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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

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Summary
・固形癌患者の感染症を最も規定する因子は好中球減少や細胞性免疫不全よりも癌そのものによる解剖学的異常であり,CTで構造的評価が必要となることがある.
・終末期癌患者は多様な感染症リスクを有し,広範囲の感染症に罹患しえ,死亡の主たる要因であるが,感染症とその他の炎症病態を鑑別することはしばしば困難となる.
・肺炎,尿路感染症が多く,いずれも3-5割を占める.原因菌では腸内細菌(特に大腸菌)と黄色ブドウ球菌が多い.
・抗菌薬治療により生存率向上,症状改善,快適さの向上が得られるとの報告があるが,一方でその改善率は非常に少ないとも報告されている.
・尿路感染症では抗菌薬は非常に有効であるが,その他の感染症においては抗菌薬奏功度は半分以下である.
・発熱のみをもって抗菌薬を投与することは治療失敗リスクを上昇させる可能性がある.
・複数の抗菌薬による広域カバーは副作用リスクや死亡リスクを増大させる可能性がある.
・患者側には抗菌薬に対する過剰な期待があり,抗菌薬投与の意思決定プロセスは医師単独で行われる傾向があり,是正が必要である.
・抗菌薬投与については,患者・家族,主治医や病棟スタッフ,PCT,ICTをまじえた検討が望ましく,そのゴールは治癒よりも症状緩和とすべきであり,症状改善がない状態での抗菌薬の漫然とした投与は避けるべきである.
■終末期の癌患者において感染症は頻繁にみられるが,同時に感染症以外での発熱や炎症もよく見られるものであり,感染症の診断自体が困難となることがある.このような患者において抗菌薬を投与するべきであろうか?抗菌薬を投与せず亡くなられる患者もいれば,カルバペネム系抗菌薬を亡くなるその瞬間まで投与されているケースもある.以下では,終末期の癌患者における抗菌薬投与の是非についてレビューを行った.

1.終末期の癌患者における感染症

■一口に癌患者といっても感染症リスクは非常に多様である.血液悪性腫瘍と固形腫瘍では感染症リスクは大きく異なるし,固形腫瘍でも免疫不全の程度はばらつきが非常に大きい.このため,癌患者全体でとらえるのではなく,個々の患者においてどの程度の感染症リスクがあるのかについて,知識とアセスメントが必要であり,「癌患者だから免疫不全」という単純な考え方は避けるべきである.

■固形腫瘍患者の感染症を最も規定する因子は好中球減少や細胞性免疫不全よりも解剖学的異常である.固形癌に伴う臓器障害や生体バリアの機能不全といった物理的要因も免疫不全を形成しうる[1].感染症を疑う場合,通常の市中感染症,医療関連感染症,日和見感染症のどれで考えるか,免疫不全がどの程度かを検討しなければならない.それを踏まえた上での抗菌薬投与は一般的な感染症診療の原則に基づいて行うが,前述の通り,(感染症治療を行うのであれば)腫瘍に伴う解剖学的異常を検索する意味も含めてCT検査は積極的に行うべきかもしれない.

■加えて,終末期の癌患者は低栄養状態,骨髄抑制,ステロイド治療,オピオイド投与,医療デバイスなど,感染リスク要因が多数存在し,広い範囲の感染症を合併しうる[2]

■また,終末期の癌患者では感染症以外の要因で発熱や炎症反応を呈することも多い.その原因は,腫瘍熱,薬剤熱,脱水,血栓塞栓症などさまざまであり,これらを明確に鑑別することはしばしば困難である.近年,プロカルシトニンが細菌感染症とそれ以外の鑑別に有用であるとされているが,その数値の解釈は簡単ではなく,偽陽性や偽陰性の問題もあるため,敗血症に至っていない終末期の癌患者において有用とは考えにくく,エビデンスもほとんどない状況である.

■このような状況下で,感染症を疑った場合,抗菌薬を投与するのは簡単であるが,抗菌薬を投与しないのは医療従事者としては選択しづらいオプションであろう.とりわけ国民皆保険制度がある本邦の医療においてはたとえ効果のエビデンスが乏しい治療を選ぶかにおいては「見送り三振」よりも「空振り三振」を好む傾向がある.

