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EARLの医学ノート

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敗血症をメインとした集中治療,感染症,呼吸器のノート.Stop Sepsis, Save Lives.

更新履歴
2018年6月9日「第11回滋賀集中治療懇話会(6/16滋賀)」追加
2018年6月9日「第3回東京感染症サミット(7/28東京)」追加
2018年6月9日「第7回沖縄クリティカルケア研究会(8/18)」追加


研究会,講演会,学会日程
※学会総会に加え,主に敗血症,救急集中治療,感染症の研究会,講演会を適宜掲載していきます(本記事を更新していきます).あくまでも私の知る範囲でのものだけです.

※ここに掲載されていない研究会・講演会で掲載希望等あればコメント欄に記入するか,以下までメールで御連絡下さい.開催場所に制限はありませんが,内容は本ブログの内容の関係上,敗血症,感染症,救急/集中治療に関連するものに限ります.日時,演題名,会の主な対象や主旨等を記載して下さい.
⇒メールはこちらcum_earl@yahoo.co.jp
第11回滋賀集中治療懇話会
【日時】2018年6月16日(土)17:30-
【会場】びわ湖大津プリンスホテル2F「伊吹」

17:30-17:40
情報提供:「遺伝子組換えトロンボモデュリン/リコモジュリン®」
旭化成ファーマ株式会社

17:30-18:00
一般演題座長:立川弘孝先生(近江八幡市立総合医療センター副院長・救命救急センター長)
一般演題1「血管内冷却装置を用いた体温管理療法 -当院におけるサーモガードシステムの使用経験-」
田渕 祥太先生(滋賀県立総合病院循環器内科)
一般演題2「救急病棟での頻用β-ラクタム系抗菌薬による薬剤性腎障害の頻度調査」

18:00-19:00
座長:長門 優先生(長浜赤十字病院外科・集中治療科副部長)
特別講演Ⅰ「敗血症のエビデンスの可能性の狭間~narrative literature review 2018~」
DrMagicianEARL(EARLの医学ノート管理人)

19:10-20:10
座長:江口 豊先生(滋賀医科大学救急集中治療医学講座教授)
特別講演Ⅱ「敗血症治療のUpdate」
相引 眞幸先生(愛媛大学医学系研究科救急医学分野教授)

後援:旭化成ファーマ株式会社
 古巣の関西で講演をさせていただくことになりました.敗血症のレビュー講演になりますが,特に循環蘇生とDIC治療に絞ってのお話をさせていただこうと思っています.
第3回東京感染症サミット
【日時】2018年7月28日(土)13:30-16:40
【会場】フクラシア八重洲会議室A
【対象】医師のみ(定員100名)
事前申し込み制です.お申込みは下のURLから
http://www.bdj.co.jp/seminar/2018/0728.html

テーマ:「AMR対策は医療をどう変えるか ~臨床現場の最前線を意識して~」座長
大曲 貴夫先生(国立国際医療研究センター病院国際感染症センター)
井上 茂亮先生 東海大学医学部付属八王子病院救命救急医学)

13:35-13:55
講演1「AMR対策は医療をどう変えるか」
大曲 貴夫先生(国立国際医療研究センター病院国際感染症センター)

13:55-14:35
講演2「集中治療室における抗菌薬適正使用」
志馬 伸朗先生(広島大学大学院救急集中治療医学)

14:45-15:15
講演3「外科領域における薬剤耐性を考慮した敗血症診療」近藤 豊先生(順天堂大学大学院医学研究科救急災害医学講座)

15:15-15:45
講演4「癌終末期での抗菌薬適正使用」DrMagicianEARL(EARLの医学ノート管理人)

15:55-16:35
Pro/Conセッション「経口第3世代セフェムは採用薬から外すべきか」
Pro:「経口第3世代セフェムに使い所はない。外すべき」伊藤 雄介先生(兵庫県立こども病院小児感染科)
Con:「経口第3世代セフェムに不適正使用の罪をなすりつけるのは誤り。外すべきではない」
日馬 由貴先生(国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター)

