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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

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■赤血球輸血製剤の保存期間が1-2週間変わるだけで死亡率に影響が与えられるなんてのはにわかには信じがたかったのですが,2008年の新鮮血が予後を改善することを示唆する論文を皮切りに議論されるようになり,Damage Control Resuscitationのバンドルにおいても新鮮血を使用することを推奨するレビュー論文も散見されていました.結局は大規模RCTで決着を,というわけで組まれたCCCTGによるABLE study,結果は新鮮血を使っても死亡率は変わらないとのこと.これで決着,と思ったら実はANZICSが同様の研究を進行中とのことです.その登録予定症例数はなんと5000.まだやるんですか・・・
成人重症患者における輸血製剤の保存期間(ABLE study)
Lacroix J, Hébert PC, Fergusson DA, et al; ABLE Investigators and the Canadian Critical Care Trials Group. Age of Transfused Blood in Critically Ill Adults. N Engl J Med 2015, Mar 17
PMID:25776801

【背 景】
新鮮な赤血球は,細胞の変化と長期の貯蔵中の血液成分中の生理活性物質の蓄積による毒性作用のリスクを最小限に抑えて酸素供給を強化することで重症患者における転帰を改善することができる可能性がある.

【方 法】
この多施設無作為化二重盲検試験において,我々は成人重症患者を,保存期間8日以内の赤血球輸血を受ける群と標準的保存期間の赤血球輸血を受ける群に割り付けた.主要評価項目は90日死亡率とした.

【結 果】
2009年3月から2014年5月までで,カナダおよび欧州の64の施設において,1211例の患者が新鮮な赤血球輸血を受ける群(新鮮血群)に,1219例が標準的保存期間の赤血球輸血を受ける群(標準血群)に割り付けられた.赤血球輸血製剤の保存期間は,平均(±標準偏差)で,標準血群が22.0±8.4日であったのに対し,新鮮血群で6.1±4.9日であった(p<0.001).90日時点で,新鮮血群で448例(37.0%)が,標準血群で430例(35.3%)が死亡した(絶対リスク差1.7%; 95%CI -2.1 to 5.5).生存解析では,新鮮血群の死亡の危険率は,標準血群と比較して1.1であった(95%CI 0.9-1.2; p=0.38).他のいかなる副次評価項目(主要疾患,人工呼吸器装着期間,結構動態,腎代替療法,入院期間,輸血反応)やサブグループ解析においても両群間に有意差は認めなかった.

【結 論】
新鮮赤血球の輸血は,標準的保存期間の赤血球と比較して,成人重症患者における90日死亡率を減少させなかった.

■血液製剤の発展の歴史は,薬剤とは異なるその特殊性から,有効性のみならず有害事象をいかに防ぐかの戦いであった.昔は採取した血液をその場でそのまま使うということがなされていたが,当時は血液型の概念もなく,器具の殺菌が不十分であったことから輸血の成功率は低く,19世紀末には輸血療法はあまり行われなくなり,輸血医学は衰退の一途をたどっていた.しかし,1900年にオーストリアのKarl LandsteinerがABO式血液型を発見すると輸血は再び脚光を浴び,さらに1913年にAlbert Hustinが,クエン酸ナトリウムが血液の凝固を防ぐことを発見,1916年にはクエン酸やブドウ糖を赤血球に混ぜて数日間冷蔵保存した後にウサギに輸血することに成功したことで,輸血が第一次世界大戦中に多くの負傷した兵士の命を救うことになり,輸血療法は大きく進歩することになった.さらに第二次世界大戦時には血液保存液ACD(acid-citrate-dextrose)が開発されるに至る.

■赤血球を保存すると,2-3DPGの低下,ATPの低下,脂質過酸化反応,ヒスタミンやサイトカイン産生等による劣化が知られている.これらの変化の多くは輸血後に可逆的であるが,臨床においてどの程度影響があるかは分かっていなかった.そのような中,2008年にNew England Journal of Medicineにおいて衝撃的な報告がなされた.Kochら[1]は,1998年から2006年までにCABGと弁置換術において赤血球輸血を受けた患者6002例のデータの後ろ向き解析を行い,保存期間が14日以内の2872例と14日超過の3130例を比較した.結果は,保存期間が長い群の方が死亡率が有意に高く(1.7% vs 2.8%, p=0.004),72時間以内の挿管率が有意に高く(5.6% vs 9.7%, p<0.001),腎不全が有意に多く(1.6% vs 2.7%, p=0.003),敗血症や菌血症が有意に多かった(2.8% vs 4.0%, p=0.01).この傾向は背景因子で調整しても同様であった.

■その後,多数の観察研究が報告されたが,結果は様々であった.一方,RCTにおいては小規模なものしかなかったが,多くの報告が死亡率に有意差はないという結果であった.Wangら[2]は,輸血の保存期間に関する21報(RCT3報,前向き観察研究6報,後ろ向き観察研究12報)409966例のメタ解析を行った.結果は,保存期間が長い赤血球輸血(2-3週間以上)は,死亡リスク(OR 1.16; 95%CI 1.07-1.24),多臓器不全リスク(OR 2.26; 95%CI 1.56-3.25),肺炎リスク(OR 1.17; 1.08-1.27)が有意に高いという結果であった.

■しかし,このメタ解析ではstudy typeでのサブ解析は行われていない.このメタ解析に登録された3報のRCT[3-5]および,その後報告された2報のRCT[6,7]では死亡率,その他合併症に有意差は認められていない.これらはほとんどが小規模研究であり,今回,大規模RCTとしてこのABLE studyが組まれ,赤血球輸血製剤保存期間が臨床アウトカムに影響を及ぼさないということでほぼ決着がついたと言えよう.

■なお,現在もう1つの大規模RCTであるTRANSFUSE trialがANZICS主導で進行中であり,5000例の登録を予定している[8]

[1] Koch CG, Li L, Sessler DI, et al. Duration of red-cell storage and complications after cardiac surgery. N Engl J Med 2008; 358: 1229-39
[2] Wang D, Sun J, Solomon SB, et al. Transfusion of older stored blood and risk of death: a meta-analysis. Transfusion 2012; 52: 1184-95
[3] Fernandes da Cunha DH, Nunes Dos Santos AM, Kopelman BI, et al. Transfusions of CPDA-1 red blood cells stored for up to 28 days decrease donor exposures in very low-birth-weight premature infants. Transfus Med 2005; 15: 467-73
[4] Hébert PC, Chin-Yee I, Fergusson D, et al. A pilot trial evaluating the clinical effects of prolonged storage of red cells. Anesth Analg 2005; 100: 1433-8
[5] Schulman CI, Nathe K, Brown M, et al. Impact of age of transfused blood in the trauma patient. J Trauma 2002; 52: 1224-5
[6] Kor DJ, Kashyap R, Weiskopf RB, et al. Fresh red blood cell transfusion and short-term pulmonary, immunologic, and coagulation status: a randomized clinical trial. Am J Respir Crit Care Med 2012; 185: 842-50
[7] Fergusson DA, Hébert P, Hogan DL, et al. Effect of fresh red blood cell transfusions on clinical outcomes in premature, very low-birth-weight infants: the ARIPI randomized trial. JAMA 2012; 308: 1443-51
[8] Kaukonen KM, Bailey M, Ady B, et al. A randomised controlled trial of standard transfusion versus fresher red blood cell use in intensive care (TRANSFUSE): protocol and statistical analysis plan. Crit Care Resusc 2014; 16: 255-61
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by DrMagicianEARL | 2015-03-30 00:00 | 文献 | Comments(0)
ANZICSの敗血症コホートデータの解析で,SIRS基準の妥当性について検討した研究がNEJM誌に報告されたので紹介します(個人的にはなぜこの論文がNEJM誌でアクセプトされたのかちょっと疑問).SIRS基準では8人に1人の重症敗血症を見逃してしまうという結果ですが,感度87.9%というのがそれほど悪いのかというと疑問です.敗血症診療に不慣れな医療スタッフにとっては重要かつ簡便なスクリーニングツールであることには変わりないと思いますし,実際に臓器不全等あればそれなりに重症感染症として初期対応するでしょうから,今後の診療に影響を与えるようなエビデンス,というわけではない気がします.もっともSIRS基準該当項目が増すごとに死亡率が高まることはこれまでも報告がありましたので,それほど目新しいことではない?
重症敗血症を定義する上での全身性炎症反応症候群(SIRS)基準
Kaukonen KM, Bailey M, Pilcher D, et al. Systemic Inflammatory Response Syndrome Criteria in Defining Severe Sepsis. N Engl J Med 2015 March 17 online first

Abstract
【背 景】
重症敗血症のコンセンサスが得られた定義では,感染が疑われるもしくは確定していて,臓器障害を有し,全身性炎症反応症候群(SIRS)の基準を2つ以上満たしていることが必要である.我々はこのアプローチの感度,表面的妥当性,構成概念妥当性を検討することである.

【方 法】
2000年から2013年までのオーストラリアおよびニュージーランドにおける172の集中治療室の患者データで検討した.感染症および臓器障害を有する患者を検出し,SIRS基準を2つ以上満たした群(SIRS陽性重症敗血症)とSIRS基準が2つ未満の群(SIRS陰性重症敗血症)に分類した.我々はこれらの特性とアウトカムを比較し,2つのSIRS基準という閾値での死亡リスクの段階的増加があるかについて評価した.

【結 果】
1171797例の患者のうち,109663例が感染症と臓器障害を有していた.そのうち,96385例(87.9%)がSIRS基準陽性重症敗血症であり,13278例(12.1%)がSIRS陰性重症敗血症であった.14年の期間において,両群とも背景は同等で,死亡率も変化していた(SIRS陽性群:36.1%[829/2296例]から18.3%[2037/11119例],p<0.001 / SIRS陰性群:27.7%[100/361例]から9.3%[122/1315例],p<0.001).加えて,この傾向はベースラインの背景因子で調整後も維持されていた(SIRS陽性群OR 0.96; 95%CI 0.96-0.97,SIRS陰性群OR 0.96; 95%CI 0.94-0.98; 両群間比較p=0.12).調整解析において,SIRS基準2つの閾値においていかなる過渡的に増加することなく,各SIRS基準が増すごとに死亡リスクは線形に増加していた(OR 1.13; 95%CI 1.11-1.15; p<0.001).