■終末期癌患者の死亡においては感染症が最多の原因とされる.その感染部位の検討[3-5]では,尿路感染症と呼吸器感染症が多く,いずれも3-5割程度を占め,皮膚軟部組織感染症や血流感染症がそれぞれ1割前後である.原因菌としては,腸内細菌,特に大腸菌が多く,ついで黄色ブドウ球菌がつづく[3,4]

■終末期癌患者が感染症を発症した場合,抗菌薬投与を受ける患者はそのうちの4-84%[6]と幅があるが,多くの報告は60%以上の数字がでており,高頻度に抗菌薬投与を受けている.また,亡くなる当日まで抗菌薬投与を受けている患者も多い[7,8].同時に,経験的治療になりやすいことから,適切か否かはともかく広域カバーの抗菌薬が選択されやすい傾向があり,Chunら[9]の検討ではTAZ/PIPCが37%,次いでVCMが33%であった.また,抗菌薬多重カバー(抗真菌薬,抗ウイルス薬)も少なからず行われている[10,11]

■前提として,終末期癌患者の感染症における抗菌薬投与は,必ずしも治療を目的とするとは限らない.もちろん単一菌種の単純性尿路感染症であれば短期間の抗菌薬投与で容易に治療できるが,実臨床では感染症治療は難渋することもしばしばある.低アルブミン血症による抗菌薬効果の減弱,腫瘍閉塞に伴う感染部位への抗菌薬移行性の低下などの効果阻害要因に加え,免疫能低下,重複感染,複数の菌種による感染,耐性菌などの存在がその治療を困難とさせる.

■また,抗菌薬投与の判断を難しくさせる要因として,余命推定が難しいことも挙げられる.本邦の研究[12]では,癌診療医による癌患者の余命推定はせいぜい3割程度しか当たらないことが報告されている.また,システマティックレビュー[13]によれば,医師は癌患者の余命を長めに推定してしまう傾向があるとされる.終末期で余命数日内という正確な判断ができるのであれば抗菌薬使用頻度は大きく変わるかもしれないが,現実的にはかなり難しく,「まだ最期の状況ではない」との判断で抗菌薬がなされることも多いと思われる.

2.終末期の癌患者の感染症に抗菌薬は使用すべきか?

■終末期癌患者における抗菌薬治療の是非を評価することは非常に難しく,RCTもガイドライン推奨もない状況にある.多くの研究は後ろ向き研究であり,前述の余命推定がしばしば困難であることに加え,その抗菌薬使用の適切性の判断も困難である上に,研究デザインによっては全例死亡することを前提とした研究(死亡から遡って1週間までのデータ集積を報告したもの)も複数あり,抗菌薬使用の妥当性評価をさらに難しくさせている.以下では過去の文献からPros & Consのそれぞれのデータを抽出して提示する.

Pros:「終末期癌患者には抗菌薬を投与すべき」

■Chenら[14]は,ホスピスおよび緩和ケアユニットに入院した535例の後ろ向き解析を行い,抗菌薬が投与されなかった患者では投与された患者に比して生存期間が有意に短かく(8.7±9.9日 vs 14.6±13.1日; p=0.03),3日死亡率も有意に高かった(50% vs 15.2%; p=0.015).また,抗菌薬を投与した方が,PS,口頭での意思疎通,意識レベルが改善していることから,患者の快適性を改善させたとしている.

■Mirhosseiniら[15]は,緩和ケアユニットに入室した26例の患者において抗菌薬投与前と投与後のEdmonton Symptom Assessment Scale (ESAS)スコアを評価したところ,不安以外のすべての項目において小さな改善を認めたと報告している.また,感染症に関連した症状の患者のアセスメントでも,すべての症状が小さく改善していた.医師によるアセスメントでは,咳嗽のみ有意ではあったが,すべての症状でごくわずかながら改善を認めた.抗菌薬治療後の患者の予後に関して,多くの医師のアセスメントでは症状が改善したとしている.

■Chihら[16]は,緩和ケアユニットに入院した終末期癌患者799例の後ろ向き解析を行い,Cox比例ハザード回帰解析では,抗菌薬投与は投与後1週生存率を有意に改善させた(HR 0.66; 95%CI 0.46-0.95)と報告している.

■Lamら[5]は,緩和ケアを受けた進行癌患者87例(感染エピソード計120事例)についてロジスティック回帰では,呼吸困難が感染症治療期間中の予後不良に関連しており,感受性に基づいた抗菌薬投与(vs経験的投与)と抗菌薬静脈内投与(vs経口投与)が予後良好に関連していたと報告している.

■また,終末期癌患者において尿路感染症は比較的治療しやすく,67-92%で抗菌薬治療で改善が得られる[6]ことから,とりわけ尿路感染症では抗菌薬治療を行うべきかもしれない.

Cons:「終末期癌患者には抗菌薬は投与すべきではない」

■Mohammedら[17]は,人生最後の入院となった癌患者258例において,発熱が生じ抗菌薬投与がなされた患者のうち,症状改善が得られたのはわずか17.3%であったのに対し,症状不変が29.2%,症状悪化が53.5%であったと報告している.これらは発熱のみで投与しており,感染症ではない病態に抗菌薬投与を行っていた可能性もあるが,逆に言えば発熱だけで抗菌薬を投与することは控えるべきかもしれない.

