【お知らせ】ブログ『EARLの医学ノート』のnoteへの移転と今後の方向性
■このたび,本ブログの移転と方向性の変更を行うこととしました.今回はその内容の説明記事です.
■本ブログ自体は医師3年目の時から始めたもので,当時は自分の勉強した内容とそれに対する自分なりの意見をアップしていくことを目的とし,同時に勉強内容はその時の診療に直結するものを重点的に取り扱っており,院内スタッフも共有できるように誰でも閲覧可能なブログにしました.ところがブログが様々な方々の目に留まるようになってお声がけをいただき,講演や執筆,さらには日本版敗血症診療ガイドライン作成にも携わらせていただきました.ガイドライン作成時やコロナ禍では多忙を極めたため更新が滞っておりましたが,自分の仕事としても大きな転機を迎えたため,これを機にブログに関しても内容を大きく変えることにしました.以下に詳しく説明します.
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1.ブログの移転について
■これまで課金もしてexblogを使用してきましたが,どうも使い勝手の悪さを感じていたので,noteに変更することにしました.ただし,このexblogにはこれまでの多数の記事があるため,このexblog自体は閉鎖せず残します(レビュー記事の改訂についてはnoteの方に移行します).また,同時にブログ名を『EARLの医学・AIノート』に変更します.AIも追加したのは,2022年末のChatGPT登場以降,私はAIについて勉強しつつ,いかにして医学・医療に応用できるかを検討してきており,2025年からは本格的にAI事業立ち上げやAIスタートアップ企業のお手伝いを開始したからです(そのぶん臨床の仕事量を4割ほど減らしました).
■移転先のnoteは機能的に使いやすいと感じたため選びました.新しい移転先は以下の通りです.
EARLの医学・AIノート
https://note.com/drmagicianearl/n/n8714d72cf831
2.今後のブログの方向性について
■このブログは,インパクトがある論文をAbstract和訳とともに解説や過去の知見なども添えるなどして医学情報を発信してきました.しかしながら,2022年末のテキスト生成AIであるChatGPTの登場以降,医学情報の収集や学習は大きく変わりました.特に論文に関してはAIによる要約・解説の精度は急速に向上しました.これまで医師は多忙であることもあり,読める論文数は年間数十本程度が限度です.もちろん,1本の論文をしっかり読み込むことは大事ですが,限られた時間の中で知識を増やしていく上では効率性が必要です.同時に,医師以外の医療職種においても,AIは論文に触れるハードルを大幅に下げてくれました.同時に,重要な論文に関しては,今や日経メディカル系やm3.comをはじめ,多くのサイトが内容解説を行っている状況です.
■これらのことから,このブログはこれまでの「単一の論文を紹介・解説する」というスタイルは時代にそぐわないと考え,コンテンツを変更することにしました.コンテンツ構成を以下に述べます.
新しいブログのコンテンツ構成(1)エビデンスレビュー記事
1.エビデンスレビュー記事(メイン)
2.1週間の論文情報
3.非常にインパクトのある論文の紹介
4.新しいAIモデル/ツールやアップデートの紹介
5.AIの基本レクチャー
■本ブログの主体にする予定です.もっともこれまでも書いてきたコンテンツでしたが,ミニレビュー程度ならまだしも,本格的なレビュー記事は数ヵ月かけて書いていました.しかし,AIの精度向上により,最も時間がかかる「Clinical Questionをもとにした検索と論文抽出の過程」にかかる時間が大幅に縮小され,効率化がはかれるフローの目途がたったため,エビデンスレビュー記事を主たるコンテンツに据えることにしました.
■既に,ChatGPT Deep Researchをそのままブログにはりつける,なんてことをしているブロガーも最近は見受けられますが,ChatGPT Deep Researchといえども弱点はあり,ハルシネーションも起こる上に,レポート内容が膨大で,内容理解/解釈とファクトチェックが大変です.ましてや,論文に至ってはフルオープンでない論文の詳細までは拾ってきてくれません.加えて,ブログ記事の書き方は私自身の癖や全体構造があるので,レポートを転用というやり方はやりません.
■これまでアップしてきたレビュー記事もそうですが,基本的に私が意識しているのは,雑誌Intensivistの昔のスタイルです(最近はずいぶんスタイルが変わったようですが).実際に筆者自身もIntensivistを3回執筆していますが,雑誌側から要求されるエビデンスレビューのレベルは半端ではありません.あれくらいのストイックなスタイルで発信していければと思います.
■同時に,効率化できたとはいえ,Intensivistレベルを目指すとなるとやはり単一論文紹介に比べればかなり労力はかかる上,他のコンテンツもあるため,申し訳ありませんが,noteのメンバーシップ機能を用いて月額500円のサブスクリプション制とします.
(2)1週間の論文情報
■私がその週に目を通した(私個人の独断と偏見による)インパクトがあるなと感じた論文リストをアップします.1つ1つの紹介はX(旧Twitter)でほぼ毎日行っていますが,それの総まとめです.基本的に最新論文でかためますが,私自身が見落としていた重要論文も含めます.
(3)非常にインパクトのある論文の紹介
■これまで行ってきた単一論文の紹介はメインコンテンツではなくなりますが,非常にインパクトがある論文に関しては今後もその論文単一でとりあげていきます.
(4)新しいAIモデル/ツールやアップデートの紹介
■AIの進化はすさまじい速さで,かつそれに伴う情報量も膨大です.数日でも最新情報から目を離すと置いていかれるレベルのため,毎日最新情報をピックアップしなければなりません.しかし,その中には「ハズレ」情報が含まれたり,自分の環境では役に立たないものもあります.
■本ブログでは,これらの情報から医学・医療分野にも応用できそうな内容をピックアップします.また,AIの新たな情報については,過剰なまでのポジティブな情報が初期は蔓延し,ネガティブ情報は埋もれます.こういうのは俗称で「AI驚き屋」と呼ばれてる人達が発信するもので,最新情報感度は高いものの,情報粒度はかなり低いです.よって,このブログでピックアップするのは数日後で,「一歩引いて,内容や使用感,遅れて出てきた問題点も拾い上げて情報をまとめる」というスタイルでいきます.
(5)AIの基本レクチャー
■AIは普及が教育を置き去りにしている状況で,関連法規も全然整備されていない状況のため,AI活用のためのコツやセキュリティー上の問題を知らないまま使用している一般ユーザーが非常に多く,AIリテラシーが問題となりつつあります.また,AIをまだほとんど触っていない医療従事者も多く,昨今のAIの進化速度を考えると,日常的にAIを使用している人とそうでない人との差は後から頑張ってもなかなか埋まらなくなっていきます.
■一方で,AIを学ぼうにもWebや書店には有象無象のセミナーやレクチャー本があり,中には内容としてひどいものや間違っているものもありますし,AIの情報が1日単位でどんどん更新されていく以上,どのセミナーやレクチャー本を選べばいいのかはなかなか難しいです.
■そこで,このブログでは小手先のプロンプトテクニックの紹介だけなどというもはや古いやり方は扱わず,体系的に学べるまとめコンテンツを配信していきます.筆者自身はGoogle AI Essentialsなどの,その手の大手のセミナーを修了しています.もちろん基本を学ぶならそちらのセミナーを受講していただくのが一番いいので,そちらを受講してください.その上で,このブログは読み物としての一助となれば幸いです.
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■以上がこのブログの移転と今後の方向性についての説明です.コンテンツに関しては他にも細々としたものが増えるかもしれませんが,大枠は上記の通りです.月額500円のサブスク制となってはしまいますが,今後ともよろしく御願い申し上げます.