【結 論】
重症敗血症を定義する上でSIRS基準2つ以上を必要とすることは,感染,臓器不全,死亡率が同等である患者であるにもかかわらず8人に1人を除外してしまうことになり,死亡リスクにおける転移点を定義することはできない.

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by DrMagicianEARL | 2015-03-24 20:52 | 敗血症 | Comments(0)
特発性肺線維症急性増悪に対するPMX-DHPの初めてのコホート研究が報告されたので紹介します.
特発性肺線維症急性増悪に対するPMX-DHPによる治療は生存を改善させる
Enomoto N, Mikamo M, Oyama Y, et al. Treatment of acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis with direct hemoperfusion using a polymyxin B-immobilized fiber column improves survival. BMC Pulm Med 2015; 15 :4
PMID:25778513

Abstract
【背 景】
特発性肺線維症急性増悪(AE-IPF)は極めて予後が悪く,本疾患に対して有効な治療法は現時点では存在しない.ポリミキシンB吸着ファイバーカラムによる直接血液浄化(PMX-DHP)は酸素化を改善させるが,AE-IPFに対するPMX-DHPによる治療が生存率に影響を与えるかについては不明確である.本研究は,AE-IPFの治療におけるPMX-DHPの有効性と安全性を明らかにする.

【方 法】
本研究はAE-IPFの41のエピソードを有する31症例を登録した.全患者はステロイド投与を受けた.31例中,14例(20エピソード)はPMX-DHPの治療を受けた.実験室および生理学的検査は治療開始後に結果が判明しており,生存率はPMX-DHP施行群と非施行群の患者間で後ろ向きに比較した.

【結 果】
治療2日目において,PMX-DHPの治療を受けた患者は非施行患者に比して,PaO2/FiO2比の変化量が有意に大きく(平均値±標準誤差;58.2±22.5 vs 0.7±13.3, p=0.034),白血球数が有意に低下した(-630 ± 959 /μL vs 4500 ± 1190 /μL, p=0.002).12か月生存率はPMX-DHP施行群の方が有意に高かった(48.2% vs. 5.9%, p = 0.041).PMX-DHPはより重症な基礎疾患を有する患者において有効であった(GAP stages II or III; 12カ月生存率57.1% vs 0%, p=0.021).PMX-DHPによる治療はより良好な予後の独立した予測因子であった(HR 0.345, p=0.037).PMX-DHP施行群で1例の軽度の肺血栓塞栓症が生じた.

【結 果】
AE-IPFに対するPMX-DHPによる治療は忍容性があり,12か月生存率を改善させた.
1.IPA-AEの現状

■IPF(Idiopathic Pulmonary Fibrosis;特発性肺線維症)は,発症から2-5年で死亡する[1]予後不良の慢性疾患である.そして,その慢性経過中に両肺野に新たな浸潤陰影の出現とともに急激な呼吸不全を呈するAE-IPF(Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis;特発性肺線維症急性増悪)を呈することがあり[2-4],その際の30日死亡率は60%,90日死亡率は80%に及ぶ予後不良疾患である.

■このAE-IPFに対してステロイドパルス療法,免疫抑制薬,シベレスタットなどが使用されているが,有効な治療法として確立されておらず,予後を改善したとする根拠はない.IPFについてはATS/ERS/JRS/ALATのガイドライン[5]があり,慢性期のIPFについてはあらゆる治療薬の使用は推奨されず,AE-IPFについてはステロイドのみが「weak recommendation, very low-quality evidence」で推奨されている.しかし,ステロイドの投与・非投与で予後を比較した研究はいまだ存在せず[6],この推奨自体妥当ではない可能性があり,「急性増悪に対する治療にまだステロイドが推奨されていることには矛盾がある」とする批判もなされている[7]

■このような中,ガイドラインにはまだ未掲載の2つの治療法がAE-IPFの予後を改善させる可能性があるとして注目されている.1つはDIC(Disseminated Intravascular Coagulation;播種性血管内凝固)の治療薬であるrTM(recombinant thrombomodulin;遺伝子組み換えトロンボモデュリン),1つはグラム陰性桿菌による敗血症性ショックの治療法であるエンドトキシン吸着カラムを使用したPMX-DHP(polymyxin B-immobilized fiber columun-direct hemoperfusion)である(いずれもAE-IPFに対しては保険適用外である).

■AE-IPFに対するrTMではすでに複数の前後比較研究[8-10]により生存率改善効果が示唆されているが,PMX-DHPについては症例集積による生存率提示しかなかった.今回のEnomotoらの報告はAE-IPFにおいてPMX-DHP施行群と非施行群を比較した初めての研究となる.

2.AE-IPFに対するPMX-DHPのこれまでの知見

■PMX-DHPはもともとは血中エンドトキシンを除去する血液浄化により敗血症治療に用いられてきた.しかし,近年,エンドトキシンのみならず,カンナビノイド,活性化好中球,MMP9,VEGF-A(血管内皮増殖因子-A),sIL-1(可溶性インターロイキン-1),IL-8,GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子),IP-10(インターフェロンγ誘導蛋白質10),PDGF BB(血小板由来増殖因子BB),RANTES(正常T細胞発現の分泌の活性制御タンパク),TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)などが吸着されることが分かってきた[11]

■そして現在,間質性肺炎,とりわけAE-IPFに対する効果が期待されはじめている[12].厚生労働科学研究難治性疾患克服研究事業びまん性肺疾患に関する調査研究班により,多施設でのAE-IPF(日本の基準[13]で診断)に対するPMX-DHPの73例後ろ向き観察研究[14]では,30日生存率は70.1%,90日生存率は34.4%であった.これはPMX-DHP非施行群との比較試験ではないが,これまで知られているAE-IPFの生存率と比較すると良好な治療成績であると思われる.

■ただし,この厚労省調査研究班の論文では挿管人工呼吸管理症例数がどの程度含まれていたかの記載がなく,挿管人工呼吸管理に至った患者でも有効であるのかは不明である.これまで間質性肺炎に対してPMX-DHPを施行し,かつ挿管人工呼吸管理症例数の記載がある報告[15-17]を見ると,挿管人工呼吸管理症例数の割合と30日死亡率がほぼ一致する(実際に挿管人工呼吸管理症例が死亡している).また,Tachibanaら[18]による,AE-IPFに対してPMX-DHPを施行した17例(30日生存率47.4%)の解析では,挿管人工呼吸管理は予後悪化に関連した因子であることが報告されている.以上からrTMと同様,挿管人工呼吸管理となってからPMX-DHPを施行しても予後は改善せず,施行するのであれば超早期から施行しなければ効果は得られにくいと考えるべきであろう.これはrTMの研究でも同様であった.

■2014年のATSにおいて,PMX-DHPを施行された急速進行性間質性肺炎患者25例(特発性間質性肺炎14例,膠原病関連間質性肺疾患6例,薬剤性肺障害4例,放射線肺炎1例)の後ろ向き観察研究が報告され[19],この報告では30日生存率は64%で,60日生存率は44%であった.ただしAE-IPFに限定した生存率は不明である.また,発症からPMX-DHPの開始までの時間は,生存者の方が有意に短かった(4.25±3.61時間 vs 7.05±6.54時間; p<0.01)ことから,早期の介入が重要であるとしている.

■Konoら[20]は,AE-IPFに対してPMX-DHPを施行した症例で,6時間以下の短時間施行群5例と12時間以上の長時間施行群12例を比較した後ろ向きコホート研究を行い,長時間施行群の方が30日生存率が有意に高かった(75% vs 20%; p=0.02)ことから,PMX-DHPを長時間施行すべきとしている.

■AE-IPFに関しては症例を集めることは極めて困難であり,RCTを組むことは現実的には難しい.本邦では,すでに薬事承認申請を目指して,「特発性肺線維症の急性増悪患者に対するトレミキシンを用いた血液浄化療法の有効性及び安全性に関する探索的試験」として,単一アームの前向き観察研究が2013年から2014年に行われた.予定登録患者数は20例であり,評価項目は肺酸素化能の改善および4週,12週後の生存率とされており,結果公表が待たれている.この結果公表の後に治験を経て将来的に保険収載される可能性がある.

■なお,AE-IPFとは異なるが,AE-IPFに匹敵する死亡率の間質性肺炎の1つにAmyopathic Dermatomyositis(ADM;筋症状のない皮膚筋炎)による急速進行性間質性肺炎があり,呼吸器内科医や膠原病内科医ができれば遭遇したくない疾患であろう.挿管人工呼吸管理を行い,ステロイドや免疫抑制薬を投与しても全く反応しない絶望感を経験したことのある医師はそれなりに多いのではないだろうか.この病態にPMX-DHPを用いて救命した症例報告が4報[21-24]あるので参考にされたい.

3.今回の研究について

■今回のEnomotoらの研究では12か月生存率は48.2% vs 5.9%であり,NNTは2.36という驚異的治療成績である.厚労省研究班のPMX-DHP施行症例の集積では90日生存率が34.4%であり,これよりもかなり高い治療成績となっている.過去にEnomotoら[15]はAE-IPFに対してPMX-DHPを施行した5例の症例集積(非挿管症例3例)を報告しており,30日生存率は40%であったことも考慮すると,その後PMX-DHPを施行された症例において挿管症例が少なかった可能性がある.