■Ohら[8]は,症状コントロール目的のみで入院した終末期癌患者141例を解析している.平均生存日数は31.2日間であり,医師が臨床的に感染症であると診断した患者の84.4%が抗菌薬治療を受け,抗菌薬使用後に48%が発熱を制御できたが,症状改善が得られたのはわずか15.1%であり,55.4%は改善がみられなかったが,63.8%は死亡するその日まで抗菌薬投与がなされていた.

■また,Prosにもある通り,尿路感染症の場合は抗菌薬の反応性は良好であるものの,他の部位の感染の患者では半分以下の改善率しかないと報告されている[18]

■また,抗菌薬を投与することは同時に副作用等の侵襲を与えうること,延命治療でしかない可能性もあることも理解しておかなければならない.癌患者においては多数の薬剤を使用する,いわゆるポリファーマシーも指摘されており[19],そこに抗菌薬が加わることによる相互作用も考慮が必要である.多剤併用によるカバーを行えば少なくとも感染症が悪くなることはないだろう,という安直な考えは危険である.耐性菌をカバーすべく複数の抗菌薬を併用して超広域カバーを行うと,あとでde-escalationを行ったにもかかわらず死亡率が増加することも示されている[20,21](うち1報はRCT)ことから,思っている以上に併用による副作用は大きいのかもしれない.

3.終末期癌患者に抗菌薬投与を行うかどうかをどのように決定すべきか?

■上記Pros & Consを見ても分かる通り,終末期癌患者の抗菌薬投与の是非については答えがでない状況にあり,その使用を決定する過程は非常に複雑である.これまでの研究で結果に大きくばらつきが出るのは,「終末期」の明確な定義が定まっていないことも関係している.

■Yaoら[22]は,末期癌で緩和ケアユニットに入院した201例の患者にアンケートを行った.最も多かった誤解は,「感染症の全末期癌患者において抗菌薬使用は有用」であり,これの反対意見を述べていた13.4%のみであった.また,45.8%は死が差し迫った末期状態においてさえも抗菌薬使用を希望し,26.4%は抗菌薬を希望せず,27.8%は不明確であった.最終的にこの抗菌薬を投与するかについて最も影響を与えるのは医療スタッフであった.このように,患者側に抗菌薬に対する過剰な期待がある場合もあり,同時に医療スタッフからの言動の影響も受けやすい.

■Stielら[23]の報告では,緩和ケアを受けている終末期患者で抗菌薬治療中断理由を調査したところ,全身状態の悪化が41.4%,治療の反応性なしが25.7%,患者の明確な希望が14.3%であった.さらに,この抗菌薬治療の開始はしばしば医師単独で決定されていた.

■このように,終末期癌患者においては抗菌薬使用の適切性のみならず,患者側と医療側の抗菌薬に対する感覚の乖離,意思決定プロセスの問題点がある.また,治療(Infection Control)も大事であるが,症状緩和(Symptom Control)できるかどうかが,抗菌薬を投与するか否かの指標とするべきであるとの意見もある[18,24].このあたりは,主治医,ICT(感染制御チーム),PCT(緩和ケアチーム)で連携して評価する必要もある.いずれにせよ,症状改善が得られないのであれば,その抗菌薬を漫然と投与しつづけることは避けるべきであろう.

■緩和ケアを受ける癌終末期患者へのアプローチは,患者の希望,症状緩和,QOLの観点に基づき個別に対応し,患者・家族と医療提供者側が人工呼吸器・透析・輸血などの使用に際して行うか行わないかを話し合うのと同様に,抗菌薬についても検討すべきである.緩和ケアにおける抗菌薬治療のゴールは症状緩和であり,急性期病態における死亡率の低下を目標とした治療とはアウトカムが異なりうる.尿路感染症に対しては有効性は高そうであるものの,それ以外については全体的な生存期間延長を示す強い根拠が乏しく,医療スタッフ側は抗菌薬使用の限界を知る必要がある.