主催:日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
 今年で3回目となる感染症サミット,今年は耐性菌対策がテーマです.大曲先生による総論から始まり,集中治療領域,外科領域,癌領域の抗菌薬適正使用,さらに最終セッションは薬剤メーカー主催ではまず講演できない経口第3世代セフェムに斬りこんだPro/Conセッションがあります.毎回ながら私も講演させていただきます.医師のみ対象の事前申し込み制ですがぜひご参加ください.
第7回沖縄クリティカルケア研究会
【日時】2018年8月18日(土)13:50-
【会場】アルカディア6階「コスモホール」

13:50-
製品紹介:リコモジュリン点滴静注用12800旭化成ファーマ株式会社14:00-
一般演題座長:那須 道高先生(浦添総合病院救急集中治療部医長)
一般演題数題

座長:久木田 一朗先生(琉球大学大学院医学研究科救急医学講座教授)
特別講演「敗血症のエビデンスの可能性の狭間~narrative literature review 2018~」
DrMagicianEARL(EARLの医学ノート管理人)

後援:旭化成ファーマ株式会社
 沖縄で講演させていただくことになりました.敗血症のレビュー講演になりますが,特に循環蘇生とDIC治療に絞ってのお話をさせていただこうと思っています.ちなみにただでさえ暑いのが苦手な上に涼しい仙台に体が慣れてしまってるんですが,8月の沖縄,私は大丈夫だろうか・・・

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# by DrMagicianEARL | 2018-06-09 18:25 | 研究会・講演会・学会 | Comments(8)
■日本版敗血症診療ガイドライン2016において,世界で初めてPICS(post-intensive care syndrome)がガイドラインに明記されましたが,私を含むこのPICSの項目を担当したワーキンググループメンバー6名でPICSに対する早期リハビリテーションのシステマティックレビューを行い,publishされたので紹介いたします.ワーキンググループメンバー以外では,本ガイドライン委員長である西田修先生,メタ解析経験のある山川一馬先生にご協力いただいております.PICSについてよく講演してきたこともあってか私が筆頭執筆者に指名されてはいますが,システマティックレビューにおける膨大な作業量をみんなで分担しつつ執筆しております.

■今回のシステマティックレビューは,PRISMAプロトコルを遵守し,PROSPERO登録とプロトコル論文投稿した上でGRADEシステムを用いて行っております.5000以上の論文から20報以下にまで絞りこみましたが,その後の組み入れ基準をめぐり,メンバー内でもいろいろ議論があり,査読に際してもこの研究をなぜいれないのか?この研究はなぜ入っているのか?などのコメントをいただいており,最終的に6報に確定するまで紆余曲折がありました.また,ICU早期リハのメタ解析論文はこれまでも複数publishされておりますが,どの論文も待機手術患者のRCTが多く含まれており,急性期疾患によるICU患者での評価においてはそれらの患者集団を含めることは妥当でないとして,我々はそれらを極力除外した論文抽出を行っております.これらの統合解析結果として,ICU-AW発生率や筋力を示すMRCスコアといった短期指標での改善は認めたものの,認知機能障害,精神障害,長期の健康関連QOLの改善はみられませんでした.もっとも,見て分かる通り小規模の研究が多く,各アウトカムごとの研究数も少ないため,多施設大規模RCTの蓄積が望まれることは言うまでもありません.

■今回,5000もの論文を仕分けましたが,日本からの論文はほぼゼロに近いです.今回診療報酬改定により早期離床が加算として認められました.これを機に本邦での早期リハ研究が進むことを期待します(私の施設でもようやく早期リハチームが立ち上がりましたので評価はこれからです).
重症疾患患者におけるpostintneive care syndrome予防のための早期リハビリテーション:システマティックレビューおよびメタ解析
Fuke R, Hifumi T, Kondo Y, et al. Early rehabilitation to prevent postintensive care syndrome in patients with critical illness: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open 2018; 0: e019998

Abstract
【背 景】
我々は,重症疾患生存患者における身体機能,認知機能,精神の障害であるpostintensive care syndrome(PICS)の予防において,早期リハビリテーションの有効性を検討した.