[1] King TE Jr, Tooze JA, Schwarz MI, et al. Predicting survival in idiopathic pulmonary fibrosis: scoring system and survival model. Am J Respir Crit Care Med 2001; 164: 1171-81
[2] Collard HR, Moore BB, Flaherty KR, et al; Idiopathic Pulmonary Fibrosis Clinical Research Network Investigators. Acute exacerbations of idiopathic pulmonary fibrosis. Am J Respir Crit Care Med 2007; 176: 636-43
[3] Akira M, Hamada H, Sakatani M, et al. CT findings during phase of accelerated deterioration in patients with idiopathic pulmonary fibrosis. AJR Am J Roentgenol 1997; 168: 79-83
[4] Kondoh Y, Taniguchi H, Kawabata Y, et al. Acute exacerbation in idiopathic pulmonary fibrosis. Analysis of clinical and pathologic findings in three cases. Chest. 1993; 103: 1808-12.
[5] Raghu G, Collard HR, Egan JJ, et al; ATS/ERS/JRS/ALAT Committee on Idiopathic Pulmonary Fibrosis. An official ATS/ERS/JRS/ALAT statement: idiopathic pulmonary fibrosis: evidence-based guidelines for diagnosis and management. Am J Respir Crit Care Med 2011; 183: 788-824
[6] Papiris SA, Kagouridis K, Kolilekas L, et al. Idiopathic pulmonary fibrosis acute exacerbations: where are we now? Expert Rev Respir Med 2014; 8:271-3
[7] Papiris SA, Manali ED, Kolilekas L, et al. Steroids in idiopathic pulmonary fibrosis acute exacerbation: defenders or killers? Am J Respir Crit Care Med 2012; 185: 587-8
[8] Isshiki T, Sakamoto S, Kinoshita A, et al. Recombinant human soluble thrombomodulin treatment for acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis: a retrospective study. Respiration 2015; 89: 201-7
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[12] Cruz DN. New trends in polymyxin B hemoperfusion: from 2006 to 2013. Blood Purif 2014; 37 Suppl 1: 9-13
[13] Taniguchi H, Ebina M, Kondoh Y, et al; Pirfenidone Clinical Study Group in Japan. Pirfenidone in idiopathic pulmonary fibrosis. Eur Respir J 2010; 35: 821-9
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[16] Hara S, Ishimoto H, Sakamoto N, et al. Direct hemoperfusion using immobilized polymyxin B in patients with rapidly progressive interstitial pneumonias: a retrospective study. Respiration 2011; 81: 107-17
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[19] S. Izumi, et al. Potential Benefits Of Early Direct Hemoperfusion With Polymyxin B-Immobilized Fiber Columns For Patients With Rapidly Progressive Interstitial Pneumonia. [Publication Number: A1436]
[20] Kono M, Suda T, Enomoto N, et al. Evaluation of different perfusion durations in direct hemoperfusion with polymyxin B-immobilized fiber column therapy for acute exacerbation of interstitial pneumonias. Blood Purif 2011; 32: 75-81
[21] Kakugawa T, Mukae H, Saito M, et al. Rapidly progressive interstitial pneumonia associated with clinically amyopathic dermatomyositis successfully treated with polymyxin B-immobilized fiber column hemoperfusion. Intern Med 2008; 47: 785-90
[22] Ichiyasu H, Horio Y, Tsumura S, et al. Favorable outcome with hemoperfusion of polymyxin B-immobilized fiber column for rapidly progressive interstitial pneumonia associated with clinically amyopathic dermatomyositis: report of three cases. Mod Rheumatol 2014; 24: 361-5
[23] Teruya A, Kawamura K, Ichikado K, et al. Successful polymyxin B hemoperfusion treatment associated with serial reduction of serum anti-CADM-140/MDA5 antibody levels in rapidly progressive interstitial lung disease with amyopathic dermatomyositis. Chest 2013; 144: 1934-6
[24] Sasaki O, Dohi M, Harada H, et al. A Case of Polymyxin b-Immobilized Fiber Column Treatment for Rapidly Progressive Interstitial Pneumonia Associated with Clinically Amyopathic Dermatomyositis. Case Rep Med. 2013; 2013: 750275
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by DrMagicianEARL | 2015-03-19 19:49 | 間質性肺炎 | Comments(2)
2014年3月の米国によるProCESS trial,2014年10月のANZICSによるARISE trialに引き続き,EGDTを検証した最後の大規模RCTである英国のProMISe trialがNEJMにonline publishされました.ProCESS,ARISEの流れでもうお分かりだと思いますが結果はネガティブ.はたしてRiver's EGDTプロトコルの検証はこれで決着がついた,とすべきでしょうか?
敗血症性ショックに対する早期の目標指向型蘇生の試験(ProMISe trial)
Mouncey PR, Osborn TM, Power GS, et al; ProMISe Trial Investigators. Trial of Early, Goal-Directed Resuscitation for Septic Shock. N Engl J Med 2015, March 17

【背 景】
早期目標指向型治療(EGDT)は早期の敗血症性ショックの患者の蘇生治療として国際ガイドラインで推奨されている.しかし,適応は限られており,その有効性については不明確なままである.

【方 法】
我々は英国56施設で統合費用対効果分析を用いた実際的無作為化試験を行った.患者はEGDT群(6時間の蘇生プロトコル)と標準治療群に無作為に割り付けられた.主要評価項目は90日全死亡率とした.

【結 果】
1260例が登録され,630例がEGDT群に,630例が標準治療群に割り付けられた.90日時点で,EGDT群では623例中184例(29.5%)が,標準治療群では620例中181例(29.2%)が死亡し(EGDT群の相対リスク 1.01; 95%CI 0.85-1.20; p=0.90),EGDT群の絶対リスク減少は-0.3%であった.EGDT群の治療強化の増加は輸液量,循環作動薬,赤血球輸血,明らかな臓器障害スコアの悪化による難治性,より強化された心血管系支持治療の受ける日数,ICU滞在日数を増加させていた.他の副次評価項目は,健康関連QOLや深刻な有害事象を含め,すべて有意差がなかった.平均すると,EGDTはコストを増加させ,それが費用効果的である確率は20%未満であった.

【結 論】
早期に診断され,抗菌薬投与を受け,適切な輸液蘇生を受けた敗血症性ショック患者においては,厳密なEGDTプロトコルによる循環動態管理はアウトカムを改善させなかった.
1.本結果の解釈

■本ブログではProCESS[1],ARISE[2]発表後も繰り返しEGDTを否定すべきではないと主張しており,今回のProMISeがでてもその姿勢は変わらない.この研究結果は簡単にはネガティブととらえられない背景がある.

■3つのRCTは以前までの敗血症性ショックのRCTに比して非常に低い死亡率となっており,対照群である通常治療の死亡率の低さは循環管理に長けた救急集中治療医のスキルによって担保されている.この対照群と同等以上の医療介入が可能ならばEGDTは行わずともよいが,集中治療医がいない施設ではそうはいかないと思われる(そういう施設ではPiCCOやEV1000などの便利なモニターを持っていることはむしろ稀であり,乳酸値すら計測できない施設も多い).いずれの研究もEGDTが死亡率を改善させなかっただけで悪化させたわけではなく,逆に考えればEGDTプロトコルを用いることで救急集中治療医管理による通常治療と同等の治療成績が出せるととらえることもでき,循環管理に不慣れな施設においてはむしろ推奨されるべきプロトコルと思われる(そういう意味では私はこの3つのRCTをポジティブととらえている).EGDTの採用をやめるか継続するかは施設の治療レベル,主治医やスタッフのスキルに合わせて慎重に判断すべきである.

2.ProCESS,ARISE,ProMISeの比較とメタ解析

■以下では3つのRCTの症例数,重症度(APACHEⅡスコア),90日死亡率,6時間輸液量を比較した.ProCESSはEGDT群と通常治療群以外に標準プロトコル群というアームがあったが,ARISEにはないため,標準プロトコル群を除いて比較した.見ても分かる通り,重症度と死亡率,輸液量が見事な相関を示している.各自の施設との比較において非常に参考になると思われる.
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■River'sら[3]のRCTを加えた4報4018例のメタ解析(R使用)を行った結果は以下の通りである.random effect modelでOR 0.93, 95%CI 0.73-1.19であり,統計学的有意差はみられなかった.
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3.EGDTに代わる敗血症性ショック治療戦略はあるか?~PLR,呼吸性変動,TPTD,UCG~

■EGDTプロトコルが標準治療と治療成績が同等となると,敗血症全体の治療成績を上げるためには別のプロトコルが必要となる.

■現在,River's EGDTプロトコルにない評価方法で多くの施設で使用されているのは乳酸値のモニタリングであろう.実際,ScvO2を乳酸値より重要視する救急集中治療医は多い.敗血症患者以外も含む高乳酸血症をきたしたICU患者を対象として,EGDT群と,乳酸値を指標にしたプロトコルを作成してEGDTに組み込んだEarly Lactate-Guided Therapy(ELGT)治療群を比較したRCTであるLACTATE study[4]では,ELGT群の方がSOFA score,死亡率を改善させており,サブ解析では死亡率改善は特に敗血症患者において顕著であったとしている.また,Jonesら[5]は,重症敗血症,敗血症性ショックの患者300例を対象として,EGDTでの初期蘇生目標をScvO2≧70%とする群と乳酸クリアランス≧10%/2hrを目標にする群で比較したRCTを報告しており,院内死亡率は23% vs 17%で統計学的有意差はみられなかった.

■その他では,小規模のRCTで各種輸液モニタリングの検討がなされており,いくつか有用な候補はあるものの,決定打となるような試験はない.現実的には複数の手段を用いて判断するのがbetterであろうか.

■PLR(Passive Leg Rising:受動的下肢挙上)は,高頭位から下肢挙上位にして下肢からの血流が心臓に還流することにより1回拍出量増加が認められれば輸液反応性があると評価する方法である.PLRは300-500mLの輸液ボーラス投与に相当するとされる.この評価方法の利点は,人工呼吸中だけでなく自発呼吸下でも測定ができ,TPTDが苦手とする心房細動を有する患者においても有用で非侵襲的である.Cavallaroら[6]は,PLRを検討した研究9報353例のメタ解析を行い,PLRの輸液反応性指標としての感度は89.4%,特異度は91.4%,AUROC 0.95という精度であった.