[1] Mandell GL, Bennett JE, et al. Mandell, Douglas, And Bennett's principles and practice of infectious disease. 6th ed. p3432, Churchill Livingstone, 2004.
[2] Homsi J, Walsh D, Panta R, et al. Infectious complications of advanced cancer. Support Care Cancer 2000; 8: 487-92
[3] Vitetta L, Kenner D, Sali A. Bacterial infections in terminally ill hospice patients. J Pain Symptom Manage 2000; 20: 326-34
[4] Pereira J, Watanabe S, Wolch G. A retrospective review of the frequency of infections and patterns of antibiotic utilization on a palliative care unit. J Pain Symptom Manage 1998; 16: 374-81
[5] Lam PT, Chan KS, Tse CY, et al. Retrospective analysis of antibiotic use and survival in advanced cancer patients with infections. J Pain Symptom Manage 2005; 30: 536-43
[6] Rosenberg JH, Albrecht JS, Fromme EK, et al. Antimicrobial use for symptom management in patients receiving hospice and palliative care: a systematic review. J Palliat Med 2013;16: 1568-74
[7] Mirhosseini M, Oneschuk D, Hunter B, et al. The role of antibiotics in the management of infection-related symptoms in advanced cancer patients. J Palliat Care 2006; 22: 69-74
[8] Oh DY, Kim JH, Kim DW, et al. Antibiotic use during the last days of life in cancer patients. Eur J Cancer Care (Engl) 2006; 15: 74-9
[9] Chun ED, Rodgers PE, Vitale CA, et al. Antimicrobial use among patients receiving palliative care consultation. Am J Hosp Palliat Care 2010; 27: 261-5
[10] Albrecht JS, McGregor JC, Fromme EK, et al. A nationwide analysis of antibiotic use in hospice care in the final week of life. Am J Hosp Palliat Care 2012; 29: 60-3
[11] Abduh Al-Shaqi M, Alami AH, Zahrani AS, et al. The pattern of antimicrobial use for palliative care in-patients during the last week of life. Am J Hosp Palliat Care 2012; 29: 60-3
[12] Taniyama TK, Hashimoto K, Katsumata N, et al. Can oncologists predict survival for patients with progressive disease after standard chemotherapies? Curr Oncol 2014; 21: 84-90
[13] Glare P, Virik K, Jones M, et al. A systematic review of physicians' survival predictions in terminally ill cancer patients. BMJ 2003; 327: 195-8
[14] Chen LK, Chou YC, Hsu PS, et al. Antibiotic prescription for fever episodes in hospice patients. Support Care Cancer 2002; 10: 538-41
[15] Mirhosseini M, Oneschuk D, Hunter B, et al. The role of antibiotics in the management of infection-related symptoms in advanced cancer patients. J Palliat Care 2006; 22: 69-74
[16] Chih AH, Lee LT, Cheng SY, et al. Is it appropriate to withdraw antibiotics in terminal patients with cancer with infection? J Palliat Med 2013; 16: 1417-22
[17] Mohammed AA, Al-Zahrani AS, Sherisher MA, et al. The pattern of infection and antibiotics use in terminal cancer patients. J Egypt Natl Canc Inst 2014; 26: 147-52
[18] White PH, Kuhlenschmidt HL, Vancura BG, et al. Antimicrobial use in patients with advanced cancer receiving hospice care. J Pain Symptom Manage 2003; 25: 438-43
[19] Kotlinska-Lemieszek A, Paulsen O, Kaasa S, et al. Polypharmacy in patients with advanced cancer and pain: a European cross-sectional study of 2282 patients. J Pain Symptom Manage 2014; 48: 1145-59
[20] Kett DH, Cano E, Quartin AA, et al; Improving Medicine through Pathway Assessment of Critical Therapy of Hospital-Acquired Pneumonia (IMPACT-HAP) Investigators. Implementation of guidelines for management of possible multidrug-resistant pneumonia in intensive care: an observational, multicentre cohort study. Lancet Infect Dis 2011; 11: 181-9
[21] Kim JW, Chung J, Choi SH, et al. Early use of imipenem/cilastatin and vancomycin followed by de-escalation versus conventional antimicrobials without de-escalation for patients with hospital-acquired pneumonia in a medical ICU: a randomized clinical trial. Crit Care 2012; 16: R28
[22] Yao CA, Hsieh MY, Chiu TY, et al. Wishes of Patients With Terminal Cancer and Influencing Factors Toward the Use of Antibiotics in Taiwan. Am J Hosp Palliat Care 2015; 32: 537-43
[23] Stiel S, Krumm N, Pestinger M, et al. Antibiotics in palliative medicine--results from a prospective epidemiological investigation from the HOPE survey. Support Care Cancer 2012; 20: 325-33
[24] Clayton J, Fardell B, Hutton-Potts J, et al. Parenteral antibiotics in a palliative care unit: prospective analysis of current practice. Palliat Med 2003; 17: 44-8
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by DrMagicianEARL | 2015-09-29 23:05 | 感染症 | Comments(0)
※宣伝で申し訳ありません

8月より日経メディカルの看護師向けサイト「日経Aナーシング」に連載を月2回ペースで執筆しております.看護ケアを行う上で,現場にありがちな勘違いや落とし穴など,ベッドサイドですぐに活かせるエビデンスをまとめて発信していきます.日々のケアの見直しや新たな取り組みに活かしていただければ幸甚です.
日経Aナーシング
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/anursing/fuke/201509/543886.html
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by DrMagicianEARL | 2015-09-29 13:09 | Comments(0)
■中心静脈カテーテル挿入部位による血流感染症合併リスクは鼠径>頸部>鎖骨下であることが言われていましたが,近年の感染対策の進歩により最近のRCTやメタ解析では鼠径と頸部は同等レベルという結果がでてきていることは御承知の通りです.ほぼ1年前にNEJMに報告された,成人重症患者における早期経腸栄養vs早期静脈栄養の大規模RCT(CALORIES trial)でも,カテーテル血流感染症発生リスクに有意差がなかったことから,カテーテル管理がかなり進歩してきていることがうかがわれます.今回紹介する3SITES Studyは,鼠径,頸部,鎖骨下の中心静脈カテーテル挿入による合併症リスクを検討したRCTであり,結果は鼠径=頸部>鎖骨下という結果で,近年の研究結果を反映する形となりました.