【方 法】
PICS予防における早期リハビリテーションvs早期リハビリテーションなしまたは標準ケアの効果を比較した無作為化比較試験(RCT)を抽出するため,各データベース(Medline,Embase,Cochrane Central Register of Controlled Trials)で系統的文献検索と手動検索を行った.主要評価項目は入院期間中の短期での身体関連,認知関連,精神関連のアウトカムとした.副次評価項目は標準化された長期の健康関連QOL(EuroQol 5 Dimension (EQ5D)とMedical Outcomes Study 36-Item Short Form Health Survey Physical Function Scale (SF-36 PF))とした.エビデンスの質の評価はGrading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)を用いた.

【結 果】
5105報のアブストラクトをスクリーニングし,6報のRCTを登録した.標準ケアまたは早期リハビリテーションなしと比較して,早期リハビリテーションは,Medical Research Councilスケール増加(SMD 0.38, 95%CI 0.10 to 0.66. p=0.009,エビデンスの質:低い)と,ICU-AW発生率の減少(OR 0.42, 95%CI 0.22 to 0.82, p=0.01, エビデンスの質:低い)により短期身体関連アウトカムの有意な改善を示した.しかし,認知機能関連項目である無せん妄日数(SMD -0.02, 95%CI -0.23 to 0.20, エビデンスの質:低い),精神関連のHospital Anxiety and Depression Scaleスコア(OR 0.79, 95%CI 0.29 to 2.12, エビデンスの質:低い)は両群間で差はみられなかった.早期リハビリテーションはEQ5DとSF-36 PFによるPICSの長期アウトカムを改善させなかった.

【結 論】
早期リハビリテーションは重症疾患患者における短期の身体関連アウトカムのみ改善させた.さらなる大規模RCTが必要である.

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# by DrMagicianEARL | 2018-05-10 13:23 | 文献 | Comments(0)
■フェイスマスク型NPPVで管理されているARDS患者において,フェイスマスク型のまま管理を続けるかヘルメット型に変更して管理するかを比較した単施設RCTが2016年にJAMAにpublishされ,挿管率,人工呼吸器非装着日数,90日死亡率が有意にヘルメット変更群の方が高かったという中間解析結果から83例で試験中止となりました(JAMA 2016; 315: 2435-41)

■今回,このRCTの長期予後を評価した検討がpublishされましたので紹介します.結果は,ヘルメット群の方がICU-AWが少なく,機能的に自立している患者が多く,1年死亡率が低いという結果で,2016年の報告に引き続きヘルメット群に軍配が上がった形になります.また,本文を見ると,せん妄もヘルメット群の方が少ないという結果です.

■ただし,ヘルメット群の方がAPACHE IIスコアがやや低く,呼吸不全の原因が肺炎である率が高く,ショック患者が少なく,昇圧薬を必要とした患者数が少なく,ステロイド使用が多いという背景因子の違いがあり,全体的にヘルメット群の方が有利なようですので,その部分は考慮する必要がありそうです.もっとも既知の研究でもフェイスマスクよりヘルメットの方がハードアウトカムが良好とする報告はいくつかでています.理由としては,ヘルメットの方がPEEPが高く維持でき,リークも少ないことが挙げられます.

■こう見るとヘルメット型の方が断然よさそうに見えますが,上肢浮腫,非同調,CO2再呼吸,コストが高い,患者本人にとって見た目がよくないなどがありますのでそこは頭に止めておく必要があります.
ヘルメットvsフェイスマスクの非侵襲的換気の無作為化臨床試験に登録されたARDS患者の1年後の予後
Patel BK, Wolfe KS, MacKenzie EL, et al. One-Year Outcomes in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome Enrolled in a Randomized Clinical Trial of Helmet Versus Facemask Noninvasive Ventilation. Crit Care Med 2018 Mar 27. [Epub ahead of print]
PMID: 29595563

Abstract
【背 景】
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の多くの生存患者は,おそらくは“侵襲的”人工呼吸管理の間の支持療法による長期予後不良の状態にある.ARDSにおけるヘルメット型の非侵襲的換気は挿管率を減少させる可能性があるが,ヘルメット型非侵襲的換気によって挿管を回避することでARDS生存患者の予後が変わるかについては明らかではない.