■フロートラックセンサーやPiCCOなどを用いて1回拍出量の呼吸性変動(SVV)や脈圧の呼吸性変動(PPV)をモニタリングする方法がある.Marikら[7]は,29報685例のメタ解析を行い,PPVの輸液反応性の指標としてのAUROCは0.94,SVVでは0.84であった.しかし,SVVやPPVは,心房細動や心室性期外収縮が多発している状況では使用できないこと,陽圧換気かつ自発呼吸がないこと,1回換気量によって変化してしまうことなど,かなり制約が多い.

■近年,PiCCOやEV1000といったTPTD(経肺熱希釈法:transpulmonary thermodilution)を用いた循環動態モニタリングが検討されている.Trofら[8]は,PiCCOを用いて成人ショック患者120例(敗血症性ショック72例)に対するTPTDと肺動脈カテーテルを比較したRCTを行ったが,死亡率に有意差はなく,人工呼吸器装着日数,ICU滞在日数,入院期間がTPTD群の方が有意に長かった.敗血症患者に限定したサブ解析では,すべてのアウトカムで有意差はみられなかった.Zhangら[9]も,敗血症性ショックかつ/またはARDSの輸液管理においてPiCCOとCVPを比較したRCTを行ったが,28日死亡率やその他アウトカムに有意差なく,715例を集める予定であったが360例で中止となっている.

■本邦では現在,18歳以上の人工呼吸器装着を要する敗血症患者で,輸液管理をTPTD(EV1000)で行う群とCVPで行う群を比較した16施設共同のオープンラベルRCTであるTPTD study[10]が行われている.主要評価項目は28日間におけるCVPとTPTDを用いた管理成功期間(人工呼吸器非使用期間),副次評価項目は28日間生存率,ICU滞在期間,3日間の水分出納バランスであり,2015年10月31日に終了予定となっている.

■心臓超音波は古くから輸液管理における手段として用いられてきた.しかしながらRCTはほとんどなく,再現性が困難であったり,肥満患者や開腹術後の患者,腹腔内圧の患者では指標として用いにくい.経食道超音波を継続的にモニタリングした小規模RCTは存在するが,死亡率の検討はなされておらず,そもそも経食道超音波検査を継続的に使用するのは現実的には難しい.個人のスキルによる部分も大きく,プロトコルで,というよりは標準治療としてのツールで用いられているものであろう.

[1] Early goal-directed therapy in the treatment of severe sepsis and septic shock. N Engl J Med 2001; 345: 1368-77
[2] ProCESS Investigators, Yealy DM, Kellum JA, Huang DT, et al. A randomized trial of protocol-based care for early septic shock. N Engl J Med 2014; 370: 1683-93
[3] ARISE Investigators; ANZICS Clinical Trials Group, Peake SL, Delaney A, Bailey M, et al. Goal-directed resuscitation for patients with early septic shock. N Engl J Med 2014; 371: 1496-506
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[6] Cavallaro F, Sandroni C, Marano C, et al. Diagnostic accuracy of passive leg raising for prediction of fluid responsiveness in adults: systematic review and meta-analysis of clinical studies. Intensive Care Med 2010; 36: 1475-83
[7] Marik PE, Cavallazzi R, Vasu T, et al. Dynamic changes in arterial waveform derived variables and fluid responsiveness in mechanically ventilated patients: a systematic review of the literature. Crit Care Med 2009; 37: 2642-7
[8] Trof RJ, Beishuizen A, Cornet AD, et al. Volume-limited versus pressure-limited hemodynamic management in septic and nonseptic shock. Crit Care Med 2012; 40: 1177-85
[9] Zhang Z, Ni H, Qian Z. Effectiveness of treatment based on PiCCO parameters in critically ill patients with septic shock and/or acute respiratory distress syndrome: a randomized controlled trial. Intensive Care Med 2015; 41: 444-51
[10] 敗血症治療における経肺熱希釈法の併用に関する研究(TPTD study).UMIN000011493
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by DrMagicianEARL | 2015-03-17 23:15 | 敗血症 | Comments(0)
遺伝子組換えトロンボモデュリンは敗血症性DICに有効か?(2)臨床エビデンス

3.敗血症性DICに対するrTMのエビデンス

■本邦のエキスパートオピニオンでは,「本邦の敗血症治療成績は欧米の治療成績と比較して良好であり,本邦に特異的であるDIC治療が死亡率を下げている可能性がある」とする意見があるが,観察期間が異なる上に社会的・経済的背景も異なる他国との治療成績の差からDIC治療有無が予後の違いに影響を与えているというのは論理が飛躍しすぎていると思われる.加えてこれらは簡単に反証が出る.救急医学会Sepsis Registry特別委員会による多施設前向き観察研究(観察期間2010-2011年)では重症敗血症死亡率は29.5%であるのに対して,DIC治療を行っていない豪州およびニュージーランドの多施設後ろ向き観察研究(2000-2012年)では,一番最近での重症敗血症の死亡率は18.4%であり,観察期間が近いにもかかわらず本邦より約10%低い.

■現時点ではrTM以外のDIC治療薬も含めて,DIC治療が死亡率を改善させるとする質の高いエビデンスは存在せず,その死亡率の有意な改善効果は観察研究においてのみ報告されている.これを「死亡率が改善するエビデンスがないからDIC治療は意味がない」とするか「適切なデザインでのRCTがなされていないだけ」とするか,個々の医師によって考え方は異なるであろうし,その結果,国内ではDIC治療の考え方が大きく分かれている.だが,本邦のrTMの使用は著明に増加しているようである.Murataら[33]は本邦DPCデータを用い,2010年から2012年までの1041施設14324例における敗血症性DICに対する治療薬を調査したところ,ヘパリン類,AT,プロテアーゼ阻害薬は使用量が減少傾向であるのに対し,rTMは増加しており(2010年25.1%,2011年43.1%,2012年56.8%; p<0.001),病院の規模がrTM使用と有意に関連していたと報告している.

(1) RCT

■敗血症性DICに対するrTMに関するRCTはまだわずかである.前提として,海外ではDICは原疾患治療で対応し,DICそのものに対する治療が積極的に行われているわけではなく,DICに対する抗凝固療法は日本独特の治療である.それゆえ,海外で行われた大規模RCTであるATのKyberSept,rAPCのPROWESS,PROWESS-SHOCKはすべて非DIC患者も含めた敗血症患者を対象としたデザインとなっている.これに加え,本邦でのRCTの困難さが加わってのRCTの少なさである.

■本邦で施行された第Ⅲ相試験[34]は,DIC患者224例(感染症45%,造血器悪性腫瘍55%)に対して,rTM投与群(0.06mg/kg/dayを30分間で6日間投与)112例と未分画ヘパリン投与群(8U/kg/hrで持続投与を6日間)112例 を比較したダブルダミー二重盲検RCTである.主要評価項目はDIC離脱率であり,rTM投与群は未分画ヘパリン投与群より有意に高かった(66.1% vs 49.9%, p=0.02).臨床的な出血もrTM群の方が有意に少ない結果であった.死亡率は28.0% vs 34.6%で,rTM群の方が低い傾向があるも統計学的有意差はみられなかった(p=0.39).本試験では敗血症以外の原因が多数含まれている.敗血症性DICの80症例のサブ解析[35]では,DIC離脱率は67.5% vs 55.6%(p=0.35),28日死亡率は21.4% vs 31.6%(p=0.32)であり,統計学的有意差はないもののrTM群の方が優位な傾向がみられた.

■一方,海外多国間(日本は参加せず)で行われた第Ⅱ相試験[36]は,国際血栓止血学会DIC診断基準により診断した敗血症性DIC患者741例に対して,rTM投与群(0.06 mg/kg/dayを6日間)370例とプラセボ群370例を比較した二重盲検RCTである.主要評価項目の28日死亡率は17.8% vs 21.6%(p=0.273)であり,rTM投与群の方が死亡率が低い傾向がみられたものの統計学的有意差はみられなかった.また,本試験から得たサンプルの凝固関連マーカーの解析[37]では,rTMの投与でD-dimer,TAT,F1+2が有意に改善したと報告している.

■海外第Ⅱ相試験では統計学的有意差はみられなかったが,事前規定によりp<0.3であれば第Ⅲ相に進むこととなっていたため,現在第Ⅲ相試験[38]が行われている.本試験対象は敗血症で,心機能低下または呼吸不全を呈し,他に原因がないPT-INR>1.4を伴う凝固障害の患者であり,凝固障害はあるもののDICではない.この登録基準の根拠は,第Ⅱ相試験でのサブ解析結果に基づく.参加施設は北米・南米・欧州・中東,アジアの207施設に及ぶ(日本は非参加).予定登録患者数は800例を予定している.

(2) 観察研究

■本邦からはrTMに関する観察研究が多数報告されており[39-48],死亡率改善効果を示唆するものは多く,本邦第Ⅲ相試験よりも重症例を扱っていることは注目すべき点かもしれない.ただし,ほとんどが数十例の小規模研究であること,前後比較のデザインが多いこと(後の集団の方が治療成績がよくなる可能性)等それほど質の高い観察研究はなく,背景に大きなバイアスが存在する可能性がある.ここを解消するためにもやはり本邦で再度対象を吟味した上でRCTを組む必要性があると思われる.その上でどのような患者集団がrTMの効果が得られやすい可能性が高いかを考える上でこれらの観察研究は参考になるであろう.比較的N数が多いものを以下に挙げる.

■Ogawaら[40]は,rTM投与群41例と対照群45例の比較検討を行い,ベースラインの重症度はrTM群の方が高かったが(APACHEⅡスコア 27.0(21.5-32.5) vs 21.0(16.-24.0),p<0.001),90日生存率は63% vs 42%(p=0.038)でrTM群の方が有意に高かったと報告している.

