEGDT群の方が多く,これは納得がいく結果ではあるが,不整脈に関しては4.3% vs 5.1%(p=0.478)と有意差はないものの循環作動薬投与が少ない通常治療群の方が多い傾向がみられた.また,重篤な有害事象は実は0.5% vs 1.9%(p=0.019)で通常治療群の方が有意に多かった(データは本文には書いておらず,Supplementary Appendix見ないと分からない).この差は臨床的には有意ではないかもしれないが注意が必要かもしれない.

2.ProCESSとARISEの比較


■ProCESS studyはEGDT群と通常治療群以外に標準プロトコル群というアームがあったが,ARISEにはないため,標準プロトコル群を除いて比較した.
e0255123_23345764.png
■見ても分かる通り,ARISE studyではProCESS studyよりさらに重症度が低くなっており,それを反映してか死亡率も低く輸液量も少なくなっている.また,いずれの研究においても通常治療群の方が輸液量は少ない.近年,敗血症性ショック治療に伴う過剰輸液が予後を悪化させる可能性が指摘されており[2,3],Kelmら[3]は,第1病日で,患者の67%に過剰輸液がみられ,48%が第3病日まで輸液過剰が遷延したと報告している.通常治療群の輸液量は,EGDTによって生じる過剰輸液リスクを減じる可能性がある.

■ただし,そもそも「通常治療(usual-care)」が具体的にどのような管理であったのかはProCESSと同様,今回も分からなかった.おそらく心臓超音波検査,SVV等を用いたモニタリング,Passive Leg Raising testなどであろうが,特に治療介入方法に統一がなされていない患者集団である.EGDTに代わる治療プロトコルの検証が望まれる.

3.EGDTのメタ解析

■River's RCT[4],ProCESS,ARISEの3試験のメタ解析を行った結果は以下の通りである(統計解析はRを用いています).
e0255123_1026172.png
■また,River's RCTを除き,ProCESSとARISEのみでのメタ解析は以下の通りである.
e0255123_10301020.png


[1] ProCESS Investigators, Yealy DM, Kellum JA, Huang DT, et al. A randomized trial of protocol-based care for early septic shock. N Engl J Med 2014; 370: 1683-93
[2] Boyd JH, Forbes J, Nakada TA, et al. Fluid resuscitation in septic shock: a positive fluid balance and elevated central venous pressure are associated with increased mortality. Crit Care Med 2011; 39: 259-65
[3] Kelm DJ, Perrin JT, Cartin-Ceba R, et al. Fluid Overload in Patients with Severe Sepsis and Septic Shock Treated with Early-Goal Directed Therapy is Associated with Increased Acute Need for Fluid-Related Medical Interventions and Hospital Death. Shock 2014 Sep 22 [Epub ahead of print]
[4] Rivers E, Nguyen B, Havstad S, et al; Early Goal-Directed Therapy Collaborative Group. Early goal-directed therapy in the treatment of severe sepsis and septic shock. N Engl J Med 2001; 345: 1368-77
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by DrMagicianEARL | 2014-10-03 00:00 | 敗血症 | Comments(0)
■敗血症におけるβラクタマーゼ阻害剤配合βラクタム系抗菌薬(BL/BLIs)とカルバペネム系抗菌薬を直接比較したRCTのメタ解析がJACにでたので紹介します.ESBL産生菌を含んだ患者集団ですが,死亡率に差はなく,下痢はBL/BLIsで多いけどCDIはカルバペネムで多いという結果.抗菌薬適正使用も上乗せすればBL/BLIsに軍配が上がりそうです.本邦ではTAZ/PIPC,ということになるでしょうか(SBT/CPZやSBT/ABPCはカバー不十分となる可能性もありあまり敗血症では用いられません).とはいえ,TAZ/PIPCがペニシリン系だからという理由でカルバペネム系より推奨されるとする考えには私は賛同していませんが(カルバペネムに匹敵する広域スペクトラムですので).
敗血症治療におけるβラクタマーゼ阻害剤配合βラクタム系抗菌薬vsカルバペネム系抗菌薬:無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタ解析
Shiber S, Yahav D, Avni T, et al. β-Lactam/β-lactamase inhibitors versus carbapenems for the treatment of sepsis: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. J Antimicrob Chemother 2014 Sep 25 [Epub ahead of print]
PMID:25261419

Abstract
【背 景】
βラクタマーゼ阻害剤配合βラクタム系抗菌薬(BL/BLIs)とカルバペネム系抗菌薬の効果を比較したデータは乏しい.

【方 法】
本研究は敗血症治療において,あらゆるBL/BLIsとあらゆるカルバペネムを比較した無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビューとメタ解析である.主要評価項目は全死亡率とした.文献検索は,言語,出版状態や日の制限なしで行った.2人のレビュアーが独立して登録基準を適応し,データを抽出した.バイアスリスクの評価はドメインに基づいたアプローチを用いて行った.サブグループ解析は異質性の検討を用いて,ESBL産生菌疑いを検出した患者集団で行った.

【結 果】
31報のRCTを登録した.BL/BLIsとカルバペネムでは,死亡率に有意差はなく,異質性はみられなかった(RR 0.98, 95%CI 0.79-1.20).臨床的または細菌学的治療失敗や重複感染に差はなかった.この結果はバイアスリスクの影響を受けていなかった.院内感染,グラム陰性菌感染,発熱性好中球減少の患者のサブグループにおいても差は見られなかった.投与中断を必要とした有害事象は下痢発生率の増加によりBL/BLIsで多かった.しかし,Clostridium difficile関連下痢症はカルバペネムの方が頻度が高く(RR 0.29, 95%CI 0.10-0.87),痙攣はイミペネムでより多かった(RR 0.21, 95%CI 0.05-0.93).

【結 論】
起因菌であるESBL産生菌の(未知であるが)特定の発生率を有する患者集団を含むRCTにおいて,BL/BLIsとカルバペネムに効果の差はみられなかった.

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by DrMagicianEARL | 2014-10-01 00:00 | 敗血症 | Comments(0)

by DrMagicianEARL