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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

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■最近の集中治療領域のリハビリテーションはなかなかいい結果がでませんね.今回はJAMA誌にpublishされたRCTですが,標準的リハビリテーション(毎日)は通常ケア(臨床チームが要請した場合のみ平日に理学療法)に比して入院期間,ICU在室日数,人工呼吸期間,その他多くのPICS関連項目に有意差はないという結果でした.ただし,PICS関連項目の結果の95%CIを見るに,標準的リハビリテーションの方がよい傾向はみられており,検出力が300例では足りなかった可能性も否定できません(とはいってもこれらは主要評価項目ではありませんが・・・).
急性呼吸不全患者における標準的リハビリテーションと入院期間:無作為化比較試験
Morris PE, Berry MJ, Files DC, et al. Standardized Rehabilitation and Hospital Length of Stay Among Patients With Acute Respiratory Failure: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2016 Jun 28; 315(24): 2694-702
PMID: 27367766

Abstract
【背 景】
集中治療室(ICU)におけるリハビリテーションは急性呼吸不全患者のアウトカムを改善させる可能性がある.

【目 的】
急性呼吸不全において,標準的リハビリテーション(SRT)と通常ICUケアを比較する.

【方 法】
本研究はノースカロライナ州のウェイクフォレスト・バプティスト医療センターにおける単施設無作為化比較試験である.2009年10月から2014年5月までで人工呼吸器を要する急性呼吸不全でICUに入室した成人患者(平均年齢58歳;女性55%)をSRT群(n=150)と通常ケア群(n=150)に無作為化し,6ヶ月間追跡した.SRT群の患者は退院まで,受動的可動域訓練,理学療法,漸増抵抗運動を含む毎日のリハビリテーションを受けた.通常ケア群は,臨床チームから要請があったときにのみ平日に理学療法を受けた.SRT群では,リハビリテーションの中央日数(四分位範囲[IQR])は,受動的可動域訓練が8.0日(5.0-14.0),理学療法が5.0日(3.0-8.0),漸減抵抗運動が3.0日(1.0-5.0)であった.通常ケア群の理学療法の中央日数は1.0日(0.0-8.0)であった.両群とも,ICU退室時,退院時,2ヶ月,4ヶ月,6ヶ月時点で解析者盲検で解析を行った.主要評価項目は入院期間(LOS)とした.副次評価項目は人工呼吸日数,ICU在室日数,簡易身体能力バッテリー(Short Physical Performance Battery;SPPB),メンタルヘルスと身体機能スケールスコアにおける36項目Short-Form Health Surveys(SF-36),Functional Performance Inventory (FPI)スコア,Mini-Mental State Examination(MMSE)スコア,握力,ハンドヘルドダイナモメーターによる筋力とした.

【結 果】
300例の患者が無作為化され,LOSはSRT群で10日間(IQR 6-17),通常ケア群で10日間(IQR 7-16)であった(中央値差 0日[95%CI -1.5 to 3], p=0.41).人工呼吸期間,ICUケア期間に差は見られなかった.6ヶ月時点での握力(差 2.0kg[95%CI -1.3 to 5.4], p=0.23),ハンドヘルドダイナモメーターによる筋力(差 0.4lb[95%CI -2.9 to 3.7], p=0.05),SF-36身体健康スコア(差 3.4[95%CI -0.02 to 7.0], p=0.05),SF-36メンタルヘルススコア(差 2.4[95%CI -1.2 to 6.0], p=0.19),MMSEスコア(差 0.6[95%CI -0.2 to 1.4], p=0.17)に効果はなかった.6ヶ月時点でのSPPBスコア(差 1.1[95%CI 0.04 to 2.1], p=0.04),SF-36身体機能スケールスコア(差 12.2[95%CI 3.8 to 20.7], p=0.001),FPIスコア(差 0.2[95%CI 0.04 to 0.4], p=0.02)はSRT群でより高いスコアがみられた.

【結 論】
急性呼吸不全で入院した患者において通常ケアと比較してSRTは入院期間を短縮させなかった.

試験登録:clinicaltrials.gov Identifier: NCT00976833.

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by DrMagicianEARL | 2016-07-07 09:34 | 文献 | Comments(0)
【書籍紹介】ポケット版ICU観察ポイントチェック帳

日総研より,井上茂亮先生(東海大学救急准教授/八王子病院救急センター長)編集の「ポケット版ICU観察ポイントチェック帳」を御恵贈いただきました.当院ICU看護師に本書を見せたところ,25名(ほぼ全員)が購入を希望し,現在注文中です.
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■全身管理を要し,超急性期の救命から亜急性期・回復期につなげる支持療法に至るまで,ICU患者の観察ポイントは多岐にわたります.その際,経験に基づく解釈・介入は重要ではありますが,経験で突っ走ると,「なんとなく」が横行したり,変なローカルルーチンができたり,医療ケアの標準レベルを維持できなかったり,後で振り返る際に改善点が見出しにくかったりといろいろなデメリットが生じます.

■本書はICU看護師の入門書であると同時に簡潔にまとめられた重要観察項目を素早くベッドサイドでチェックできる,ベテランナースにもおすすめできるポケットブックです.病態生理等の詳細な医学書というわけではありませんが,実臨床で使える即戦力となる1冊でしょう.また,ICU管理に慣れていない先生方,研修医にとっても,ICU患者の何を見ればいいかに慣れる上で便利です(せっかくICU看護師が看護カルテにアセスメントでいろいろなスコアリング等を記していても主治医が分からず情報共有にまったくならない上に変な介入が生じるなんてことは珍しくありません).

■大項目としてショック,循環,呼吸,人工呼吸,中枢神経,鎮痛鎮静せん妄,腎・代謝,敗血症,栄養,回復期,ライン・ドレーン管理,術後管理,スキンケア,その他がとりあげられており,小項目は全部で82項目あり,ICUで特に重要な観察項目はほぼすべてカバーされています.中身は,シンプルかつビジュアル的に分かりやすく,1項目につき1ページにまとめられています.大きさは10.5cm×14.4cmほど,厚さは5mmでiPhone6よりも薄く,軽いため,ポケットに入れても邪魔になりません.税込み2000円になります.
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by DrMagicianEARL | 2016-07-04 11:35 | 敗血症 | Comments(0)

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