【方 法】
本研究は出版された既知の無作為化比較試験の長期観察データである.患者は発表された臨床試験における成人ICUのARDSの患者を登録した.主要評価項目は退院後から1年時点での日常生活動作および歩行の自立性で定義される機能的自立とした.1年時点で,機能的自立性,生存率,自宅で過ごした生存日数として定義される医療機関非受診日数を評価するために患者の調査を行った.ICU-acquired weakness(ICU-AW)と機能的自立は,退院時に盲検化された医療従事者によって評価された.

【結 果】
退院時に,フェイスマスク群ではICU-AWが多く(79.5% vs 38.6%; p=0.0002),機能的自立が少なかった(15.4% vs 50%; p=0.001).1年間の観察データは83例中81例で収集された(97.6%).1年後死亡率はフェイスマスク群で高かった(69.2% vs 43.2%; p=0.017).1年時点で,ヘルメット群の患者は,機能的自立がより多く(40.9% vs 15.4%; p=0.015),医療機関非受診日数が多かった(中央値 268.5[0-354] vs 0[0-323]; p=0.017).

【結 論】
ARDSにおいて侵襲的人工呼吸管理後の機能的回復不良は一般的である.ヘルメット型非侵襲的換気は,非侵襲的換気で管理されたARDS生存患者において問題となる長期合併症を緩和する最初の介入となる可能性がある.

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# by DrMagicianEARL | 2018-04-12 16:13 | 敗血症性ARDS | Comments(0)
■睡眠薬として用いられるメラトニン受容体作動薬であるラメルテオン(ロゼレム®)がICU患者のせん妄を予防し,ICU在室期間を短縮させる傾向がみられたという報告が名古屋大学からCritical Care Medicineにpublishされましたので紹介します.

■2014年と2017年に順天堂大学などのDERILIA-J groupがラメルテオン(JAMA Psychiatry 2014; 71: 397-403)やスボレキサント(J Clin Psychiatry 2017; 78: e970-9)がせん妄を予防したというRCTを報告しています.しかし,この2つのRCTの対象は急性期病院に救急入院となった65-89歳の薬剤経口摂取可能な患者です.高齢者以外でも有効か,(経口摂取ができない)より重症なICU挿管患者ではどうかということは分かっていません.今回の名古屋大学の研究はICU患者が対象ですので,よりICU関連せん妄に対する効果を見る上では妥当なものかと思います.サンプル数が88例と検出不足感はありますが,より大規模なRCT検討のtriggerとなるかもしれません.
ICU在室期間におけるメラトニン受容体作動薬ラメルテオンの投与効果:単施設無作為化プラセボ対照試験
Effect of Administration of Ramelteon, a Melatonin Receptor Agonist, on the Duration of Stay in the ICU: A Single-Center Randomized Placebo-Controlled Trial. Crit Care Med. 2018 Mar 27.[Epub ahead of print]
PMID: 29595562

【目 的】
ICUでのせん妄の発生はICU在室の長期化に関連している.メラトニン受容体作動薬であるラメルテオンの使用が重症疾患患者において,せん妄を予防し,ICU在室期間を短縮するかについて検討した.

【方 法】
本研究は大学病院ICUで行われた単施設三重盲検無作為化プラセボ対象試験である.患者は入室から48時間以内に薬剤の経口摂取または経鼻胃管投与が可能なICU患者とした.介入群はラメルテオン(8mg/日),対照群はプラセボ(ラクトースパウダー1g/日)をICU退室まで毎日20時に投与を受けた.

【結 果】
計88例がラメルテオン群(45例)またはプラセボ群(43例)に無作為化された.主要評価項目では,プラセボ群(5.86日)に比してラメルテオン群(4.56日)でICU在室期間の短縮傾向がみられた(調整前p=0.082,調整後p=0.028).副次評価項目では,せん妄の発生率(24.4% vs 46.5%; p=0.044)とせん妄期間(0.78日 vs 1.40日; p=0.048)がラメルテオン群で統計学的有意に低かった.ラメルテオン群の非挿管患者では,夜間の覚醒が有意に少なく,覚醒していない夜の比率が有意に高かった.

【結 論】
ラメルテオンはICU在室期間を短縮させる傾向があり,また,せん妄の発生率およびせん妄期間を統計的に有意に減少させた.