■Yamakawaら[41]は,急性期DIC診断基準を見たし,臓器障害を有し,血小板数が8万/mm3未満で,人工呼吸器を要した敗血症性DIC患者162例を対象としてrTM投与群68例と非投与群94例を比較した3施設共同の後ろ向き観察コホート研究を行っている.背景因子は両群間で有意差はないが,APACHEⅡスコア,SOFAスコアはrTM群の方がやや高い傾向がみられた.調整前死亡率では院内,60日,90日でrTM群の方が死亡率が有意に改善していた(90日死亡率 37% vs 56%, p=0.021).propensity scoreで調整(マッチングではなくスコアをCox比例ハザード回帰変数に組込み)すると,rTMは死亡リスクを有意に改善させていた(HR 0.45; 95%CI 0.26-0.77; p=0.013).

■また,本研究は二次解析[42]も行われており, survival CART法により重症度のカットオフラインを決定し,propensity scoreで調整すると,rTMによる死亡リスク減少効果は重症群(APACHEⅡスコア24-29)で有意であり(HR 0.281; 95%CI 0.093-0.850; p=0.025),超重症群(APACHEⅡスコア≧30)でも統計学的有意ではないが同様の傾向がみられた(HR 0.529; 95%CI 0.202-1.387; p=0.195)が,中等症群(APACHEⅡスコア<24)では死亡リスク減少効果はみられなかった(HR 0.814; 95%CI 0.351-1.884; p=0.630).この傾向はSOFAスコアでもみられ,SOFAスコア≧11の重症群ではrTMによる有意な死亡リスク減少がみられた(p=0.042).以上から,rTMの死亡リスク減少効果は重症例であるほど発揮される可能性が示唆される.

■Katoら[43]は,敗血症性DICの43例を対象としてrTM投与群20例と非投与群23例を比較した後ろ向きコホート研究を行い,28日死亡率は8.3% vs 33.3%(p=0.075)であった.また,Cox比例ハザード回帰ではrTM投与とAKIが予後関連因子であった.

■梅垣ら[46]は,急性期DICスコアが5点以上,もしくは4点かつ血小板スコアが3点の敗血症性DICの73例に対して,rTM投与群33例とダナパロイド投与群40例を比較した.28日死亡率に対して有意差はみられなかった.一方,90日死亡ではrTM群の方が有意に死亡率が低く,AT投与を行った症例でのサブ解析においても同様であった.

■AT(アンチトロンビン)との併用有無ではどうであろうか?澤野ら[47]は,敗血症性DICの111例について,AT単独投与群とAT+rTM併用群の比較を行い,28日死亡率は併用群の方が有意に低かった.また,櫻井らは,敗血症性DICの60例について,rTM単独投与群とrTM+AT併用群の比較を行い,28日死亡率に有意差はみられなかった.櫻井ら[48]は,急性期DIC診断基準を満たした敗血症性DIC患者60例を対象としてrTM単独投与群とrTM+AT併用群を比較しており,28日死亡率に有意差はみられなかった.これらは結果だけ見ればATよりもrTMの方が優位であることを示唆するものである.

■これらとは別に,最近,Tagamiら[49]が本邦DPCデータを用いた大規模解析を行っている.この研究は,936施設の重症肺炎に伴う敗血症性DIC患者6342例を対象とし,propensity score matching解析でrTM投与群と非投与群の28日死亡率を比較したものであり,マッチした1140ペアの集団での比較(37.6% vs 37.0%; OR 1.01; 95%CI 0.93-1.10)およびその集団でのロジスティック回帰解析(OR 1.00;95%CI 0.87-1.22)において,rTMの予後改善効果はみられなかったとしている.

■ただし,本研究は他の観察研究とその種類がかなり異なる.DPCデータであるため詳細な検査値や重症度は不明であること,アップコーディング(DICでないのにDIC病名がついている)を除外できないこと,no CPRとなった症例を除外できないことはかなり大きなlimitationであると思われる.また,propensity scoreでの説明変数はDPCの性質上,すべて0か1の2つの値のみであり連続変数ではない.そもそもpropensity scoreは予後をアウトカムとするならばそれに影響を与えうる根拠のある説明変数をできる限り多く組み込む必要があるが,DPCデータから得られる変数では不十分であると思われる.さらに,マッチングにより2/3の集団がそぎ落とされており,どのあたりの集団を見ているのか注意が必要である.もしrTM投与群と非投与群の重なりが軽症側にかなり偏っていた場合,マッチングで得られるのはrTMの効果が得られにくい集団となっている可能性もある.このように,研究デザインによる限界を検証するにもDPCデータそのものに含まれる情報が少ないがために検証そのものが困難である.このような解析をするのであれば,詳細データも検討できるJIPADとDPCの統合データでの解析を待つべきではないだろうか.

(3) メタ解析

■Yamakawaら[51]は,敗血症性DICに対するrTMを検討した12研究(RCT3報838例,観察研究9報571例)のメタ解析を行っている.死亡における相対リスクは,RCTで0.81 (95%CI 0.62-1.06)と有意でない減少を示し,観察研究では0.59(95%CI 0.45-0.77)であった.回帰解析では,各研究において,rhTM治療の効果量とベースラインの死亡率に有意な負の相関がみられ(p=0.012),ベースラインのリスク増加に伴ってrhTM治療が有益となる確率が増加することを示唆している.重篤な出血合併症リスクはrhTM群と対照群で有意差はみられなかった.死亡率,重篤な出血におけるエビデンスの質を中等度と判定している.

■以上の知見をまとめる.
敗血症性DICに対するrTMのエビデンス
・大規模RCTにおいて死亡率改善を支持する根拠は乏しい.
・ただし,これらのRCTは,有意水準5%での死亡率を主要評価項目とした研究ではなく,死亡率評価のためのサンプル数としては不適切な可能性があること,死亡リスクの低い比較的軽症例が含まれていること,原疾患治療困難な血液悪性腫瘍患者や敗血症に至っていない感染性DICなど敗血症以外の疾患を含んでいることから,厳密な敗血症性DICに対するrTMの効果を検証するには不十分である.
・各施設で行われた後ろ向き観察研究では,RCTに比して重症例が多く登録されており,多くの報告がrTMによる死亡率改善効果を示唆する結果となっている.ほとんどがrTM発売を境とした前後比較研究であり,ベースの治療成績の変化など多大なバイアスの存在が危惧される.
・DPCデータのpropensity score matching解析については,大規模解析であるが,連続変数の評価ではない,アップコーディング,重症度不明,変数に組み込まれる予後規定因子が不十分など多数の限界があるため,現時点では結論がだせない.
・重症度が高い患者集団ほどrTMの死亡リスク改善効果が得られる可能性がある.

(4) 今後何を明らかにすべきか?

■ここからはほぼ私見になるが,これまでのエビデンスを見る限り,今後必要なrTMの研究としては,DIC診断基準を満たし,かつ敗血症の中でも重症度の高い集団を対象とした大規模二重盲検RCTであるのは明白である.特に重症度については,近年の敗血症の死亡率が低下していることから,軽症例まで含めば対照群の死亡率もかなり低くなることが予想され,有意差を検討するならばそれなりの重症度の患者を登録する必要がある.

■しかし,本邦の特性上,このようなRCTを組むことは困難を極める.その背景が如実にでたのが日本救急医学会DIC特別委員会による,敗血症性DICに対するATの効果を検討した13施設共同のRCTである.58例登録の時点で中間解析が行われ,AT群で有意なDIC改善効果がみられたものの,28日死亡率は有意差が認められなかった(10.7% vs 13.3%, p=1.00).本研究は死亡率で有意差をみるには検出力不足(4900例必要)と判定され,わずか60症例を登録するのに3年を要したことなどから,この中間解析をもって中止となった.さらに重症でない敗血症も登録可能であり,対照群はメシル酸ガベキサートを使用してもいいなど,これで死亡率改善効果を示すことはできないであろう.これが日本の集中治療領域におけるRCTができない現状である.

■ならば前述の海外で現在行われている第Ⅲ相試験はどうか.この試験で結果がポジティブであれば,rTMは海外市場進出となり,その後はさらなる臨床研究が進んでいき,新たなエビデンスが構築されていくだろう.しかし,私の個人的見解では海外第Ⅲ相試験のこの研究デザインではネガティブな結果になるのではないかと考えている.理由としては,登録基準がDICでないこと,サブ解析で得られた結果をもとに登録基準を定めたこと(これまで集中治療領域においてサブ解析の結果をもとにRCTを組んでポジティブな結果となったのはARDSに対する腹臥位療法の有効性を示したPROSEVA studyしかない)が挙げられる.ここで結果がネガティブであれば,STRIVE studyによって海外では使用されることがなくなったシベレスタットと同様の運命をたどることとなり,おそらく今後海外でRCTが組まれることはなくなるだろう.それだけになぜこのような研究デザインなのは残念ではある.

■また,同時に,rTMの投与タイミングなどを明らかにする必要もあるかもしれない.近年,炎症急性期の凝固反応は生理的防御機構を有するとする,いわゆるimmunothrombosis[52]の概念が提唱されており,DICではない状態でのrTM投与はむしろ生理的範囲の生体防御機構を攪乱し,逆効果となるかもしれない.Schoutenら[53]は,野生型マウスとTMのレクチン様ドメイン欠損マウス(いずれも非DIC状態)に肺炎球菌を感染させると,欠損マウスの方が生存率が低かったと報告している.さらに同研究グループは,DIC非合併の肺炎球菌肺炎においてEPCRは抗菌防御作用を障害し,炎症を増悪させるとも報告している[54].このように,炎症・凝固過剰状態でない状態ではrTMはむしろ生体に不利に働く可能性があり,菌クリアランスが低下していることも考慮すれば,生理的に必要な免疫を抑制してしまう可能性がある.