■ただし,注意しなければならないのは,鼠径と頸部が同等とする結果はRCTによって示されたものであり,外的妥当性に欠ける点です.RCTで行われている以上,厳格なプロトコルが採用され,プロトコル違反例は除外されます.このため,極めて厳密な感染対策や血栓予防がなされた結果を見ていることになり,実臨床との乖離がでてくる可能性大です.このあたりはリアルワールドを反映する観察研究も合わせて考える必要があります.実際に,ICU患者での中心静脈カテーテルでは一定の割合で血流感染症が生じうることは知られていますが,私も参加した中心静脈/動脈カテーテル挿入時の消毒薬によるだ施設共同RCT(JSEPTIC-CRBSI trial)では,数百本のカテーテルが挿入されたにもかかわらず,血流感染症発生数はゼロでした.この研究で使用したプロトコルもかなり厳格なもので,これくらいやれば血流感染はゼロにできる,逆に言えばそれくらいやらないと血流感染症は起こってしまうということです.また,基本原則として,不要なカテーテルは入れない,挿入しても不要になったらとっとと抜く,です.
中心静脈カテーテルの挿入部位による血管内合併症(3SITES Study)
Parienti JJ, Mongardon N, Mégarbane B, et al; 3SITES Study Group. Intravascular Complications of Central Venous Catheterization by Insertion Site. N Engl J Med. 2015 Sep 24;373(13):1220-9
PMID:26398070

Abstract
【背 景】
3つの解剖学的部位が中心静脈カテーテル挿入において一般的に使用されているが,各々の挿入部位は主要な合併症のリスクがある.

【方 法】
本多施設共同試験において,我々は成人集中治療室(ICU)において中心静脈カテーテル挿入部位を鎖骨下,頸部,鼠径部に無作為に割り付けた(3つの部位がすべて適している場合,患者を1:1:1の割合で割り付け [3選択肢比較],2つの部位が適している場合,患者を1:1の割合で割り付けた[2選択肢比較]).主要評価項目はカテーテル関連血流感染症と症候性深部静脈血栓症の複合とした.

【結 果】
全部で3471本のカテーテルが3027例の患者に挿入された.3群の比較において,主要評価項目イベント数は鎖骨下,頸部,鼠径部でそれぞれ8,20,22であった(1.5,3.6,4.6 /1000カテーテル-日; p=0.02).2群間比較では,主要評価項目のリスクは鎖骨下群よりも鼠径群で有意に高く(HR 3.5; 95%CI 1.5-7.8; p=0.003),鎖骨下群よりも頸部群の方が有意に高く(HR 2.1; 95%CI 1.0-4.3; p=0.04),鼠径群のリスクは頸部群と同等であった(HR 1.3; 95%CI 0.8-2.1; p=0.30).3群比較において,胸腔チューブ挿入を要する気胸が鎖骨下群で13例,(1.5%),頸部群で4例(0.5%)発生した.

【結 論】
本試験において,鎖骨下静脈でのカテーテル挿入は,内頸静脈カテーテル挿入,大腿静脈カテーテル挿入と比較して,血流感染と症候性血栓症のリスクが低いこと,気胸のリスクが高いことと関連していた.(フランス保健省臨床研究病院プログラムから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01479153)

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by DrMagicianEARL | 2015-09-26 14:21 | 文献 | Comments(0)
■カテコラミンと言えば中心静脈カテーテルからの投与,と決めている施設は非常に多いと思いますし,そのように推奨されています.理由としては,末梢静脈からだと血管外漏出に伴う組織傷害リスクがあること,中心静脈カテーテルであれば心臓近傍の上/下大静脈に先端留置できること,などが挙げられます.

■私は様々な状況下で敗血症性ショック患者において末梢静脈ラインのみ(CVも動脈ラインもなし)で管理を行わざるを得なかった経験が十数例ありましたが,血管外漏出による組織傷害やカテコラミン反応性が低いといったことはなく,全例が挿管拒否症例であったものの,死亡率は2割程度と良好な救命率でした.第39回日本集中治療医学会学術集会においても,信州大学の高度救命救急センターの望月先生が中心静脈カテーテルを使用せずに治療した敗血症性ショック患者の症例集積報告をされており,死亡率は5.9%という結果でした.このように臨床的には末梢静脈ラインからのカテコラミン投与でも大きなトラブルもなくCVを使用した場合と遜色ない治療成績が出せる可能性はあるのではとずっと思っていました.また,過去のエビデンス上,末梢静脈カテーテルは中心静脈カテーテルよりも血流感染リスクが1/4まで減少するのはメリットと言えます.