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# by DrMagicianEARL | 2018-04-02 18:10 | 文献 | Comments(0)
■2015年に名古屋で行われたHPVワクチンと接種後の症状との関連性を調べるための大規模アンケート調査結果がpublishされました(オープンアクセスです).もともとこのアンケートは名古屋市長である河村たかし氏が全例調査を目的して行うよう指示したものです.2015年12月14日に結果が発表され,副反応症状とワクチンに関連性は認められないという解析結果でした(その時の河村市長の発言は「驚いた」というもので,どうやら薬害ありきでこのアンケート調査を指示したともとれる発言です).今回紹介する論文はそのデータ解析結果を学術論文としてpublishしたものです.これほどの大規模データはワクチン接種率が著しく落ちてしまった今となってはとることは難しいでしょう.本研究結果がHPVワクチン積極推奨に繋がればと思います.

■さて,本研究の24の症状有無についてのアンケートでは,ワクチン接種群の方が有意に多い症状はないという結果でした.一方で,24の症状で「病院を受診した」リスクに関しては,接種群の方が月経血量異常や不規則な月経,ひどい頭痛が有意に多く,接種前からあった症状の影響を除いても受診リスクは有意に高いという結果でした.

■これは,症状頻度は増加していないが病院受診で有意差がでているということで,考察として,他の症状が増加していないことから接種群の方が重症だったとは考えにくく,副反応かもしれないという心理的要因が関係しているのではないかとしています(サブ解析を見ると,後に接種するほどORが上昇している傾向がみられていることもそれを示唆していると思われます).加えて,HPVワクチン接種後の日本のメディアや何人かの医師によって報告された複数の同時症状の発生を示唆する結果も得られていません.以上から,接種後症状とHPVワクチンとの間に因果関係はないであろうと結論づけています.

■執筆者らはlimitationとして,①回答率が100%ではないため選択バイアスが結果に影響を与えている可能性があること(これは大規模アンケート研究ではほぼ避けられない潜在的リスク),②本研究デザインでは極めて稀な症状を拾い上げることができない(ただし,本研究は子宮頸がん予防ワクチン被害者連絡会愛知支部の協力を得てHPVワクチンと関連した症状を反映する方法をとっている),③アンケートであるため,医師によって診断された症状とは限らない自己報告であること,④ワクチン接種者のみが予防接種日を有しており,ワクチン接種前に起こった症状を除外してしまうと比較の妥当性が損なわれるため,完全に除外を行っていない,を挙げています.

日本の若年女性において,HPVワクチンと,報告されたワクチン接種後の症状に関連性はない:Nagoya study
Suzuki S, Hosono A. No Association between HPV Vaccine and Reported Post-Vaccination Symptoms in Japanese Young Women: Results of the Nagoya Study. Papillomavirus Res. 2018 Feb 23. [Epub ahead of print]
PMID: 29481964

Abstract
【背 景】
名古屋市は2010年に無料のHPV予防接種を導入し,2013年4月に厚生労働省はHPVワクチンを全国予防接種プログラムに組み入れた.しかし、2013年6月に未確認の有害事象の報告後,ワクチン接種の推奨を中止した.

【方 法】
名古屋市では,ワクチンと症状の関連性を調査するため,アンケート調査を実施した.参加者は1994年4月2日から2001年4月1日までの間に生まれた名古屋市の女性71177例であった.匿名化された郵便アンケートでは,24の症状(主要評価項目)の発症,関連する病院の受診,頻度,および学校出席への影響を調査した.

【結 果】
計29846例の参加者から回答が得られた.24のHPVワクチン接種後の症状のいずれも発生率の有意な増加は見られなかった.ワクチンは「異常な月経出血量」(OR 1.43; 95%CI 1.13-1.82),「不規則な月経」(OR 1.29; 95%CI 1.12-1.49),「ひどい頭痛」(OR 1.19; 95%CI 1.02-1.39),慢性的に遷延する「異常な月経出血量」(OR 1.41; 95%CI 1.11-1.79)において,年齢で調整されたオッズの増加と関連していた.学校への出席に有意に影響を与えた症状はなく,症状の蓄積も認められなかった.

【結 論】
本結果はHPVワクチンと報告された症状の間に因果関係がないことを示唆する.

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# by DrMagicianEARL | 2018-03-02 18:39 | 文献 | Comments(0)

by DrMagicianEARL