■実際,TM-PC凝固制御系は抗炎症性サイトカインIL-10をアップレギュレーションすることが知られているが[21],このIL-10はSIRSと相反する免疫抑制状態であるCARSに関連するサイトカインでもある.加えて,rTMがTreg(制御性T細胞)を増加させることも報告されている[55,56].Tregは敗血症病態においてはCARS病態への関与も指摘されており,Tregの増加が敗血症の予後を改善するかどうかは疑問である.実際に,Hirakiら[57]は,CLP敗血症マウスモデルにおいてTregが増加し,抗IL-10中和抗体,抗TGF-β中和抗体を投与することでTregを制御すると予後が改善したと報告している.また,Onoら[58]は,腹腔感染症による敗血症患者32例において,PMX-DHPを施行することで,死亡例より生存例の方がTregが有意に減少していたと報告している.rTMの早すぎる投与や,長々と投与することは免疫に対する過剰な負の影響を与える可能性を考慮し,投与開始・終了の適切なタイミングを検討する研究が必要である.

→遺伝子組換えトロンボモデュリンは敗血症性DICに有効か?(1)作用機序

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by DrMagicianEARL | 2015-03-11 21:18 | 敗血症性DIC | Comments(0)
遺伝子組換えトロンボモデュリンは敗血症性DICに有効か?(1)作用機序

1.rAPCの市場撤退とrTMの登場

■2001年に報告されたPROWESS study[1]で唯一の敗血症治療薬として注目を集めたrAPC(recombinant Activated Protein C:遺伝子組換え活性化プロテインC,Xigris®,Ely Lilly社)は,その後Surviving Sepsis Campaign Campaign Guidelines(SSCG)2004[2],2008[3]で推奨された.しかし,その後PROWESS studyに対する数多くの問題点が指摘され,再検証として行われたADDRESS[4],RESOLVE trial[5]でrAPCは効果を否定されていった.そして,大規模RCTであるPROWESS-SHOCK study[6]の中間解析において,rAPCは死亡率を改善させず出血を増加させる結果となり,販売元であるEly Lilly社が2011年秋に市場撤退を決めたことにより姿を消した.SSCG 2012[7]ではrAPCの推奨はなくなり,「遺伝子組み換え活性化プロテインCに関する推奨の歴史(History of Recommendations Regarding Use of Recombinant Activated Protein C)」という内容が掲載されたのは記憶に新しい.

■rAPCは日本では発売されることはなかった薬剤であるが,このrAPCと入れ替わるように登場したのが2009年から発売開始となったrTM(recombinant thrombomodulin:遺伝子組換えトロンボモデュリン,リコモジュリン®,旭化成ファーマ/ファイザー)であり,敗血症に対して現在使用可能な薬剤の中で最も期待されている薬剤の1つである.この背景には,日本がDIC(Disseminated Intravascular Coagulation:播種性血管内凝固)研究の最先進国であり,加えて近年の凝固炎症のCross talk[8]が注目されているという流れがある.現在,このrTMを敗血症性DICにおいて使用するかについて議論が続いている.これはDICの改善効果については疑う余地もないが,肝心の死亡率改善の質の高いエビデンスが得られていないという現状があるためである.DICを合併すると敗血症の死亡率は増加するが,DICを治療しても死亡率が改善する根拠はいまだ乏しい.

■本レビューでは敗血症性DICに対するrTMのこれまでの知見を検証する.なお,COIとして筆者はrTM製造販売メーカーである旭化成ファーマ/ファイザーの主催の研究会・講演会において,過去にrTM関連で3回講演(他に座長1回)を行って同社から講演料を受け取っていること,使用範囲を限定しているがrTMを実臨床で使用している医師であることを予め断っておく.

2.敗血症性DICに対するrTMの作用機序

■TM(thrombomodulin)は血管内皮細胞上に,1細胞あたり5-10万の数で分布して存在する分子量78000の糖蛋白質であり[9],NH2末端レクチン様ドメイン,EGF様ドメイン1-6,O型糖鎖結合ドメイン,細胞膜貫通ドメイン,細胞質内ドメインの5つの領域から構成されている[10-12].このTMのNH2末端レクチン様ドメイン~O型糖鎖結合ドメインの部分がrTMとして製剤化されている.
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■TMはPC(プロテインC)を介したTM-PC凝固制御系により血流を維持しており[13],これは凝固反応のnegative feedbackである.敗血症病態において生じた凝固反応でトロンビンが生成され,このトロンビンの活性中心近傍(exocite 1)が血管内皮細胞上のTMのEGF様ドメイン5,6に結合し[14],トロンビンとその基質のフィブリノゲン,凝固因子V,VIII,XIII,PAR-1(Protease-Activated Receptor-1)との相互作用が阻止される.このTMとトロンビンの結合は1:1であり,可逆的である.

■さらに,結合したトロンビンはPCを特異的に活性化できるようにトロンビンの基質選択性を変化させる.このTM-トロンビン複合体が近傍のEPCR(Endothelial Protein C Receptor;血管内皮プロテインC受容体)に結合しているPCの高分子量鎖のアミノ末端ペプチドを切断し,APC(Activated Protein C)を生じる[15,16].APCはPS(Protein-S)と複合体を形成し,凝固カスケードの律速因子である活性化凝固因子Va,VIIIaを分解・失活化させることで抗凝固活性を発揮する[17,18]

■同時に,APCはPAI-1(Plasminogen Activator Inhibitor-1)を抑制し,線溶促進作用も示す[19]が,TM-トロンビン複合体は線溶系阻害因子であるTAFI(Thrombin Activatable Fibrinolysis Inhibitor)を活性化することで,フィブリン血栓上のt-PA(tissue Plasminogen Activator;組織型プラスミノーゲン活性化因子)によるプラスミン生成反応を抑制することで過剰な線溶亢進状態を制御する方向に働く.APCによる活性化凝固因子VaとVIIIaの失活によりトロンビン生成量が減少するとTAFI活性化は抑制される.

■TMのもう一つの特徴として,抗炎症作用がある.TM-トロンビン複合体によって惹起されたAPCはEPCRに結合することでPAR-1を活性化する(通常,PAR-1の活性化は向炎症作用があるが,EPCRを介した活性化は逆に抗炎症に働く)[20].活性化されたPAR-1により血管内皮細胞での接着分子の産生阻害や好中球の活性化阻害を示す[13,21].また,細胞死やNETs(Neutrophil Extracellular Trapping system)によって放出されるヒストンをAPCが分解することで抗炎症作用を発揮する[22].さらに,EPCRによって活性化されたPAR-1はSphK1(Sphingosine Kinase 1)を活性化し,生成されたS1P(Sphingosine-1-Phosphate)の細胞外への有利を介してS1P1(S1P receptor-1)が活性化され,血管内皮細胞の抗アポトーシス作用,抗炎症作用を発揮する[23]

■また,TMの直接の抗炎症作用も知られている.エンドトキシンはTMのレクチン様ドメインに吸着されると報告されている[24].TMのレクチン様ドメインはHMGB-1(High Mobility Group Box-1)を吸着,中和させ[25,26],さらに,EGF様ドメイン4-6に結合したトロンビンによって分解・失活するとも報告されている[26].さらに,細胞外ヒストンもTMと結合し,中和されることが報告されている[27].加えて,DICは凝固カスケード反応によるトロンビンだけでは生じず,このHMGB-1やヒストンの増加を伴うことで生じることが近年示唆されており[28-30],TMはこの2つを中和作用による抗凝固作用も発揮していることになる.2015年1月の米国集中治療医学会においてはSugaらが,rTMがNETs formationを阻害することを報告している(SCCM Critical Care Congress 2015 O-62).

■生体においては上記メカニズムによって生体の恒常性を維持しているが,敗血症患者では好中球エラスターゼによって血管内皮細胞上のTMが切断される(このため初期は血中TM濃度が上昇する).加えて,TNFα等の炎症性サイトカインによって血管内皮細胞でのTM発現のダウンレギュレーションが生じる[31].同時に,線溶系もTNFαとエンドトキシンによって血管内皮細胞上のPAI-1の発現量の急激な増加により抑制される[32].これにより凝固線溶系の恒常性が破綻し,DICに進展する.この減少したTMを補う目的でrTMが投与される.

→遺伝子組換えトロンボモデュリンは敗血症性DICに有効か?(2)臨床エビデンス

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by DrMagicianEARL | 2015-03-10 15:50 | 敗血症性DIC | Comments(0)
CQ8.血糖コントロール
CQ8-1.強化インスリン療法(目標血糖値80-110mg/dL)を行うか?

CQ8-2.目標血糖値はいくつにするか?

CQ8-3.血糖測定はどのような機器を用いて行うか?

CQ9.栄養管理
CQ9-1.経腸栄養と静脈栄養のどちらを優先するか?

CQ9-2.経腸栄養をいつ始めるか?

CQ9-3.経腸栄養の至適投与エネルギー量は?

CQ9-4.経静脈栄養をいつ始めるか?

CQ9-5.経静脈栄養の至適投与エネルギー量は?
 CQ9-1がどのような推奨になるかに注目している.EPaNIC trialでは経腸栄養が有用,Swiss SPN studyでは経静脈栄養併用が有用との結果で激論が交わされている.そのような中,最新の研究である大規模RCTのCALORIES trialでは経腸栄養と経静脈栄養とで死亡率に有意差はなく,低血糖や嘔吐は経腸栄養群の方が多く,感染症合併率に有意差はないという結果であり,この研究をもって経腸栄養をやめる施設はあまりないであろうが,エビデンス上はどのような扱いとなるかである.この部分については先に日本集中治療医学会より栄養管理のガイドラインが発表される予定であり,新たな研究結果がでない限りそれを踏襲する形になると思われる.

 今回,免疫栄養がCQから姿を消した.大規模RCTであるREDOXS study,MetaPlus studyによって免疫栄養はむしろ有害事象を増加させる可能性を指摘された.その一方でn-3系多価不飽和脂肪酸を豊富に含んだ脂肪乳剤に関してはICU Lipid studyでポジティブな結果であった.ただし,いずれも日本の環境にそぐわない(栄養剤が異なる,グルタミンの投与量が非常に多い上に静脈投与している,魚油由来の脂肪乳剤を用いている)ため,現時点では日本において何らかの推奨は出しにくいと思われる.
CQ10.ステロイド
CQ10-1.敗血症性ショック患者にステロイドの投与を行うか?