■今回,カテコラミンを末梢静脈から投与することが安全かどうかを検討した観察研究が報告されました.単一アームのため評価は難しいですが,数字的には安全な可能性が高いと思われます.今後RCTで評価されることを期待します.なお,カテコラミンの末梢静脈投与のシステマティックレビュー(J Crit Care. 2015 Jun;30(3):653.e9-17)も報告されていますが,ほとんどがCase Reportです.
循環作動薬の末梢静脈内投与の安全性
Cardenas-Garcia J, Schaub KF, Belchikov YG, et al. Safety of peripheral intravenous administration of vasoactive medication. J Hosp Med. 2015 Sep;10(9):581-5
PMID: 26014852

Abstract
【背 景】
中心静脈ラインは循環作動薬のために一般的に行われている.末梢静脈ラインによる循環作動薬投与は中心静脈ラインの必要性を減じる手段となる可能性がある.本研究の目的は,末梢静脈ラインからの循環作動薬投与の安全性を評価することである.

【方 法】
2012年9月から開始して20カ月以上の期間で,18床の内科集中治療室において末梢静脈ラインからの循環作動薬の使用をモニタリングした.ノルアドレナリン,ドパミン,フェニレフリンが末梢静脈ラインからの使用で承認された.

【結 果】
計734例の患者(年齢72±15歳,男性/女性 398/336例,SAPSⅡスコア75±15)が末梢静脈ラインから783回循環作動薬を投与された.循環作動薬は,ノルアドレナリンが506例,ドパミンが101例,フェニレフリンが176例使用された.末梢静脈ラインからの循環作動薬の投与期間は49±22時間であった.循環作動薬投与中の末梢静脈ラインからの血管外漏出は19例(2%)の患者で発生し,局所フェントラミン注射と局所ニトログリセリンペーストを適用することでいかなる組織傷害もみられなかった.末梢静脈ラインからの循環作動薬投与を受け,最終的に中心静脈ラインを必要とした患者は95例(13%)であった.

【結 論】
単施設内科集中治療室において,末梢静脈ラインからのノルアドレナリン,ドパミン,フェニレフリンの投与は実用的かつ安全であった.末梢静脈ラインからの血管外漏出は多くなく,ニトログリセリンペーストとフェントラミンは局所虚血性傷害の予防に有効であった.臨床医は血管内作動薬の使用において,中心静脈ラインからの投与をルーチンとすべきではない.

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by DrMagicianEARL | 2015-09-19 14:42 | 文献 | Comments(2)
■驚異的な論文がでました.糖尿病の研究ですが,専門外の私でもすごいと分かるくらいの結果をたたきだしており,今後の糖尿病治療の優先順位が大きく変わるかもしれません.9月17日にonline publishされましたが,スウェーデンはストックホルムで開催されている欧州糖尿病研究学会議(EASD 2015)においても発表され,会場が興奮に包まれたようです.

■数多くの糖尿病治療薬が発売されていますが,死亡率を有意に改善させたRCTはまずありません.せいぜいメトホルミンくらいで,それでもかなりの年数をかけてわずかな差を検出するのがやっとでした.しかし,今回のSGLT2阻害薬エンパグリフロジン(商品名ジャディアンス)を用いたEMPA-REG OUTCOME trialはわずか4年で心血管死亡,全死亡で有意差をつけており,NNT 39という驚異的治療成績です.しかも,Kaplan-Meier生存曲線を見るとかなり早い段階から死亡率に開きが見られます.おそらく,血圧と利尿の効果も加わったものではないかと推察されます.

■販売メーカーのベーリンガー社とイーライリリー社が主導で行っていること,心血管イベントハイリスクの2型糖尿病患者で基礎疾患がよくコントロールされていて,かつコンプライアンスが良好な患者集団であることは考慮しておく必要があります.また,他のSGLT2阻害薬ではここまでの効果を示した報告はなく,類似薬でここまでの違いが本当に出るのかという疑問はあります.また,安易な拡大解釈はせず,これまでのSGLT2阻害薬の適応患者範囲は守り続ける必要があります.
2型糖尿病におけるエンパグリフロジン,心血管予後,死亡率(EMPA-REG OUTCOME trial)
Zinman B, Wanner C, Lachin JM, et al; for the EMPA-REG OUTCOME Investigators. Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes. N Engl J Med 2015, Sep 17 [Epub ahead-of-print]

Abstract
【背 景】
心血管リスクの高い2型糖尿病患者での心血管罹患および死亡において,ナトリウム-グルコース共役輸送体-2阻害薬(SGLT2阻害薬)のエンパグリフロジンの標準治療への上乗せ効果は知られていない.