CQ10-2.ステロイドの投与時期は早期投与か晩期投与か?

CQ10-3.ステロイドの至適投与量,投与期間は?

CQ10-4.どの種類のステロイドを投与するか?

CQ10-5.小児の敗血症患者に対するステロイド投与の適応と有効性は?
 ステロイドに関しては目立ったエビデンスの変化はないと思われる.この部分については,ANZICSが開始した,大規模RCTのADRENAL studyを待つことになる.本研究は登録予定患者数が敗血症研究史上最大の3800例を予定されており,ステロイド療法に決着がつくかもしれない.
CQ11.DIC対策
CQ11-1.敗血症性DICの診断を急性期DIC診断基準で行うことは有用か?

CQ11-2.敗血症性DICにリコンビナントトロンボモデュリンは有用か?

CQ11-3.敗血症性DICにアンチトロンビンの補充は有用か?

CQ11-4.敗血症性DICにタンパク分解酵素阻害薬は有用か?

CQ11-5.敗血症性DICにヘパリン,ヘパリン類は有用か?

CQ11-6.凝固異常改善を目的とした新鮮凍結血漿投与を行うか?

CQ11-7.敗血症において赤血球輸血はいつ開始するか?

CQ11-8.重症敗血症に対して血小板輸血を行うか?
 DIC以外の範囲までをカバーした内容になっているが,赤血球輸血に関しては循環管理においても取り上げられており,混乱しないだろうか?
CQ12.AKI・急性血液浄化療法
CQ12-1.敗血症においてAKI診断・重症度分類は予後予測に有用か?

CQ12-2.敗血症性AKIに対する腎代替療法(RRT)の早期導入を行うか?

CQ12-3.敗血症性AKIに対する血液浄化法は持続,間歇のどちらが推奨されるか?

CQ12-4.敗血症性AKIに対して血液浄化量を増やすことは有用か?

CQ12-5.敗血症性ショック患者に対してPMX-DHPの施行は推奨されるか?

CQ12-6.重症敗血症患者に腎補助以外の目的で血液浄化を行うか?

CQ12-7.敗血症性AKIの予防・治療目的に薬物治療は推奨されるか?
 注目すべきはPMX-DHP,non-renal indication(とりわけAN69ST(SepXiris®))であろう.PMX-DHPについては既に昨年の国際救急集中治療学会においてABDO-MIX studyの結果が発表されている.死亡率はITT解析で27.7% vs 19.5%(p=0.1391),PP解析で26.7% vs 19.5%(p=0.1931)となっており,有意差はないもののPMX-DHP群で7-8%ほど死亡率が高い傾向がみられている.これに関してはPMX-DHP続行不能症例(PMX-DHP群の32%が該当,死亡率47%)がPMX-DHP群の死亡率を大きく引き上げており,原因は明らかにされていない.しかし,このABDO-MIXが論文化されれば本ガイドラインにエビデンスとして採用されることになり,逆風になると思われる.

 また,余談ではあるが,現在スイスでもEndox studyが開始されている.この研究はAN69STのカラムの電荷を少し変えてエンドトキシンを効率よく除去できるようにしたoXirisというもので,このoXiris群,PMX-DHP群,標準治療群を比較した3アームのRCTである.この結果でPMX-DHPが優位性を示せなければ,コスト面も考慮すると優先順位は下がることになるかもしれない.
CQ13.免疫グロブリン
CQ13-1.敗血症患者に対する免疫グロブリン投与を行うか?
 RCT全体のメタ解析ではポジティブ(ただし,N数が最も多い本邦のRCTの研究デザインは質が低い),質の高いRCTのメタ解析ではネガティブ,その後に報告された大規模RCTのSBITSもネガティブという結果であった.ただし,SSCGが発表されて以降の大規模RCTでの検証はない.これについては近年,日本救急医学会,日本集中治療医学会からSepsis Registryデータの多変量ロジスティック回帰解析,Propensity Score Matching解析などが試みられ,免疫グロブリンが死亡率を改善させている可能性が示唆されている.ただし,本結果はいまだpublishされていないことに加え,第42回日本集中治療医学会での委員会報告を見る限りデータクリーニング不十分でデータそのものの信頼性に問題があると思われ,現時点でエビデンスとして組み込むことは好ましくないと思われる.
CQ14.鎮痛鎮静
CQ14-1.成人の重症敗血症患者に対し,鎮痛を優先させる管理を行うか?

CQ14-2.成人の重症敗血症患者に対し,1日1回覚醒させる鎮静管理または浅めの鎮静深度を維持する鎮静管理を行うか?

CQ14-3.成人の重症敗血症患者において,せん妄の早期診断と介入を行うか?
 今回新たにPADが加わった.PADガイドライン以降,敗血症に関して新たなエビデンスは出ていないため,既出のガイドラインを踏襲することになると思われる.
CQ15.PICS,ICUAW
CQ15-1.ICUAWの予防に電気筋刺激を行うか?

CQ15-2.PICS/ICUAWの予防に早期リハビリテーションを行うか?
 今回新たな項目として長期機能予後やQOLにかかわるPICS(post-intensive care syndrome),ICU患者に生じる原因不明の麻痺であるICUAW(ICU-acquired weakness)が追加された.現時点ではこれらに対する介入として質の高いエビデンスはない.今後,PICS/ICUAWの周知,研究推進などがなされていくだろう.
CQ16.体温管理
CQ16-1.発熱した敗血症患者に解熱療法は有用か?

CQ16-2.低体温の敗血症患者は復温させるか?
 本項目も新たに追加となった領域である.敗血症では低体温は予後が悪いこと,FACE studyで示された解熱療法が有害である可能性等から,体温管理について何らかの言及が必要であろう.日常診療において高熱があれば解熱薬で下げなければならないという誤解は払拭されるべきである.
CQ17.小児
CQ17-7.小児患者では小児用血液培養ボトルを使用するか?

CQ17-8.小児敗血症性ショックに対する循環作動薬はどのようにするか?

CQ17-9.小児敗血症患者の循環管理の指標としてのCRTの使用は用いるか?

CQ17-10.小児敗血症患者の循環管理の目標としてScvO2またはLactateを用いるか?

CQ17-11.小児敗血症患者の目標ヘモグロビン値はどうするか?

CQ17-12.小児敗血症患者に対するステロイド投与は有用か?

CQ17-13.腎補助以外の目的で血液浄化療法を行うか?

CQ17-14.小児敗血症患者に対する免疫グロブリン療法は有用か?

CQ17-15.小児敗血症患者の目標血糖値はどのようにするのか?

CQ17-16.小児敗血症性ショックの管理にACCM-PALSアルゴリズムは有用か?

CQ17-17.小児敗血症性ショックの管理に輸液および循環作動薬の一時的投与経路として骨髄路の使用はするか?

CQ.敗血症の定義と診断に関する総論的な記述内容
CQ1-1.敗血症の定義は?

CQ1-2.敗血症の重症度分類は?

CQ17-1~6.小児患者で敗血症・重症敗血症・敗血症性ショックの診断をどのように行うか?
CQ17-1.現行の定義の妥当性の評価
CQ17-2.感染症(可能性を含む)+SIRSでよいか?
CQ17-3.SIRSを採用するとき,4項目中2項目でよいか?
CQ17-4.SIRS項目の心拍数と呼吸数は現行の基準でよいか?
CQ17-5.重症敗血症の臓器障害基準を小児用に設定する必要があるか?
CQ17-6.敗血症性ショックの基準としての低血圧基準をどうするか?



日本版重症敗血症診療ガイドライン2016 CQ案パブリックコメント募集(1)

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by DrMagicianEARL | 2015-03-09 19:04 | 敗血症 | Comments(0)
■日本版敗血症診療ガイドライン(日本集中治療医学会作成)が2012年に作成・発表されています.このガイドラインは,システマティックレビューに基づいた厳密なガイドラインというわけでもなく,様々な問題点の指摘もあったのも事実です.このガイドライン委員会はすでに解散となっておりますが,今回,藤田保健衛生大学の西田修先生を委員長として,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両学会から選出された委員(コアメンバー)とワーキンググループメンバーの総勢71名で構成される「日本版重症敗血症診療ガイドライン2016作成特別委員会(JAPAN SEPSIS 2016)」が設置され,2016年内の初版の改訂版の公開を目指して2014年夏から活動を開始しています.

■本日3月5日より,この日本版重症敗血症診療ガイドライン2016のClinical Question(案)がまとまり,パブリックコメントの募集が開始となりました.今回は私も2つの領域のワーキンググループメンバーとして参加しております.皆様の忌憚なき御意見を賜れれば幸甚です.
「日本版重症敗血症診療ガイドライン2016」
クリニカルクエスチョン案 パブリックコメント募集のお知らせ

期間:2015年3月5日(木)から3月31日(火)【必着】
http://www.jsicm.org/jyusyo_haiketu2016.html

■以下では本ガイドラインCQ案について書いていきます.

1.本改訂について

■今回の改訂は改訂というよりも一から作り直しに近い.MINDsのGUIDEシステムトライアルに参加し,MINDsからの支援を受けて作成を行っている.また,各項目領域のワーキンググループメンバーとは別に,どの領域にも属さない独立したグループであるアカデミックガイドライン推進班を立ち上げており,このグループは各ワーキンググループへの監査,ガイドライン全体としての一貫性をもたせるための調節の役割を担っている.また,相互査読制度を取り込み,全メンバーで自分の担当項目以外の項目の匿名査読評価を行うシステムを導入している.作成・議論等はすべて各ワーキンググループごとのメーリングリスト上で行い,コアメンバーとアカデミックガイドライン推進班がROMしている.2014年夏頃より活動を開始し,2016年日本集中治療医学会学術集会でドラフト発表,その後パブリックコメント募集を経て完成版を発表する.また英文化も予定している.