【方 法】
患者は1日1回のエンパグリフロジンの10mg,25mgまたはプラセボに無作為に割り付けられた.主要複合評価項目は,エンパグリフロジン群対プラセボ群でプールされた解析としての心血管死,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中とした.副次複合評価項目は,主要評価項目に不安定狭心症による入院を追加したものとした.

【結 果】
計7020例の患者が治療を受けた(観察期間中央値3.1年).主要評価項目はエンパグリフロジン群で4687例中490例(10.5%),プラセボ群で2333例中282例(12.1%)であった(HR 0.86; 95.02%CI 0.74-0.99; p=0.04).心筋梗塞や脳卒中の発生率は両群間で有意差はみられなかったが,エンパグリフロジン群で,心血管死亡率(3.7% vs 5.9%; 38%の相対リスク減少),心不全による入院率(2.7% vs 4.1%; 35%の相対リスク減少),全死亡率(5.7% vs 8.3%; 32%の相対リスク減少)が有意に低かった.両群間で副次評価項目に有意差はみられなかった(p=0.08).エンパグリフロジンを投与された患者において,生殖器感染症発生率の増加がみられたが,他の有害事象については有意差がみられなかった.

【結 論】
標準治療に試験薬を追加する設定において,エンパグリフロジンの投与を受けた,心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者は,プラセボ群と比較して,主要複合心血管評価項目と全死亡率が低かった.

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by DrMagicianEARL | 2015-09-18 12:22 | 文献 | Comments(2)
■ICU患者における肥満パラドックス(BMIが高い方が死亡率が低い)は有名ですが,今回紹介する論文は飲酒パラドックスとも言うべきもので,お酒をよく飲む私としても朗報?もっとも,評価されているのは死亡率であって,飲酒患者の方が重症疾患に罹患しやすい可能性が否定されたわけではありません.また,日本で言うDPCデータのようなデータベースを用いていますから,重症度などがちゃんと加味できませんので注意が必要ではあります.

■一応,アルコールが臓器虚血再灌流傷害を抑制するという動物実験はあるようですので,何の因果関係もない偶然,とは言えないようです.ちなみに余談ですが,先日神戸で開催された第30回日本救命医療学会において,外傷患者に発生した難治性重症ARDSに対してエチルアルコールによる肺胞洗浄を行ったところ劇的に改善したという1例報告があり話題になりました.実際にこれまでアルコールのネブライザー吸入を行った経験があるという先生も複数おられ,特に検証もなされずにいつの間にか消え去ってしまった治療法のようです.動物実験されませんかね?
重症疾患における血中アルコール濃度と死亡の関連性
Stehman CR, Moromizato T, Caitlin K. McKane CK, et al. Association between Blood Alcohol Concentration and Mortality in Critical Illness. J Crit Care 2015 Sep.2 [Epub ahead of print]

Abstract
【目 的】
腎,肝,心,脳の虚血の動物モデルにおいて,アルコール曝露は虚血再灌流傷害を減少させることが示されている.外傷患者の院内死亡は,入院時の血中アルコール濃度に対して用量依存的に減少することが示されている.本研究において,我々は,重症患者における入院時血中アルコール濃度(BAC)と30日死亡リスクの関連性について検討した.

【方 法】
我々はボストン,マサチューセッツの内科および外科ICUにおいて治療を受ける患者での2施設共同観察研究を行った.研究の場はボストンおよびマサチューセッツの2つの教育病院の209の内科および外科ICU病床とした.1997年から2007年まで集中治療を受けた18歳以上の11850例の患者を対象とした.曝露対象は,入院から24時間以内にBACが測定された患者とし,BAC<10mg/dL(検出レベル未満),10-80mg/dL,80-160mg/dL,>160mg/dLに分類した.主要評価項目は集中治療開始から30日間での全死亡とした.副次評価項目は集中治療開始から90日および365日死亡とした.死亡率は米国社会保障庁死亡マスターファイルを用いて決定し,365日間の追跡が全コホート患者で存在した.調整後オッズ比は,BACと死亡の両方に相互作用すると考えられた共変量を含んだ多変量ロジスティック回帰モデルにより推定した.調整因子は,年齢,性別,人種(白人,非白人),領域(外科,内科),Deyo-Charlson指数,敗血症,急性臓器不全,外傷,慢性肝疾患とした.

【結 果】
コホートの30日死亡率は13.7%であった.BAC<10mg/dLの患者と比較して,≧10mg/dLの患者は30日死亡リスクが低く,BAC 10-79.9mg/dLではOR 0.53(95%CI 0.40-0.70),BAC 80-159.9mg/dLではOR 0.36(95%CI 0.26-0.49),BAC≧160mg/dLではOR 0.35(95%CI 0.27-0.44)であった.多変量で調整すると,30日死亡リスクはそれぞれ0.97(0.72-1.31),0.79(0.57-1.10),0.69(0.54-0.90)であった.敗血症を評価対象としてコホートの解析を行うと,BAC<10 mg/dLと比較したBAC 80-160mg/dLまたは>160 mg/dLの患者の敗血症の多変量調整オッズはそれぞれ0.72(0.50-1.04),0.68(0.51-0.90)であった.血液培養を採取したサブグループ集団(n=4065)において,BAC<10 mg/dLと比較したBAC 80-160mg/dLまたは>160 mg/dLの患者の血流感染の多変量調整オッズはそれぞれ0.53(0.27-1.01),0.49(0.29-0.83)であった.

【結 論】
11850例の成人患者の解析では,入院時の検出可能なBACは集中治療開始から30日死亡のオッズの有意な減少に関連していた.さらに,BAC>160mg/dLは敗血症や血流感染への進展のオッズの有意な減少に関連していた.

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by DrMagicianEARL | 2015-09-15 16:12 | 敗血症 | Comments(0)
■リハビリテーション領域の受難は続きます.よかれと思っていたことでもRCTで評価するとなかなか厳しい結果となるようですね.歩行,筋力トレーニング,柔軟体操といった介入は,上肢ストレッチと研修会の教育プログラムと比較して認知機能をより改善させる,ということはないようです.ベースラインのパフォーマンスレベルが悪いか80歳以上であれば有用とのことですがあくまでもサブ解析結果です.
身体をほとんど動かさない高齢者の認知機能に対する24ヵ月間の身体活動介入vs健康教育の効果:LIFE trial
Sink KM, Espeland MA, Castro CM, et al; LIFE Study Investigators. Effect of a 24-Month Physical Activity Intervention vs Health Education on Cognitive Outcomes in Sedentary Older Adults: The LIFE Randomized Trial. JAMA. 2015 Aug 25;314(8):781-90
PMID:26305648

Abstract
【背 景】
疫学的エビデンスでは身体活動性は認知機能において有益性があることが示唆されているが,無作為化比較試験による報告は限られている.

【目 的】
認知機能,軽度認知障害(MCI)や認知症の低リスク,あるいはその両方において健康教育プログラムと比較して,24カ月の身体活動性プログラムがより有益性をもたらすかについて検討した.

【方 法】
本無作為化臨床試験the Lifestyle Interventions and Independence for Elders (LIFE) studyでは2010年2月から2011年12月までの米国8施設における市中で生活する患者1635例を登録した.参加者は,運動機能障害のリスクを有しているが,400m歩行は可能である,ほとんど身体を動かさない70-89歳の成人であった.参加者は歩行,筋力トレーニング,柔軟体操を含む体系化した適度な身体活動プログラム(n=818),もしくは研修会と上肢ストレッチによる健康教育プログラムの介入を受けた.LIFE studyの事前に規定された副次評価項目はWechsler Adult Intelligence Scale(スコア域:0-133;高いスコアほど機能良好)によるDigit Symbol Coding(DSC)タスクサブセット,および改訂Hopkins Verbal Learning Test(HVLT-R;12単語リストの想起タスク)による評価が1476例(90.3%)で行われた.また,3次アウトカムとして,24ヵ月時点の総合認知機能および実行認知機能,MCIまたは認知症の発生などが含まれた.

【結 果】
24ヵ月月時点で,DSCタスクとHVLT-Rスコア(施設,性別,ベースライン値で補正)は両群で差はなかった.平均DSCタスクスコアは,身体活動群で46.26ポイント,健康教育群で46.28ポンとであった(平均差 -0.01ポイント,95%CI -0.80 to 0.88ポイント,p=0.97).平均HVLT-R遅延想起スコアは,運動介入群で7.22,健康教育介入群7.25であった.(平均差 -0.03単語,95%CI -0.29 to 0.24単語,p=0.84)であった.他のいかなる認知機能および複合評価においても差はみられなかった.80歳以上(n=307)またはベースラインの身体パフォーマンスが低い(n=328)身体活動群の患者は,健康教育群と比較して実行認知機能複合スコアの変化が有意に良好であった(両群間比較の相互作用p=0.01).MCIまたは認知症の発生は,身体活動群で98例(13.2%),健康教育群で91例(12.1%)であった(OR 1.08, 95%CI 0.80 to 1.46).

【結 論】
ほとんど身体を動かさない高齢者において,24ヵ月間の中等度に強化した身体活動プログラムは,健康教育プログラムと比較して総合あるいは特定の領域の認知機能の改善はみられなかった.

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by DrMagicianEARL | 2015-09-10 17:10 | 文献 | Comments(0)

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