■本ガイドラインの各項目はIntroduction,CQ(Clinical Question),Answer,根拠で構成され,そのうちのCQを今回作成している.CQは18領域,全88項目で,初版にあった「蛋白分解酵素阻害薬」が削除となり(このためシベレスタット(エラスポール®),ウリナスタチン(ミラクリッド®)の名前はCQ案にはない),「感染巣に対する処置」「鎮痛鎮静」「体温管理」「PICS/ICUAW」「小児」が新たに追加となっている.

■2014年8月末より各ワーキンググループでCQ作成作業を開始した.CQはガイドラインの最重要部分であり,CQによって扱う内容,重要度,作成仕事量などが決定される,いわば骨組の役割となるため,この部分の作成は念入りに行う必要がある.CQの作成は,まずPICO(P:対象,I:介入,C:対照,O:アウトカム)を決定し,各アウトカムごとにシステマティックレビューを行う.たとえばアウトカムが3つ(死亡率,ICU在室日数,副作用)があればシステマティックレビューも3つ行う.これはGRADEシステムと同様の手法である.海外ではシステマティックレビューを行うサービスがあるが日本にはなく,ワーキンググループメンバーが日常診療を行いながらシステマティックレビューを行わなければならず,仕事量と時間的制約は厳しい.よって,SSCG 2012以降に新たな知見がない場合はSSCG 2012を踏襲し,新たに知見がでている場合に限りシステマティックレビューを行う.

■まず,各ワーキンググループがCQを作成し,一方でアカデミックガイドライン推進班がSSCG 2012や日本版初版のCQ項目,2012年以降に出た質の高いRCTなど(約100文献)を検索してまとめて各ワーキンググループに提示し,1回目のCQ改訂作業を行った.改訂したCQについて,今度は自分の担当していない他の項目のCQを匿名査読する作業をガイドラインメンバー全員で行い,その結果を各ワーキンググループに提出し,2回目のCQ改訂作業を行った.そしてコアメンバーによる委員会で各委員がCQを発表し,討議の上採用可否を決定した.今回,パブリックコメント募集直前の最終調整を経たものが公開されたCQ案であり,ここまで6カ月間の議論を重ねてきたものである.

2.Clinical Question

■以下では各CQと私が個人的に気になった点を挙げている.
CQ1.敗血症の診断と定義

CQ1-3.敗血症診断にバイオマーカーを用いるのは有効か?

CQ1-4.重症敗血症診断に日々のルーチンスクリーニングは有用か?
 ここでのバイオマーカーはCRP,プロカルシトニン,プレセプシン,IL-6などが挙げられている.しかし,これらのうちどれが精度が高いかについて論じるのは難しい.現在敗血症では200近いバイオマーカーが研究されているが,現時点では高い確実性をもったバイオマーカーはない.また,現時点で敗血症診断にゴールデンスタンダードは存在しないため,バイオマーカーの精度評価そのものが困難となっていることを留意しておく必要がある(何をもって敗血症と診断したかの研究デザイン次第で精度が変わりうる).ここ3年間で新たな研究が複数報告されているものの現状は変わらないと推察される.

 日々のルーチンスクリーニングはとりわけ敗血症診療に慣れていない施設では威力をおおいに発揮すると推察される.当院も敗血症診療に不慣れであったが,SIRS基準を徹底しただけでその早期診断率と治療成績が飛躍的に向上している.もっともSIRS基準を意識することで,患者のバイタルで特にどのような変化を重視するのかの認識や,呼吸数をちゃんと計測することなどの副次的メリットも大きいと思われる.SSCG 2012では「敗血症の早期発見と早期治療を行うために,感染症の可能性のある重症患者にルーチンで重症敗血症のスクリーニングを実施することを推奨する(Grade 1C)」としている.
CQ2.感染症の診断
CQ2-1.血液培養はいつどのように採取するか?

CQ2-2.血液培養以外の培養検体は,いつ何をどのように採取するか?

CQ2-3.グラム染色は培養結果が得られる前の抗菌薬選択に有用か?
 血液培養に関しては,敗血症であれば必ず採取すべきであるが,本CQ2-1では対象が「敗血症患者」ではなく「菌血症を疑う患者」となっているのはどう解釈すればよいのだろうか?感染症という観点では,例えば髄膜炎や腎盂腎炎等では必須とされているが,肺炎では全例で血液培養を施行することは陽性率やコストを考慮するとルーチンで行う必要はないとする報告も複数ある.菌血症を効率よく見つけるタイミングに関しては現時点ではゴールデンスタンダードはない.発熱時に採取すべきとの意見はよく聞かれるが,エビデンス上は発熱時に採取してもその陽性化率が特段変わるわけではないとされている.

 グラム染色については,海外文献ではその有用性が否定されているため,システマティックレビューを行うとその精度は高くないだろう.しかし,注意すべきはこれらの報告はグラム陽性か陰性か,球菌か桿菌かの4パターンしか見ておらず,極めて雑な報告ばかりで,これをもって有用性を否定すべきではないと思われる.肺炎球菌,インフルエンザ菌,ブドウ球菌,腸球菌,アシネトバクターなどはグラム染色で判断可能となりうる菌であり,抗菌薬選択において重要なツールとなりうると推察される.今回のガイドラインでは,エビデンスレベルは低いが強く推奨するという内容になるだろうか?
CQ3.抗菌薬治療
CQ3-1.有効な抗菌薬治療を1時間以内に開始するか?

CQ3-2.重症敗血症の経験的抗菌薬治療において併用療法は推奨されるか?

CQ3-3.どのような場合に抗カンジダ薬を開始すべきか?

CQ3-4.βラクタム剤の持続投与または投与時間の延長は行うか?

CQ3-5.抗菌薬のディエスカレーションは推奨されるか?

CQ3-6.抗菌薬はどのような基準で中止したらよいか?
 コアとなる抗菌薬領域であるが,今回抗カンジダ薬の扱いが追加となっている.敗血症の原因菌別でみると,カンジダ血症は最も死亡率が高いとする報告が過去にあり,また,カンジダ自体が鑑別からはずれてしまうことも日常診療上よく見かける.近年,β-D-グルカンの有用性の報告も相次いでいること,本邦で進められたACTIONs BUNDLEでも良好な結果が得られていることを考慮すれば,CQにカンジダに関する内容が明記されたことはしごく妥当と思われる.
CQ4.画像診断
CQ4-1.感染巣制御のために画像診断は行うか?

CQ4-2.感染巣が不明の場合,早期(造影・全身)CTは有用か?

CQ5.感染巣に対する処置
CQ5-1.腹腔内感染症に対する感染源のコントロールはどのように行うか?

CQ5-2.感染性膵壊死に対する感染源のコントロールはどのように行うか?

CQ5-3.感染源を血管カテーテルと判断して早期に抜去することが推奨されるのはどのような場合か?

CQ5-4.急性腎盂腎炎に対する感染源のコントロールはどのように行うか?

CQ5-5.壊死性軟部組織感染症に対する感染源のコントロールはどのように行うか?
 初版にはない新たな項目として追加になった領域であるが,すべて各論的な内容となっている.総論的内容はIntroductionで触れるということであろうか?SSCG 2012では「緊急のsource controlが必要な解剖学的に特異な感染巣の検索を行い,可能な限り速やかな診断/除外がなされ,可能なら診断後12時間以内にsource controlを行う」としており,これはCQとして含めてもよかったのではないか?と思われる(敗血症に不慣れな施設ではこれが常識として認識されているわけではない).
CQ6.初期蘇生と循環作動薬
CQ6-1.初期蘇生にEGDTを用いるか?

CQ6-2.初期輸液として晶質液,人工膠質液のどちらを用いるか?

CQ6-3.輸液療法としてアルブミンを用いるか?

CQ6-4.初期輸液の輸液反応はCVP,SVV,心エコーのどれを指標にするか?

CQ6-5.第一選択としてノルアドレナリンを使用するか?

CQ6-6.ノルアドレナリンの昇圧効果が十分でない場合,アドレナリンを使用するか?

CQ6-7.心機能不全に対してドブタミンを使用するか?

CQ6-8.初期蘇生の指標としてScvO2,Lactateは有用か?

CQ6-9.初期蘇生におけるHbの目標値は?
 今回の改訂で私も一番注目している項目である.2つの大規模RCTであるProCESS,ARISEでEGDTプロトコルは標準治療と比較して死亡率に有意差がなかった.この結果をネガティブととらえるか否かだが,非救急医,非集中治療医でも標準レベルの敗血症治療ができるようにするという目的も持っているのがガイドラインであり,標準治療の治療成績が管理に慣れている救急集中治療医によって担保されていることを考えれば,EGDTプロトコルによって救急集中治療医の循環管理と同等の治療成績がだせるととらえることもでき,推奨されるべきものだと考える.

 CQの各項目を見るにバソプレシンへの言及がないのはなぜであろうか?もっとも日本ではあまりバソプレシンは好まれていないようではあるが,それなりにRCTは出されている.
CQ7.呼吸
CQ7-1.人工呼吸中の敗血症患者の一回換気量の目標値はどうするか?

CQ7-2.人工呼吸中の敗血症患者の気道内プラトー圧の目標値はどうするか?

CQ7-3.敗血症性ARDSにおいて高め(≧12cmH2O)のPEEPを用いるか?

CQ7-4.人工呼吸中の敗血症患者の適切な体位は?

CQ7-5.敗血症性ARDSに対する輸液過剰は有用か?
 CQ7-4での体位は「頭高位か仰臥位か」の比較であって,PROSEVA trialで有意に死亡率を改善させたとする腹臥位療法がCQに含まれていない(SSCG 2012では推奨あり).これに関してはメタ解析も複数でている.CQ採用されなかったのは,慣れていない施設ではむしろ危険な手技であるから,というスキル上の問題点をはらむからかもしれない.


→日本版重症敗血症診療ガイドライン2016 CQ案パブリックコメント募集(2)

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by DrMagicianEARL | 2015-03-09 17:29 | 敗血症 | Comments(0)

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